いやー。
不勉強でした。
今どきのロードバイクって、UCI規定に縛られていないTTバイクだけじゃなく、UCI規定で縛られているエアロロードでもセーリング効果ってあるんですね。
まず、一言で言ってディープリムホイールと言っても三つの代表的な形状があります。
ディープリムが出た当初のV形状。
次に横風の影響を考えたU形状。
横も縦もどこからでも有利に空力が少しでも働くように考えられたUV形状。
と一般的に言われていますが、ほぼ特殊な事例を除き…
というかほぼこの理論に当てはまると思います。
それを検証した画像がこちら。
パッと見てわかりにくいですが、上からV形状、U形状、UV形状となります。
↑が打ってあるポイントから、リムの後端もしくはタイヤの先端までの距離が短いほどステアリングモーメントが小さいという結果になります。
※ステアリングモーメント
横風を受けた時にどれくらいハンドルを持っていかれるか。
画像を見ればわかる通り、V字形状は最も遠く、U字形状は前よりからの横風にはV字形状とさほど差異はありませんが、後ろ側(追い風側)からの横風に対してはV字形状に対して大きな差を生み出しています。
UV形状に関しては、どちらの方向からもV・U形状と大きな差を生み出しています。
この比較画像のBontrager と表記のあるリム形状は現在も売っているAeolus xxx時代のモノではなく、それの前モデルにあたるAeolus 5(D3形状)というモデルの形状です。
xxxシリーズはこれよりも、より進化したカタチとなっており良い比較画像が見つかりませんでしたが、これと同等か若干の進化がさらになされていると思われます。
また、最新のRSL37はさらにもう少し進化しているモノと思われます。
これだけ優れた横風の影響の少なさをもってしても、琵琶湖などを走っていて強い横風がドン!と来た時には少しハンドル持っていかれます。
(CL50 discで経験。)
UV形状よりも前身となるV字形状やU形状だったら…もっとドンとハンドル持っていかれていたんですねw
そう考えると恐ろしい。
ホイールひとつとっても、これだけの研究がなされています。
製品を見ると単純な形状に見えるんですけど、物凄い労力が払われているんですねw
感心しました…。
次にリムハイトの違いによる比較です。
DT Swissのホイールによる比較です。
上から順にリムハイト 50・62・80の比較。
ここで注目すべきポイントは前寄りも後ろ寄りも横風15℃くらいからセーリング効果が出ている結果です。
リムハイト62と80は風の抵抗がマイナス(前に押し出す)の結果が出てますよね!
スゴイっす…。
リムハイト50mmは、風の抵抗が5Wまで減っていますが、まだ抵抗を発生しています。
しかし、5Wまで減っている。
そういう事実。
リムハイト80に至っては、-5Wまでセーリング効果が発生しています。
17℃くらいの横風になると-7Wもの効果を発揮し、それ以降キツイ角度になると少しずつ抵抗が増していきます。
ステアリングモーメントを最も小さくするには、タイヤ幅に対してリム幅を105%の幅にすると最も優れている(※現時点での解析および技術力だという前提です)らしいのですが、それを踏まえて次の画像を見てください。
現行のRoval Rapide CLXのリム形状です。
フロントのタイヤをひっかけるフック部を中空にしてまで(!物凄い技術力!)軽さを実現しながら、Specialized自社の26Cのタイヤを装着時にタイヤ幅の105%を超えますがタイヤとの段差を小さくする事でさらに優れた空力特性になるようにリム幅が35mmになっています!
(タイヤを嵌めるインナーリム幅21mmに25cタイヤで実測28mm=1.25。26cタイヤで約30mm=1.16となります)
また、横風の影響を受けてもステアリングモーメントが発生しないリアホイールは走行中に最も抵抗を減らしたい方向の空力に優れた限りなくVに近いUV形状となっています。
現時点で最高空力は、やはり評判どおりRoval Rapide CLXじゃないでしょうか。
フロントはセーリング効果が発揮されにくい51mmのリムハイト。
しかし、この形状に秘密があって恐らくセーリング効果を得ているのではないでようか…Specializedいわく前モデルのCLX64と同等の空力と発表しているので、-5W近く達成している可能性があります。
リアホイールの61mmリムハイトは、恐らくセーリング効果を発揮しているでしょう。
こちらも-5Wかもうちょいの効果を得ている可能性が高いです。
今どきの自転車ってすんごいですね…w
私が次に買うロードはMadone SLRでもう決まっています。
Madone SLRにRapide CLXは嵌りません。
クリアランスが小さくなりすぎる為です。
万が一、少しリムが振れた時(コーナリング時など)に、リムとフレームが接触するかも…です。
それくらい極少のクリアランスになってしまう為に、MadoneにCLXは流用できません。
(前モデルのCLX32・50・64と私も持つCL50はリム幅29mmなのでOKです)
そして、Bontragerのホイールも所有して経験しておきたいので、Bontrager Aeolus xxxを買うのですが、これらの結果を読んで…
割と横風も喰らう地域を良く走るので、今回購入するホイールはxxx6にしようかな!と思いました。
試乗車のAeolus comp5という重いホイールでも、Madoneの優れたフレーム性能でまるでハイエンドホイール履いてるミドルグレードのロードバイクと同等…どころじゃねーな。
もっともっと進むし、速い!
というのを経験してしまったので、xxx6がリムハイト60mmあって重いと言ってもホイール前後で1540gですよ…!!
リム重量単体で見てもcomp5より相当軽い。
Madone SLR+xxx6なら、現在私が所有して乗っているロードよりも登るし速いし、楽しいんじゃないだろうか?と妄想が止まりません。
フレームでもセーリング効果が出ているところに、ホイールでもセーリング効果を得たら、相当フィーリング良いんじゃないだろうか?と思いました。
やっぱりゴリゴリのエアロロードも体験しておかないとですね~。
今後、もっと出てくるであろう軽量系エアロによるオールラウンドモデルは、Tarmac SL7を見てもわかる通り、軽くする為にフレームも若干細身です。
前方向からの空気抵抗はVengeなどと同等でも、あらゆる方向からの風に対しては…ホイールのリム高さ検証によってもわかる通り、ある程度の前後方向の高さが必要です。
Tarmac SL7によって、ゴリゴリのエアロロードが若干時代遅れっぽいトレンドになってますが、個人的に思うのは前時代と言われればそれまでですが、やっぱりその時代その時代で最先端を行っていた技術ってのはスグに色褪せるモンじゃないと感じました。
まだ、エアロロードにはエアロロードのメリットや楽しさがあると思います。
ゴリゴリのエアロロードで長い距離を走るってのが今から楽しみです!