不漁の予想に燃料価格高騰 ことしもサンマ漁には厳しい船出 いわき市・小名浜港から大漁船6隻が出港
2023年08月17日 18:40
8月20日に解禁を迎えるサンマ漁に向けて、福島県いわき市の小名浜港からは大型漁船6隻が出港。ただ、サンマ漁は不漁が続いている。水産庁によると、2023年も2022年と同じく日本から距離の離れた海域が主な漁場になり、不漁になる見通し。
第三十八福吉丸の四家義昭漁労長は「出港は嬉しいというか、頑張るっていう気持ちでいるけど、年々量も少ないし、今は不安の方がいっぱい」と話す。
2023年は燃料価格が高騰。外洋でサンマの群れを追う遠洋漁業にとっては、ダメージが大きく出港前から不安が募る。第三十八福吉丸の四家漁労長は「年々高くなり大変」というが、それでも「できれば安いサンマを小名浜にいっぱい水揚げして、皆に食べてもらいたい」と話し、その一心で漁に臨む。
港には、大漁と安全を願って漁師の家族や友人が見送りに駆けつけた。
作山芳子さんは、3人の息子の船出を見守る。「心配はない。ケガなく無事に帰ってくることだけです。いっぱいサンマ獲ってきてください」と話した。
作山さんの三男・歩さんは、2023年初めて漁に出る。「家族や友達がなど"サンマ待ってるね"って言ってくれる人たちがたくさんいるので、とにかく頑張ってサンマ獲りたいと思います」と語った。
小名浜港へのサンマの水揚げは、早ければ10月にも行われる。
<小名浜港へのサンマの水揚げ量の推移>
2022年の水揚げ量は108トン。過去最少だった2012年よりは増加したが、震災前と比べるとわずか2.6%と大幅に落ち込んでいる。
要因に挙げられているのが、海水温の上昇。サンマは海水温が低い場所を回遊するため、ここ数年の主な漁場は日本の東側の公海が中心。
取材した第三十八福吉丸の四家義昭漁労長にによると、2023年は2年ぶりにロシアの排他的経済水域での操業が9月15日から可能になるという。これによって、漁獲量の増加と、漁場まで迂回する必要がなくなって使う燃料を減らせるということが期待される。ただ、ロシアはウクライナに侵攻していて戦時下でもあるので、不安もあるという。
漁師の皆さんの安全が一番、無事にそして多く水揚げされることを期待する。
Posted at 2023/08/18 05:54:09 | |
トラックバック(0) | 日記