
ダイハツ ミラ イース、30.0km/Lの低燃費を引っさげて登場した軽自動車です。
久し振りの座っただけの試乗記は、先月発売されたミラ イースといきましょう。
一昨年の東京モーターショーに参考出品されたコンセプトカーのイースは、軽規格の全長よりも300mm短い3ドアハッチバックで700kgの軽量でした。どちらかと言えばスバルR1に近いコンセプトでしたが、生産型は軽規格一杯の5ドアハッチバックになってしまいました。
スタイルもA、B、Cピラーをブラックアウトして色違いのルーフというBMWミニと同じ手法をやめて、ごくありきたりのウインドーグラフィックです。
さてフロントシートに乗り込んでみると、頭上が少しつまった気がします。ミラよりもほんの少しだけ室内空間が小さいこともあるでしょうが、うちの評価機軸がワゴンRになっているので止むを得ないかもしれません。ペダル配置やステアリングの位置関係やデジタルメーターの視認性に無理はなく、ドライビングポジションには問題ありません。
インストルメントパネルの質感もプラスチックの高品質感で定評のあるダイハツなのでよく出来ています。但しムーブやタントよりは一段格下、これは価格相応でしょう。
リヤシートは最近の軽自動車の悪しき傾向通りかなり後に位置しているので、足元は広く狭い所に押し込められた感覚はありません。その代わりリヤゲートを開けたラゲッジスペースは奥行きが30cm少々しかなく、これでは買い物袋が3-4個で一杯。限られたスペースで広く座らせるにはリヤシートを下げるしかないのはわかるけれど、後方追突時に大丈夫かと不安になります。
軽量化で730kg(2WD)が自慢ですが、ミラは廉価グレードで780kgなので50kgの軽量化です。
ミラ イースは全車14インチホイール/タイヤなので、これは褒められてもいいです。
確かにこのクルマのみで見ればアイドリングストップで低燃費という技術で、おそらく実用燃費は16-17km/Lくらいでしょうから、これは現代を乗り切るに値するクルマではあります。
しかし気になるのはその位置付けです。
当初ミラ イースは、エッセの後継と噂されていました。実際エッセは8月末で生産終了しています。
エッセはミラとは異なった、ミラよりも下のクラスとされていましたが、エクステリアデザイン(お椀を伏せたようなデザインは初代オプティを思わせる)や、インテリアにボディ同色パネルを使いながら安っぽく見せないなど、コンセプトカーのイースはエッセに繋がる要素が多く、後継なら納得でした。
ところがミラの名を冠しミラの派生車種とされたのはなぜでしょう。別車種としてイースが売れてしまうとダイハツの嫡流であるミラが売れなくなってしまってはまずいと思ったのでしょうか。
それならばミラとほとんど同じサイズで出しては、余計にミラと食い合いになってしまいます。素人でもわかる話です。
やがてミラ イースがミラに取って代わるのかもわかりませんが、やたらに派生車種を出すダイハツのやり方が矛盾を生んだような感じです。
うちの用途としてはちょっと狭い感じがするので、いくら低燃費でもとりあえずうちには来ませんね。
Posted at 2011/10/09 01:07:23 | |
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