
アメリカ映画。『戦略空軍命令』
アンソニー・マン監督、ジェイムズ・スチュアート主演
ジューン・アリスン 共演の冷戦時代のアメリカ空軍全面協力のPR映画です。
主人公のロバート・“ダッチ”・ホランド(ジェイムズ・スチュアート)は、第二次世界大戦で優秀な爆撃機パイロットで戦後は大リーガー選手をしていたが予備役召集の通知が・・・・様々な葛藤の中・・・・と言うストーリーなのですが
映像の主役は、当時の戦略航空軍団の主力爆撃機であるB-36とB-47。
高空を幾筋ものコントレールを引きながら飛ぶB-36の雄大さは
かなり脳裏に印象付けられています。
この巨大な、戦略爆撃機「コンベア B-36」の初飛行が1946年8月8日に
行なわれました。当初は、主翼後方に取り付けられた6発レシプロエンジン
でしたが推力不足を補う為に開発されたばかりのジェットエンジンを左右の主翼に
2基ずつ計4基がパイロンで吊り下げられ空前の10発エンジンの巨大爆撃機となりました。
部隊配備は1948年6月の第7重爆撃航空団より開始され
384機 が生産されました。後継であるB-52の登場により
退役する1959年2月12日 まで冷戦時代の戦略の一端を担うこととなります。
当然ながらこの巨人機は、運用面でかなりのコストがかかり
配備中に勃発した朝鮮戦争には核戦争勃発時の主力核爆弾搭載機として
温存が図られ、その後はジェット機の時代にはいり速度面での不安から
爆撃機としての実戦投入はされることはありませんでした。
B-36には正式な愛称はありませんが
「ピースメーカー(Peacemaker)」と呼ばれる事が多く
その大きさの持つ威圧感からもたらされる
冷戦時代の微妙な平和を作った飛行機なのかもしれません。
ちなみに「戦略空軍命令」の公開は1955年
映画中盤から登場する、スマートなジェット爆撃機B-47
の印象も忘れられませんが、現在まで使用されている
戦略爆撃機B-52の実戦配備はこの映画が公開された
3ヶ月後の1955年6月から開始されています。
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Posted at
2012/08/09 00:04:24