自民と維新 衆院議員の定数削減法案 共同で国会に提出
2025年12月5日午後7時00分
衆議院
衆議院議員の定数削減をめぐり自民党と日本維新の会は、1割を目標に削減し、1年以内に法制上の措置が講じられない場合、小選挙区と比例代表であわせて45議席を削減するなどとした法案を共同で国会に提出しました。
衆議院議員の定数削減をめぐって自民・維新両党の実務者を務める自民党の加藤前財務大臣と維新の浦野靖人衆議院議員らは5日、衆議院の事務総長に対し、両党がまとめた法案を共同で提出しました。
法案では、現在465となっている衆議院議員の定数について、420を超えない範囲で1割を目標として削減し、少なくとも45議席を削減するとしています。
そして、衆議院議長のもとに設けられ、すべての会派が参加する協議会で具体的な検討を進め、結論を得るとしています。
一方、1年以内に法制上の措置が講じられない場合は公職選挙法を改正し、小選挙区で25議席、比例代表で20議席のあわせて45議席を削減することも盛り込んでいます。
両党は、野党にも協力を呼びかけた上で、今の国会での成立を目指すことにしています。
自民 加藤前財務相「理解得て成立を」
自民党の加藤前財務大臣は、記者団に対し「定数や選挙制度は、民主主義の根本にかかる話なので、幅広い議論を行い、理解を得て成立が図られることを期待する。われわれとしても必要な説明を行うなどしてしっかりと汗をかいていきたい」と述べました。
維新 吉村代表「野党の皆さんの賛同得られるよう努力」
日本維新の会の吉村代表は大阪市で記者団に対し「議員定数の削減は改革のセンターピンだと思っており、まさに実行すべきときが来た。野党の意見を踏まえた法案を提出したので、できるだけ幅広く野党の皆さんの賛同を得られるよう、努力して頑張っていきたい」と述べました。
維新 浦野靖人衆院議員「各党の理解得ながら議論前に」
日本維新の会の浦野靖人衆議院議員は記者団に対し「さまざまな行財政改革を進める中で議員の数だけ減らないということにわれわれは疑問を持っており、定数削減は避けて通れない。議論を先延ばしするのではなく結論を出すことが大事であり各党の理解を得ながら前に進めていきたい」と述べました。
立民 野田代表「強く異を唱える」
立憲民主党の野田代表は記者会見で「1年以内だとか、1割だとか、野党に全く相談もなく与党だけで期限を決め、数も決めて、もしだめだったら自動削減だというのは二重三重に乱暴すぎる。強く異を唱えたい」と述べました。
その上で委員会での法案の審議について「議論が煮詰まってきた政治資金規正法改正が先行すべきだ。『そんなことより』と軽視せずに公明党や国民民主党が出している規制強化の法案を軸に結論を出すべきで、まずそのことが先決だ」と述べました。
一方、選挙制度改革をめぐり中選挙区制の導入を求める意見があることについて「私は極めて慎重な立場だ。中選挙区を経験したことのない人たちが先走って言っているが中選挙区は明らかにお金がかかったし雑事の競争があまりにも大きすぎた」と述べました。
国民 玉木代表「選挙制度改革の議論を」
国民民主党の玉木代表は記者団に対し「現行の選挙制度を前提に定数を削ると超党派の議員連盟やすべての会派が参加する協議会の議論と矛盾する可能性が出てくる。削減の方法をピン留めするような法案を急ぐのではなく抜本的な選挙制度改革とそれに伴う削減案について国民に開かれた場で具体策の議論を加速していくべきだ」と述べました。
国民 榛葉幹事長「本丸の議論を」
国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「1年以内にやらなかったら時限爆弾が爆発するぞ、議席を削るよということばかりが注目されるがどういう選挙制度にするのかという本丸を議論しなければだめだ。削減ありきではなく選挙制度をどう考え、どう定数を減らすのかを議論することが大事だ」と述べました。
その上で委員会での法案の審議について「先入れ、先出しが原則で先に法案が審議入りしている政治資金の問題にまず、けりをつけるというのが普通の流れだ。日本維新の会は企業・団体献金は廃止と力強く言っていたのだから政治資金の問題をあいまいにしてはだめだ」と述べました。
公明 斉藤代表「あまりに乱暴」
公明党の斉藤代表は記者会見で「1割をめどに削減するという枠を初めから与党が決めていることには非常に大きな違和感を感じる。幅広い政党の合意を得て行うべきで1割、1年と先に決めるのはあまりにおかしい。熟議の否定であり権力を握っている与党の側が数字まで出してあらかじめ決めつけてくるのはあまりに乱暴だ」と述べました。
共産 山添政策委員長「結論押しつける強行法案」
共産党の山添政策委員長は、記者会見で「結論を押しつける削減強行法案だ。選挙制度は民主主義の根幹であり与党だけの議論で結論を押しつけ期限も切るというのは議会制民主主義の否定で断じて許されない。政治とカネの問題に決着をつけることが求められておりそれを脇に置いて『そんなことよりも』と言って定数削減を先に強行するようなことは許されない」と述べました。
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Posted at 2025/12/05 19:56:00 | |
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