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伏木悦郎のブログ一覧

2009年06月16日 イイね!

GPSナビが危ない?

GPSナビが危ない?日本で最初にGPSナビゲーションシステムを装備したのは、1990年に発売されたマツダのユーノス・コスモでした。

『円盤コスモ』の名で親しまれている初代コスモスポーツから数えて4代目となる4座の大型クーペ。ユーノス・コスモは、史上初の3ローターターボ搭載車をラインナップするバブル時代を象徴する徒花のひとつに数えられます。

R32GT-R、Z32、NSX、GT0、FD3SRX-7、SUPRA……あの時代だからこその一台であるわけですが、それぞれに超個性的だったスーパースポーツ群の中にあってコスモは、マツダならではを思わせる狂気に満ちた内容を持っていました。

当時のマツダはバブルのイケイケ状態の渦中に呑み込まれ、国内販売5チャンネル導入を宣言。その勢いはまさに熱病に冒されたかのごとく。無限の成長を信じて疑わないからこそコスモは生れたといえるわけですが、このGPSナビを試そうと開通してまもない北陸道を使ってロングツーリングに出掛ける企画が持ち上がりました。タイアップだったと記憶しています。

この時初めて能登を巡り、千里浜のなぎさドライブウェイを知り、金沢の香林坊で天狗舞の古々酒を嗜んだわけですが、それ以上に印象に残っているのは道中のGPSナビの実態です。

GPSはグローバル・ポジショニング・システム・ウィズ・サテライト(Global Positioning System with satellite)日本語では全地球測位システムと訳される。地球上の現在位置を知る衛星測位システムで、もともとは軍事用。冷戦構造の崩壊によって使用可能となった軍事衛星を活用するというものです。

周囲を海で囲まれた手頃なサイズの国土で、都市部をはじめとする道路網が脆弱で複雑という、もともとナビのニーズが高かったところに、民生用の電子技術で一歩リードしていた産業界が新しい市場として注目したわけです。

国産ナビの第一号は1981年にホンダが開発したジャイロ式。ホンダはその後もガスレートセンサーなどによる自立航法システム開発に力を注ぎましたが、GPSについては軍事系に強い旧財閥系に後れを取ってしまう。ユーノス・コスモのGPSは三菱電機との共同開発によるものでした。

GPSナビは、理論的に3つ、実用上は4つの衛星から電波が受信できることが精度を保つ条件とされますが、当時はなかなか4つ同時という状況が得られない。ナビ画面に衛星の数がモニターされるようになっていて、誤差が生じると大体衛星の数が不足していました。

もともと米軍のシステムを利用するということもあって、当時は意図的に情報精度が落されていたということもあるようですが、トンネルの多い北陸自動車道では、気がつくと地図画面上では日本海を走っている……なんてことはあたりまえ。まあ普及前のことですから、笑い話ですみました。

現在では自立航法システムやマップマッチング技術の進歩、地図情報の最大化と精度アップのおかげで、非常に便利な生活必需品として普及しているカーナビですが、基本がGPSにある事実は変わりません。

そのGPSの基本となる衛星が足りなくなる?ホントかよ……ですが、現在約30基存在する衛星の老朽化→焼滅と新規衛星の打ち上げの遅れによって機能停止の可能性がある。米国連邦議会行政監査局のリポートに端を発する「GPSの危機」報道 (その解説)にはビックリでしたが、どうやら心配ないらしい。こりゃ大事件かな……と前のめりになったのですが(笑)。

しかし、今ではもうすっかり生活に溶け込んであたりまえになっている現実ですが、よくよく考えてみると不思議だし凄いことでもある。だって、俺がもうちょっとパリッとしていた1980年代中頃、ロナルド・レーガンが提唱したSDI(Strategic Diffence Initiative)=戦略防衛構想=スターウォーズ計画とも呼ばれた宇宙戦略につながるんだもんな、GPSって。

ちなみに我がS2Kはナビ未装備。GPS問題にはまったく左右されませんが、道に迷うこと度々であります。
Posted at 2009/06/17 11:26:39 | コメント(7) | トラックバック(0) | 日記
2009年06月15日 イイね!

売るクルマと買うクルマ

売るクルマと買うクルマ月初めの北陸ロケの前週に、三鷹の『CAR DO SUBARU』から河口湖まで走るメディア向けの取材会があった。あいにくの雨。クルマのインプレッションは翌週にまわすことにして、撮影とインタビューに集中することになった。

新しいショールームを兼ねた建屋はSTIと同じ敷地内にあり、そういえば数年前に連載インタビューの取材で、スバルの富士重工の前身中島飛行機の創設者中島知久平ゆかりの『森山荘』を訪れたことがあった。

戦前の味わい深い木造建築は、ショールームの裏に昔ながらのいい雰囲気を湛えていた。開発責任者の日月(たちもり)丈志さんとのアウトバックを横に置いての渋い大人のツーショットは今週末発売のD誌で是非!!

カードゥスバルで取材中、たまたまアウトバックを停めた駐車スペースに、先代と先々代のツーリングワゴンが並んだ。完全なる偶然だが、その眺めは今度のレガシィを象徴的物語っていた。

アウトバックは、全幅を国内向けに40㎜狭めたB4、ツーリングワゴンと違って、すべてが北米仕様と共通のオリジナルサイズ。最低地上高をワゴン比で70㎜上げて、アプローチ/デパーチャーアングルを稼ぐことでSUVの規定を満たし、アメリカでのライトデューティトラックとしてカテゴライズされる。

3.6Lフラット4エンジンの搭載とともに、世界中のメーカーがこぞって参入したSUV市場のど真ん中に入ることを狙った。こうして並べてみると、なるほどなあ。レガシィの系譜というよりも、アメリカナイズされた別のクルマという印象を強くする。

レガシィは、このアウトバックにかぎらずツーリングワゴンもB4も、乗ればそのゆったり広々のキャビンは20年付き合ったらこれくらいの余裕は欲しいか……作り手の気持ちは分らないではない。

このスケールになればディメンション的な余裕も十分で、走りの洗練も確実にステップアップした。ターボと6速MT、2.5LのNAフラット4とCVTの組合せに、SIドライブが組み合わされる走りの個性も、それぞれ味わい深い。Wウィッシュボーン化したリアサスの乗り味も、作者の意気込みが伝わる上質なタッチに仕上がっている。

多分販売を担当する現場からは、アピールポイントが多くて売りやすい、売り甲斐があるクルマということになりそうだ。しかし、買う立場からする、良いのは分かるけれど生活環境に当てはめたくても、物理的に合わなくて買えない。けっこう切ない思いをさせるクルマになっている。

もう売りやすい売るクルマからいい加減に卒業して、どうしようもなく買いたくなるクルマを作ることを考えたらどうだろう。ゼロサム状況を考えると、押し込んで売るクルマは後進国が中心となることが避けられない。

そうなる前に、これだったら矢も楯もたまらず欲しいと思える身の丈にあったスケールのクルマ作りに回帰したい。そのほうがグローバルに通用する魅力的な日本車になるはずだ。グローバルスタンダードとは、なにも欧米の価値観に合わせることだけではない。

日本が古来持っている自然との対峙を避け、むしろ受け容れることで調和を図る生き方のほうが、これからの時代、世界的に通用するコンセプトになるはず。勝負するなら、相手(競合する国々)が真似することの出来ないこっちだと思うんだけどなあ。甘いかね。 
Posted at 2009/06/15 22:46:43 | コメント(15) | トラックバック(0) | 日記
2009年06月14日 イイね!

プリウス対プリウス

プリウス対プリウス時代は変わるのか変わらないのか。変わらざるを得ないというのが僕の見解だが、変わりたくない、変えたくない、今までを継続したいと願っている人は案外多いようだ。

人は言っていることより、やっていることで判断しろ‥‥良く言われる話だが、低炭素化社会とか持続可能性を追求する世の中を本気で考えるなら、短期的にはこれまでのエネルギー多消費社会よりも多少の不便は覚悟する必要がある。

エネルギー(石油資源の枯渇)や環境(地球規模の温暖化)という差し迫った問題を克服するには、これまでの延長線上で豊かさを追求するのは考えものだ。スピードやパワーや快適さやエモーションなどは抑えてでも、問題解決にあたるという強い決意が求められている。

ダウンサイジングやダウンパフォーマンスによって小さく効率的にシフトしながら、商品的魅力は逆に高まる方向を模索する。富の偏在による価値観の相違は避けられないが、現在の文明が再生不能な石油資源を前提にしていることがはっきりしている以上、その多消費を促進するプロダクトには取り敢えず?マークをつけたほうがいい。

エネルギー多消費によって魅力を生み出すハイパフォーマンスカーは、余裕のある人々には具体的な憧れだが、持たざるクルマ好きにとっては無視する以外に自らを納得させる方法が見当たらない。上からと下からでは同じモノでも見え方が違う。あたりまえだけど重要な視点だ。

技術の進歩に棹差すつもりはないけれど、パワーもスピードもクォリティも全面的な右肩上がりでしか評価する手立てを持てないことに、21世紀になってもう10年近いのに根強く残る20世紀的な価値観(それは無尽蔵のように考えられた石油資源が前提になっていた)が読み取れて、切なくなる。

先週自前のプリウス(NHW20)と新型(ZVW30)を連れ立って、トヨタの堤工場の見学に行ってきた。その試乗と工場見聞の模様は近々carviewリポートとしてアップする予定であります。

ちょいと引っ張りすぎですが、今度のプリウスは当然進歩しているけれど、向いている方向が今までの延長線上で古い感じがする。まあ、そんな話になるはずだ。

ま、この辺は十分な紙幅できちんと語らないと誤解を生じやすいので、今宵はこのくらいで。旧型になっちゃったけど、NHW20は古くなった感じがしないんですよ。


Posted at 2009/06/14 21:17:58 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2009年06月07日 イイね!

SAMURAI BLUEは勝ったのに……

SAMURAI BLUEは勝ったのに……遅まきながら祝World Cup本大会出場。代表は昨日の試合から即帰国して、もう横浜で記者会見を済ませている。ウズベキスタンってそんなに近いのか? えっ?ジャンボジェットのチャーター便を飛ばしたの?サポーターは0泊3日!?帰路は代表と一緒だったの? 疑問符いっぱいは見苦しいですが、私は体調不良で息苦しい。

ので、←こんな画像で、ちょいと誤魔化そうかと。何度も通ったことのある御社ですが、あんまりこの手の話題を持ち出すと仏門の信心深い叔父やら叔母やらが目くじらを立てるので、そぉ~っとね(まあ、鶴見の叔父貴はこのブログ見てるから、意味ないけど)。
そんなことしてるから健康を害する……なんて叱られそうだ。

ちなみに、この神社とは縁もゆかりもない(らしい)ので為念。
Posted at 2009/06/08 01:08:49 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2009年06月05日 イイね!

フシキが伏木に現れた

フシキが伏木に現れた2日の朝からMAZDA横浜研究所でみっちり取材をし、午後5時から河口湖発のレガシィ三昧の旅。まずは一気に松本~安房峠越えで高山泊。翌日は白川郷~氷見~能登白米千枚田~羽咋千里浜なぎさドライブウェイ~金沢。そして最終日は帰りがけに万葉の里高岡市伏木に寄り久しぶりにフシキ漬けを楽しんできた。

レガシィの評価は次のD誌で……ということになるのはお約束なので、よろしく。道中風邪をひたすら悪化させる一方で本日はこれ以上書けません。明日はなんとかしたいなあ。



Posted at 2009/06/06 01:03:08 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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何シテル?   03/24 18:25
運転免許取得は1970年4月。レースデビューは1975年10月富士スピードウェイ。ジャーナリスト(フリーライター)専業は1978年9月から。クルマ歴は45年目、...
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