露地栽培原木しいたけ 相馬の農家が出荷制限解除で出荷 福島
2025年12月20日午後5時35分
東京電力・福島第一原子力発電所の事故のあと、国の基準を超える放射性物質が検出されたため一部の地域でいまも出荷が制限されている露地栽培の原木しいたけについて、県のマニュアルに沿って試験栽培を行ってきた相馬市の農家の出荷制限が解除され、19日、15年ぶりに生のしいたけを出荷しました。
14年前の原発事故のあと、屋外で栽培する「露地栽培」の原木しいたけは、国の基準を超える放射性物質が検出されたため、県内では17の市町村でいまも出荷制限が続いています。
こうしたなか、県は、放射性物質の影響を受けにくい栽培方法をマニュアルで示し、相馬市のきのこ農家、工藤義行さん(80)は、このマニュアルに沿って露地栽培の原木しいたけの試験栽培を続けてきました。
その結果、ことし9月に工藤さんが手がけた原木しいたけについて、マニュアル通りに生産が管理されていることや、放射性物質の基準も十分に下回っていることが確認されたとして、生産者ごとに判断する仕組みで出荷制限が解除されました。
19日、工藤さんは、原木しいたけを収穫したあと、原発事故前の2010年以来、15年ぶりに生しいたけを出荷し、近くの道の駅に並べました。
県によりますと、県内で露地栽培の原木しいたけの出荷制限が解除されるのは、2012年4月に一般食品に含まれる放射性物質の国の基準が引き下げられてから初めてです。
工藤さんは「原発事故からまもなく15年になります。生業としてはまだまだですが、出荷できたということは第一歩です。おいしく味わってほしい」と話していました。
Posted at 2025/12/21 00:29:23 | |
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