ベルリンとミラノで行われたマツダのテクノロジーフォーラム(SKYコンセプト)とミラノのデザインワークショップのリポート。なるべく詳細にわたって報告しようという思いから長文になるのを厭わずに書き連ねたので、かなりエネルギーを使い果たしました。編集部と掛け合った結果ちょっと長めの連載形式で掲載ということになるはずです。
長い記事は読んでもらえないので短めに……雑誌でもwebでもそういうオファーが多いのですが、本当にそうでしょうか?今回の内燃機関の基本的な知識を押さえておかないと理解が難しい内容を、分かりやすく伝えようとするとある程度のボリュームは不可欠です。
雑誌の場合は紙幅(と原稿料支払い?)の関係もあって、長めの記事は歓迎されません。速報性では雑誌形態の活字メディアは勝負しにくいので、一時流行りとなったvisual化よりも、しっかり読ませる内容に転換した方がいいと思うのですが、現実は逆の方向に進んでいるようです。
carviewのようなweb媒体では、ディスプレィ画面では長文は敬遠されるということから短めの記事でまとめる依頼が多い。webはスピードという固定観念が浸透している。分かるのですが、僕は紙幅や印刷コストなどの制約があるプリントメディアと違って、物理的には無限のスペースが用意できるネットメディアは表現する側からすれば深く書き込めるという意味で魅力的です。
パソコンディスプレイや携帯画面で長い文章を読むのは辛い……それはその通りかも分かりませんが、それを苦にしないように見せるところが編集の妙味というか腕の見せ所。雑誌の感覚でweb媒体を作っている内は、そう遠くない将来ビジネスモデル的に同じ運命を辿るような気がします。
SKY-G(ガソリン)とSKY-D(ディーゼル)という内燃機関のコロンブスの卵的新機軸は、なるほどそういうことなのか……と膝を叩かせる内容がギュッとつまったトリビアの塊のような存在です。是非とも最後まで読み込んで、感想などを聞かせてください。もしも、編集判断でカットされる事態が発生したら、この場に少しずつ連載の形で掲載しようか。そんなことも考えています。
まだ、シャシー/ボディとミラノのデザインワークショップが脱稿していませんが、靱(しなり)登場にまつわる話も興味深いところいっぱいです。僕は、これからのクルマの主流が純内燃機関であり続ける可能性は薄れ、急速にエネルギーミックスが進むと見ています。環境保全とエネルギー安全保障の両面から、石油資源に全面的に依存してきた今までのライフスタイルを持続することは難しい。格差の火種となるという意味で、石油資源は政治的にデリケートな存在になる可能性が高い。
僕は必ずしも次世代エネルギー車推進派などではなく、どちらかというと40年間ガソリン車漬けで生きてきたICE党です。その立場をなんとか保持するために、モビリティの持続可能性のためにはこだわりの持たない多くの人々はHVやPHVやEVやFCVに移行してもらったほうが好ましい。エネルギーミックスが進めば、ICEのスペースが確保されるだろうという考え方です。
今後エネルギーの争奪戦が激化することは避けられないと思いますが、石油にこだわりすぎると必ずどこかのタイミングで衝突が起きると思っています。可能性の芽を摘むことなく、しかしクルマの自由はなんとか保持したい。それが僕の現在只今の心境であります。
昨夜はcarviewのUstreamを使ったライブ放送に参加。お題は『9月4日のロードスタープレス対抗4時間レース』。告知すれば良かったと後で思ったけど、原稿書きで頭を消耗していて失念しちゃった。ツイッターでもつぶやけば良かったか。
今日は鮫洲で国外免許の新調に。26日にパリに向かうけれど、彼の地でフランスの地元車を借りられそう。帰りがけにプジョー・シトロエンに寄って面白い当地モデルが手に入るかも。イケたら、ちょっと遠出などもしてみましょう。
Posted at 2010/09/23 01:22:27 | |
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