シリーズ第3弾(笑)
最早これで押し通すのか?
とはいえ今回は社会派的内容かつ疑問形
廃止が決定している根室本線富良野 - 新得間の
以前執筆した内容を現地再検証したまでですが…
まずは前回のおさらいです
根室本線富良野 - 新得間は2016年8月の台風災害により壊滅的な被害を受け
今回の廃止となる区間の現状は富良野 - 東鹿越間が鉄道運行
東鹿越 - 新得間は代行バス運行が行われています

富良野以北は観光需要があること
新得以東はバイパスとして機能する石勝線経由で帯広・釧路への需要がある反面
この区間は上川総合振興局と十勝総合振興局の県境越と同様な地理的条件からも
ローカル需要が低く復旧工事をしても対費用効果も低く採算が取れない
そのようなことから同区間を廃止しバス転換へ舵を切ることになっており
転換後は富良野 - 落合間を1日6往復 富良野駅 - 石勝線トマム間を1日3往復で
運行する計画が発表されている
では廃止予定区間がどうなっているのか?
当社が現地に直接行って肌で感じてきたわけです
まずは新得側から狩勝峠を経て↓の駅に立ち寄ってみますた
落合駅
北海道空知郡南富良野町字落合 滝川起点108.2㎞ 駅番号T37
根室本線でJR北海道本社直轄の管理駅はここまで新得以東は釧路支社管轄となる
燐駅の新得までは狩勝峠を越えることもあり28.4㎞もあるわけで
同時にこの区間は原生林つーか人里なんてあるわけない
とはいえ管理や列車交換のため信号所が4ヶ所も設置される超特殊区間でもある
一応駅としては機能していて駅舎の中(待合室)には入場可能です
尤もここに列車が来ないのは入口のドアから始まります

バスは1日9本ある(富良野方面5本/新得方面4本)

ちなみに↑のバスは地元資本の観光バス
それも最新鋭のセレガらしいとの情報
以前は立入が出来たホームは…

↓になっていて立入不可
川口探検隊レベルのジャングル化(笑)
ホームの雑草が以前にもましてパワフルになってるじゃん
↑を撮影していたら当社よりはるかに高額機材な方もやってきますた
鉄分モロ高な方ですが目的は当社と同じで廃線区間を記録に残しているとのこと
かなやま湖周辺の本線の状況を撮影してきた後にここへそうですが
線路に至ってはここ以上にジャングル化していると…

このまま朽ち果てていくのでしょうな
でも↑とは対照的な廃止予定駅もございまして
当社は次に向かったのは↓の隣です
ほ…幌舞駅? そんな駅あったっけ?
わかってまんがなあ 正しくは↓です
幾寅駅
北海道空知郡南富良野町字幾寅 滝川起点98.8㎞ 駅番号T36
隣駅と言っても10㎞近くあるのが如何にも北海道
そしてなぜ↑なのかというと以前も書きましたが
1999年6月公開の映画『鉄道員(ぽっぽや)』のロケ地だったからですよ

なので↓のが駅前にあったりします

美術スタッフ特製だるま食堂のセット

こちらも同じく美術スタッフが作り上げた床屋

JR北海道がレトル風味な前面に改造したディーセルカー
しかしなぜか運転席+客室1区画だけの晒し首みたいな状態で保管
ただ放置プレイなんだろうなの弊害でボディは↓のようにボロボロ

しかし駅舎の中は完全に映画の世界に浸れるわけで…

ですから線路も列車は来なくても結構綺麗にされていますた


訪れた人を出迎えるように秋桜もイイ感じと思われ…

そして1㎞程離れたR38沿にある
道の駅 南ふらのとセットで
映画の世界観で見事なまでに観光地ビジネスを展開しているんですよ
つーか当社が↑を撮影している間に観光バスが2台も来てたりもしたわけで…
そうです
廃線跡ビジネス
今後は↑なることだけは確実なのです
で…このビジネスで食っていけるのか?
↓な成功例があります
幸福駅
北海道帯広市幸福町東1線にあった1987年に廃止された国鉄広尾線の駅
1970年代半ばに2つ帯広寄りの愛国駅とセットで
愛の国から幸福へのコピーで片道乗車券が爆発的ヒット
観光客が多数訪れるようになり待合室の内外に名刺や使用済みの定期券などを
記念に残すようになったこともあり広尾線廃止後は公園観光地として再開発され
幸福地区観光再開発協議会が帯広市から管理を受託され駐車場等も整備された

早い話が↑(当時モノ)のチケットがあったからこその観光地化
尤も当時は民間によるデッドコピーつーかパチモンまでバカ売れしたとか?
↑の駅舎は公園整備後に建て替えられたレプリカではありますが
保存されている車両は現役時代に広尾線で使われていたそうです

しかも車内は入れるし…

運転台もってサービス良過ぎ(笑)

しかし水温計もタコもなく速度計と空気圧関係だけって結構シンプル
これだけでも鉄分ない方もおぉぉとなると思いますが…

やっぱりメインは↑でして
そんなにしてまで幸せになりたいんか?(笑)
まあシッカリ足を運んでいる当社も当社なんですけど…(爆)
でもですよ
完全に廃線跡ビジネスが成立
そういうわけでして幾寅駅のほかに根室本線廃止予定区間には
その可能性を秘めているもうひとつの駅がございます
布部駅
北海道富良野市字布部市街地 滝川起点60.9㎞ 駅番号T31
北の国から第1話で東京から富良野に帰ってきた黒板五郎・純・蛍の一家が
親戚の草太兄ちゃんと出会う駅とも知られ北の国からフリークの聖地でもある
この駅はまだ線路が活きているというか1日4往復でも列車が来る

ここには2018年秋にも訪れているけれど特に変わったところはない
…と思ったら倉本聰直筆『北の国 此処に始まる』の碑が若干補修されていた


※左が2018秋 右が2022夏って既に北の国からに毒されてます(笑)
では…この駅が廃線跡ビジネスに乗れるかと問われると当社は↓答えます
あると思います?
断言ではなく疑問形です
というのは五郎サンの家などドラマに関連する観光施設は
麓郷の森を含めてここから10㎞離れた麓郷地区に集中すること
雪子が働いていたニングルハウスは新富良野プリンスホテルの敷地内だし
2002遺言で登場した富良野神社や結(内田有紀)が立寄ったセイコーマートは
市内中心部で最寄は6.3㎞離れた富良野駅だったりもしますし
麓郷への公共交通機関アクセスそのものも富良野駅からふらのバスだし
シーズン中のみ運行の定期観光バスも富良野駅起点で布部には来ません
そしてスペシャルドラマ化後にメインで出てくるのはここではなく富良野駅
帰省した純を五郎サンが40型日産ジュニアで迎えに来るシーンはお約束ですた
今では札幌から観光特急が到着すると倉本聰から軟禁状態にされ
半強制的に30分程で作らされたさだまさしの歌声が響いちゃうわけで…(笑)
↑の状況から倉本センセイ直筆の碑と1stシーンという聖地であっても
ここを観光地として整備したりするのは現状では難題だらけなわけで
根室本線廃止と共に朽ち果てていくと思われ…
父さん 純は不純でもこれは仕方ないです
廃線跡ビジネスって地元の努力も必要だけど
運や歴史的背景などの要素も大きく作用する
正直なところ布部駅は難しい気がする
それと同時に幾寅駅も時間経過で忘れ去られる
その可能性はゼロではないとも言える
結果このビジネスに安泰はない
だからこその疑問形だったんですけどね

当社的には生暖かく見守る次第です