車を走行中、不意につけたラジオで、興味深い企画が行われていました。スタジオで働く音響技術者が選ぶ歌唱力ランキングという内容でした。自分で予想しながら、順位の発表を楽しんでいました。メモを取らなかったので、全容は覚えていませんが、記憶に残っている歌手は、敬称略で、玉置浩二、Superfly、夏川りみ、井上陽水、吉田美和の5名です。同様なランキングが、ネットでも散見されますが、玉置氏が1位をほぼ独占している状況に近いです。
このテーマに関して、ほかにも印象に残っているエピソードがあります。全盛期の小室哲哉氏の選評が印象深かったです。No.1を訊かれ、「四分音符のエッジの立ちかたが素晴らしい点で、B’zの稲葉君かなあ」と語っていました。
すべらない話系では、アイドルとして全盛期にあった近藤真彦氏が棒立ちになってしまったほど感動した歌手がいたそうです。場面は、紅白歌合戦のリハーサルで、「オバちゃん、本当に歌上手いねえ」と話しかけたとか。相手は、本番衣装に着替える前の美空ひばりさんでした。
個人的な経験では、尾崎亜美さんに驚かされました。高校時代の親友が、当時のカノジョといく予定にしていたコンサートチケットが、突然の破局によって余ってしまい、その代役でした。背中に悪寒のようなものが憑りつくほど感動しました。
2017年のスーパーボウルで、レディ・ガガが披露した国歌斉唱も感動的でした。米国の国民ではないのに、涙がこぼれそうになりました。
――それでも、やはり、あの方なのです。
いつものネタで恐縮ですが、菊池桃子さんのパフォーマンスは、歌唱力を超えた「魔力」を秘めていると思います。会場へ送る視線を一定のタイミングで移動させながら歌い続けてくれますので、待ち構えていると、必ず自分のほうへ視線がやってきます。すると、その周囲一帯全員が、「ボクのために、ボクと視線をからませながら歌ってくれている」と感じるのです。
あるとき、間奏で、桃子さんが客席を煽ったことがありました。
「目を逸らしちゃ駄目じゃない。もっと、私をガン見してよ!」
この出来事で、彼女のほうにも目が合う感覚があることを知りました。それを周囲一帯にどうやって拡散させているのか、不思議でなりません。
あまりにも顔立ちが整い過ぎていて、人間離れした妖怪のような美しさだとしか形容できないのですが、もしかすると、彼女は本当に妖怪なのかもしれません。顔に目が百くらいある妖怪だと考えれば、前述の現象が謎ではなくなるのです。
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2023/10/01 08:08:22