
ことしの世相を表す漢字は「熊」
2025年12月12日午後2時12分
(2025年12月12日午後5時15分更新)
京都府
ことし1年の世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」が京都の清水寺で発表され、「熊」の文字が選ばれました。各地で「熊」が出没し、被害が拡大したことなどを理由としています。
目次
2項目
「今年の漢字」トップ10は
歴代の漢字は?
「今年の漢字」は、京都市に本部がある「日本漢字能力検定協会」がその年の世相を表す漢字ひと文字を一般から募集し、最も多かった字が選ばれます。
1995年から行われていて、31回目となることしは、先月1日から今月9日までの間に応募があった18万9000票あまりの中から最も多い2万3346票を集めた「熊」の文字が選ばれました。
清水寺では午後2時すぎ、森清範貫主が大きな和紙に「熊」の字を書き上げました。
協会では「熊」の字が選ばれた理由について、各地で「熊」が出没して被害が拡大し、国民の関心と不安が集中したことや、中国語で「熊」に猫と書くパンダが和歌山県のテーマパークから中国に返還され、話題となったことなどがあげられるとしています。
清水寺 森貫主「来年は よい字が選ばれることを祈念したい」
筆を執った清水寺の森清範貫主は「熊」が選ばれたことについて「報道で多く報じられていたので印象は大きかったと思う。環境というものが変わってきて、われわれの身のまわりにそれが迫ってきていることを実感した。亡くなった方がおられることは本当に痛ましく、ご冥福をお祈りしたい。また、来年は、よい字が選ばれることを祈念したい」と話していました。
「今年の漢字」トップ10は
「日本漢字能力検定協会」によりますと、今回は応募総数18万9122票のうち、「熊」がおよそ12%の票を集め、1位となりました。
トップ10には、米などの物価高騰や女性初の総理大臣の誕生、大阪・関西万博に関連した漢字が多く入りました。
2位は「米」 で、昨年から続く米の価格高騰と米国・アメリカのトランプ大統領就任や相互関税による混乱などが理由にあげられ、1位との差は、わずか180票でした。
3位は「高」 で、高市総理大臣の就任や、物価高、日経平均株価の高騰などが話題になったとしています。
女性初の総理大臣の誕生をめぐっては、8位に「女」、9位に「新」、10位に「初」 が入るなど、関連する漢字が複数選ばれています。
このほか、4位に「脈」、5位に「万」、そして7位に「博」 が入り、大阪・関西万博や公式キャラクターの「ミャクミャク」に関連する漢字も多く選ばれ、万博の盛り上がりを感じた1年だとしています。
歴代の漢字は?
「今年の漢字」は、「漢字の日」とされる12月12日前後に毎年、清水寺で発表しています。
大きな和紙に一気に書き上げる様子は師走の風物詩になっているほか、その年を振り返るきっかけのイベントとして注目されています。
第1回の1995年に選ばれたのは 「震」でした。
この年には阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起きました。
20年前の2005年は 「愛」。
紀宮さまのご成婚をはじめ、「愛・地球博」が開催され、卓球の福原「愛」選手やゴルフの宮里「藍」選手など「アイちゃん」が愛称の女性が活躍した年でもありました。
15年前の2010年は 「暑」。
この年の夏の猛「暑」で熱中症になる人が続出しました。
10年前の2015年は 「安」。
「安」全保障関連法案の採決に国民の関心が高まったほか、パリの同時多発テロ事件など、世界中で「安」全が脅かされる事態が発生しました。
5年前の2020年は 「密」。
新型コロナが流行し、感染防止のため“3「密」”を避けるよう呼びかけられました。
そして去年は 「金」。
「金」は過去30回のうち5回選ばれていて、去年の「金」はオリンピック・パラリンピックの日本人選手などの活躍による、光の「キン」と、政治の裏金問題や闇バイトによる金目当ての強盗事件など影の「かね」の2つの意味を示しているということです。
木原官房長官は「大」 万博や大谷翔平選手などで
木原官房長官は午後の会見で「クマによる人身被害が増大しており、ことしの漢字に『熊』が選ばれたことは国民の不安や関心の高まりを反映しているものと感じている。地域ごとの捕獲目標頭数などを設定した『クマ被害対策ロードマップ』を年度内に設定し、春の捕獲を計画的に行うなど、引き続き緊張感を持って取り組む」と述べました。
また、自身にとっての「ことしの漢字」は「大」だと、文字を記した色紙を掲げて説明した上で「大阪・関西万博の成功も記憶に新しいところで、大谷翔平選手の活躍も目覚ましいものがあった。高市内閣が発足して日経平均株価も5万円の大台を突破した。一方、良いことばかりでなく、大分県大分市の大火災や、非常に大型のクマによる人身被害も多発した。大変印象に残る1年だった」と述べました。
小池都知事は「変」
東京都の小池知事は記者会見で「今年の漢字」を問われ、変化の「変」をあげました。
筆ペンを手に取った小池知事は「変」の文字を書き、この漢字を選んだ理由について「高市さんが総理に就任したことは大きな変化で、プラスの意味だと思う。それから国際政治の変化もハラハラドキドキするような激変で非常に心配な部分もある。プラスとマイナスと両方だが、変化が激しかった」と説明し、「来年もいい変化が訪れるようにしていきたい」と抱負を述べました。
Posted at 2025/12/12 19:01:02 | |
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