日本車の安全対策向上に「NHKスペシャル」という番組は大きく貢献したように思う。
89年12月17日に放映された「死者半減・西ドイツではこうして成功した」というのは、ヘリコプターによる救急搬送体制や、事故現場にメーカー(ベンツ)の担当者が急行して破損状況をチェックする様子、Audiの衝突安全性などを紹介、官民一体となった取り組みで成果をあげた状況を報告した。
この時、「う~む、こういう国で作ったクルマって安全だろうな...」と感じた。
翌90年4月14日に放映された「第二次交通戦争・なぜ日本で死者が減らないか」というのはもっとショッキングな内容で、カローラの輸出仕様と国内仕様では重量が違うという実験比較から入り、分解していくとサイドインパクトバーの有無やフロントフレームの強度が全然違うという告発があった。
ここでゴルフⅡが登場、ドアはロックしなくても外から機械で引っ張っても開かない、強度が国産車とぜんぜん違うという事実を紹介した。
この2本の番組は、私の心象として「ドイツ車=安全」という「すり込み」をされたと思う
この後「安全は金にならない」と豪語していた国産メーカーも安全対策を強化していくことになるが、それでもエアバッグやABSなどの安全装置はオプションや上級グレードのみに着くようなレベルだった。
そして94年、ある日の朝刊にVWの全面広告が載る。「VWは安全装備に差をつけません。全車に助手席エアバッグとABS標準装備」というもの。
当時は子供がまだ小さく「交通事故ごときで死ねない」と思ってた私には、かなりの説得力のある広告、8年乗ったCIVICシャトルの調子が悪くなってきたこともあり、さっそく最寄りのディーラーへゴルフを見に行きました。
今思うと店長が対応してくれたのですが「まずは乗ってみてください」との事でウィンカーの位置も知らないのにさっそくの試乗...まぁ当時のCIVICと比べたら申し訳ないのですけど...やられました。もう鉄の塊にのってるような剛性感というか安心感、ハンドルはちょっと重いけどガッシリ、乗り味が全然違いました。「これがあの安全なドイツ車かぁ」と感嘆した次第です。
店長の薦めで一番安いCLiを選択(たしか240万円だったから、今とあんまり変わらないかも)、その場で妻に電話して「ごめん、やられた。これ買いたい」と契約してしまいました。
こうしてドイツ車遍歴が始まりましたとさ...後編に続く
Posted at 2015/06/19 23:03:24 | |
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愛車遍歴 | 日記