
農薬を扱っている関係で、計量道具はたくさん持っています。ディテイリング用品のケミカルを農薬のように精密に量る必要はないのですが、職業病みたいなもので、真面目にやってしまいます。
おそらく最も精密なのは、重量で行う方法です。化学薬品から飲料水に至るまで、液を充填する製品は、多くの場合でそのような品質管理をしているはずです。
農薬では、粉状の粒剤を扱うことがあり、数百円しかしない安物ながら小型電子天秤を持っています。この器具で液量を量るのであれば、まず容器だけを乗せ、そこで0に合わせてから比重に見合った液量を注入していけばよいのです。時間の無駄ですので、さすがにそれはやりません。
ですが、メートルグラスは、大小を使い分けています。大は小を、厳密には兼ねられないからです。
一例として20mLを量る場合、大きいほうの100mL規格で計量すると、器の下方1/5よりも下部を使うことになります。この付近の目盛はかなり適当で、ほとんど正確に量れません。上方100mL付近であれば、おそらく5%程度の誤差であろうと思われますが、下方ではそうはいかないものなのです。
人体に使用する医療用ディスポシリンジ(注射筒)で実測したことがあります。メーカーの公称誤差4%に対して、上方は2%以内の誤差でたいへん優秀でした。10mLシリンジで10mLを量る場合です。ところが下方へ行けば行くほど誤差は拡大し、最大誤差8%くらいまで精度が悪くなっていました。容器を成形する工程の特性上、これは避けられない現象のようです。計量器として信頼できるのは、規格の70%に相当する液量くらいまででした。10mLサイズの計量器であれば7mL付近までということです。
ディテイリングのケミカルであれば、ワンプッシュ、ツープッシュという量り方でも別に問題ないと思います。ただし、もしもメートルグラスのような計量器を使うのであれば、大は小を兼ねるやり方だと、もしかすると、プッシュ数で量るよりも大きな誤差になっているかもしれません。
冒頭で記したとおり、正確に量りたくなるのは、ほぼ職業病ですので、お許し下さい。このこだわりを他人に薦めるつもりはまったくなく、役に立たない雑学を披露しただけでした。
Posted at 2022/02/26 01:35:13 | |
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