太陽光発電で土砂が流出 福島市が条例に基づく2例目の勧告
09月25日 12時30分
福島市内の太陽光発電施設で敷地の法面が崩れ、土砂が流出しているのが確認されたとして、市は、条例に基づいて、事業者に対して再発防止を求める勧告を行ったと発表しました。
ことし4月の条例の施行以来、勧告は2例目です。
発表によりますと、先月、福島市北部にある太陽光発電施設で雨によって法面の一部が崩落し、土砂が流出しているのを住民からの通報をきっかけに市が確認したということです。
法面の崩落は高さ10メートル、幅2メートルほどの規模で、付近を通る市道にはおよそ70メートルにわたって土砂が流出し、多い所では高さ50センチほどの土砂が堆積していたということです。
また、この施設では、ことし1月にも雪どけ水などが原因で法面の一部が崩落していて、復旧工事を行っている最中だったということです。
いずれも人的な被害や住宅などへの被害は確認されていないということですが、市は、今後も同様の事故が繰り返されるおそれがあるとして事業者に対して、再発防止策を講じるよう、25日付けで勧告しました。
勧告は、太陽光発電の新規の設置を規制し、既存の事業者にも適切な維持管理を求めるためにことし4月に施行した条例に基づく措置で、今回で2例目です。
福島市内では、吾妻連峰の一角の先達山のメガソーラーが、景観の悪化などから住民の反発があるなか、今月末に商業運転が開始される見通しで、地域との調和が課題となっています。
■小規模施設にもリスク
問題となった現場は急傾斜の斜面が含まれ、福島市は、土砂災害のリスクがあるとして着工前の段階から建設の中止を要請していました。
ただ当時は、権限や根拠となる条例もなかったため、あくまでお願いベースの要請にすぎず、事業者側は計画を断行する形で建設を進め、去年運転を開始。
その結果、2度にわたって土砂の流出を起こしました。
福島市では、先達山の大規模なメガソーラーをめぐり、景観の悪化などに住民が反発して注目を集めています。
一方、今回問題が起きたのは、比較的規模の小さい発電施設で、土砂の流出対策など国の規制が及びにくい現場でした。
市は、4月に施行した規制条例によって、安全性に懸念のある施設の新規建設には歯止めをかけましたが、市内ではすでに大小多数の太陽光発電が運転しています。
事業者の責任ある対応を引き出し、地域と調和していくための仕組みをどう構築するかが、重い課題となっています。
Posted at 2025/09/25 21:09:48 | |
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