ホンダ ジェイド、低全高6シーターミニバンとしてストリームと4代目オデッセイを統合して後継とする立ち位置で発売されました。
一ヶ月ほど遅れましたが、今回の座っただけのインプレッションはジェイドと行きましょう。
上記のスタンスは私が思うことで、ホンダではどうやら「乗用車を軸にした新しい3列シート車」として開発したとのことです。
その証拠として、
全高は1530mm。これは立体駐車場に入庫可能なギリギリのサイズ。うちのような田舎では利用することは殆どありませんが、都市で生活する人には重要でしょう。
最初に書いたように、コンセプトは2+2+2の3列シート6人乗りでこれは、前任車のストリームとそんなに大きく代わるものではありません。
売り物としては2列目のスライド方法が、後ろに行くに従って外側から内側に寄ってスライドする「Vスライドキャプテンシート」になっていることです。これはリヤタイヤハウスを避けてスライド量を多くする目的です。ただ残念なのは、2列目シートベルトがシートバックに付いていないこと。スライド位置によってはシートベルトが肩に掛かりやすいので、エスティマのようにシートバックに付けてほしかったですね。内側のアームレストはシートバックを畳んだ状態でフラットになり、固定タイプに見えるがジュニアシートを置いた場合にシートベルトバックルに手が届きにくくなるため、脱着も可能と結構考えられています。
リヤゲートには、アコードエアロデッキやアヴァンシアのようにガラスルーフになっています。これは3列目のヘッドルームを稼ぐためという効果もあります。しかし3列目は想像のように狭くて、お世辞にも快適な空間ではありません。ラゲッジスペースは3列目を畳めばそこそこといったレベル。
このクルマから本格的な安全運転システム、「Honda SENSING」が設定されました。
衝突軽減ブレーキ+アダプティブクルーズコントロール+車線維持支援システム+路外逸脱抑制機能+誤発進抑制機能+先行車発進お知らせ機能+標識認識機能を総合して、事故に遭わないようにしようというシステムです。
個々の機能については実はホンダは10年以上前から市販車にメーカーオプションや装着車設定されていたのですが、より高度な制御システムを広く取り入れたアイサイトのスバルにしてやられた格好になっていました。多分今後は中級以上のホンダ車には広まっていくことでしょう。
エンジンは1.5L+モーターのハイブリッドのみ。エンジンの基本はヴェゼルと同じなのでフィット3のミラーサイクルではありません。ミッションは例の7速DCT。果たしてフィット3での度々のリコールの結果で信頼性は上がったのか、まあ上がったと信じたいですが。
サスペンションは、フロントはストラット、リヤはダブルウイッシュボーン。最近は殆どリヤはトーションビームで済ませるクルマが多い中、ダブルウイッシュボーンを採用したのは評価出来ます。もちろんチューニングによりけりですが、固定軸より独立懸架の方がサスペンションそのものの能力は上ですから。
また17インチアルミホイールは、内側に樹脂を成型したレゾネーターをはめ込んで、路面ジョイントを踏んだ際の音を抑制するノイズリデューシングホイールが採用されています。レクサスLSでも同様の効果を狙った構造があります。これに、ダンロップヴューロシリーズやルマンシリーズのような吸音スポンジを装着したタイヤを装着すれば、鬼に金棒なのでしょうか。
エンジンが一種類のため、かグレードはハイブリッドとハイブリッドXの2つ。
ボディカラーは、プレミアムブルーオパールメタリック(B578M)、スーパープラチナメタリック(NH704M)、クリスタルブラックパール(NH731P)、ホワイトオーキッドパール(NH788P)、モダンスチールメタリック(NH797M)、プレミアムディープロッソパール(R543P)、マンダリンゴールドメタリック(YR607M)の7色です。
新色はマンダリンゴールドメタリックだけですが、どちらかといえば普通の茶色。ハイライトはゴールドなので名前は間違いとはいいませんが、金色と思うと絶対に裏切られます。選択を考慮しているならば実車の確認をお勧めします。
ところでジェイドは、中国では既に2012年9月より現地生産車(東風本田)が販売されています。こちらも参考に紹介しましょう。傑徳と書いてジェイドです。
中国では6人乗り(4+α)と、日本では未設定の2列シート5人乗りがあります。6人乗りはVスライドキャプテンシートです。
エンジンも日本とは異なり1.8Li-VTECガソリンエンジンの一種類。ストリームと同系です。
インストルメントパネルはほぼ同じで、アイボリーインテリアにはユーカリウッド調パネル。
但しセンターコンソールはハイブリッドバッテリー内臓ではないので、低い専用デザイン。
しかも日本では設定されないサンルーフが選べます。最近ホンダはサンルーフに冷淡です。何で海外仕様だとあるのに日本で売らないの?
ボディカラーも日本とは設定が異なります。カラーナンバーまで把握出来ないのですが、タフタホワイト、?シルバーメタリック、クリスタルブラックパール、ラリーレッド、?レッドパール、マンダリンゴールドメタリックまでは分かります。
そして日本には設定の無い「翡翠緑」つまりジェイドグリーンが存在し、イメージカラーになっています。ジェイドはヒスイのことなので緑色がHP画像のトップに来るのは理解出来ます。
最初にジェイドのカタログをもらった時に「あれ?グリーンが無い」と不思議に思ったのは私だけでしょうか。まあ、ジェイドグリーンを好んで買う人は日本では少ないかもね。
ということでざっと検証しましたが、座ってみてなるほどミニバンよりはワゴンに乗った感じが強く、1980年代後半ホンダ車特有の、インストルメントパネルが低くてフロントガラス越しの視界が見えすぎる感覚が甦ります。ただハイブリッドバッテリーのためセンターコンソールが高過ぎて違和感が強いです。またハイブリッドなのだから、変に未来ぶったシフトレバーではなくて、プッシュボタンにした方がよかったのではないですか。その代りセンターメーターにしなかったのは賢明です。
確かに現代のクルマとして要求される要素はかなり取り込んでいるし、ホンダであることの演出もそれなりにあるのは認めますが、価格がちょっと高過ぎです。ヴェゼルハイブリッドや、直接のライバルであるプリウスαと比べると相対的にはそうではないかもしれませんが、諸経費入れて300諭吉越えではちょっとね思います。
例えば6人乗りでも中国のように1.8Lガソリンエンジンを設定するとか、ハイブリッドのままで5人乗りにして廉価版を作ればおそらく20諭吉くらいは安くなるのではと思いますが、5人乗りでは近く登場予定のフィットシャトル(フィット3ベースでフルモデルチェンジ)と競合してしまうので販売が難しいでしょうか。
うちとしては、ステップワゴンを車検に通したばかりで今すぐ買い替えることはありません。よく出来てはいるが、何となく私の琴線には触れないのですね。
※中国仕様ジェイドの画像は東風本田ホームページからお借りしました。
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2015/03/14 01:39:59