断捨離を始めたら、かれこれ30年以上しまい込んだまま使っていないので処分しても
いいかなと思っているオープン・リールデッキです。

どうしたもんだか。
数十巻あった4トラック・オープンリールのミュージックテープはほとんでオクで売ってし
まった。残っていたのはこの3巻だけ、当時 エア c'k で録音したテープは使用済で
すから売れそうにないので何巻か残っている。
久しぶりデッキに火を入れ聴いてみた。どのテープもカビなど無くかなり良い状態です。

オープンリール・ミュージックテープは、ダイナミックレンジ,SN比はLPレコードより優れ
ており、リールの回転音とヘッドを通過するときのテープヒスを気にしなけれが"ADD"の
CDに比べても遜色ない音質だ。
10インチ・テープの長さは1,100m、4トラック19cm/sで片道90分、往復180分
録音可能です。今はほとんど聞かなくなった「エアチェック,air c'k」とは、ラヂオのFM
放送を録音すること。
1975年クラシック音楽史上特に注目の演奏会が開催された。カール・ベーム指揮
ウイーン・フィルの来日公演です。NHKホールでのコンサートはハガキ抽選だった。
もちろん金銭的余裕もなく無理だったが、コンサートの模様はNHK-FM放送で生中継
された。
1975年3月16日初日公演は荘厳な「君が代、オーストリア国歌」に続いて、
1, ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調
2, ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調
アンコール 美しく青きドナウ
と私の Air c'k のメモ書きがある。当時オープンリールデッキは持っていなかったので、
このテープは数年後の再放送時エアc'kしたものと思われる。 3月22日の公演は、
1, 序曲「レオノーレ」第3番
2, ストラヴィンスキー 舞踏組曲「火の鳥」
3, ブラームス 交響曲第1番 ハ短調
アンコール, ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
でした。
今も語り草になっている名演奏、ベーム/ウイーンフィルのブラームスの1番
後年発売されたCDも購入したが、40年前エアc'kしたスコッチの10インチテープ
をデッキにセットして聴いてみたが、熱気を帯びた演奏に懐かしさがこみあげてくる。
第一楽章のティンパニが鳴り始めるとあの頃の記憶がよみがえる。第二楽章の
ゲルハルト・ヘッツェルさんのヴァイオリンソロ、甘美なビブラートがとても素晴らしい。

現在では動画サイトでこの20世紀の名演奏を聴くことができますが、ヘッツェルさん
の隣には日本でもお馴染みライナー・キュッヘルさんがいらっしゃいます。
https://www.youtube.com/watch?v=OULabXciATk&t=1192s
お二方とも若いです!この当時のウイーン・フィルは圧倒的多数がウイーン出身を
中心とするオーストリア人が占め、ウイーン・フィル黄金時代の響きが堪能できる。
他のテープも久しぶりに聴いたが結構いい。ザルツブルク音楽祭のテープもあった。
この年は二人の偉大なマエストロがウイーンフィルを振っている。ベームは
ベートーヴェンの第6番と第5番、そしてカラヤンはヴェルディのレクイエムです。

オーディオセットに設置するには転倒防止をする必要がありそうだが、ネットラヂオや
CDから録音すれば、テープのゼロカウンターとテープエンドの箔センシングでエンドレスに
聴いていられるから、オペラ全曲を連続して聴くときはディスクの取り替えの煩わしさが
ないので結構いいかもですが、
とりあえず処分は保留とします。
Posted at 2020/12/17 20:55:05 | |
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