振り返れば旧車はいつもブルース。

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修理代の取り立てのため、アルファロメオ君に会いに行きました。

アルファロメオ君は泥沼中古外車を乗り継いで来たヤツです(僕と一緒)。


(思い出がいっぱいw)




僕 「漁場(業者オークション)にリトモアバルト130TCが出てたよ」

ア 「距離は？」

僕 「5万km走ってない」


アルファロメオ君の目の表情が変わる


ア 「20万で買えるかな (笑)」



買えないよ、買えない。

絶対に買えない。

今じゃ低走行車はお宝だよ。



二人とも遠いあの日を思い出していました。


昔、自動車雑誌の個人売買コーナーにリトモアバルト130TCが載っているのをアルファロメオ君が見つけました。

それが20万円だったのです。


粒子が荒くハッキリ写っていない、たった1枚のモノクロ写真を見て「極上車だ」と何度も彼が断言する様子を見ながら、お前はエスパーか！と僕は心のなかで思っていました。

写真を見ても、それがリトモアバルトなのか、スターレットなのか、サニトラなのか分からないくらいハッキリしない写真でした。



胸ポケットの封筒入り20万の存在を彼がときどき指で確認する様子を見ながら、西東京まで電車で向かいました。


駅前のロータリーで待っていると、遠くに赤いリトモアバルト(と思われる物体)。

僕にはそれがファミリアターボなのか、マーチなのか、サンタの着ぐるみなのか分からなかったけれど、彼は「やっぱり極上車だ」とつぶやきました。



目の前に止まったリトモアバルトから降りたオーナーさんに、「こんにちは」と言った後、枕詞に続けるように「買います。乗って帰ります」と彼は呆けたように言葉にしました。

早っ！



連れて帰りました。




買います、は「飼います」であった。

たくさんの手間がかかりました。


毎夜、ウチのリフトに載るリトモアバルト。

サスもブレーキも元々大したことなかった。

(別の言い方をするなら、アカンかった)

必要なのはラチェットやコンビネーションレンチではなく、、サンダーと溶接機と創意工夫と熱意とアキラメでした。


でも、

エンジンだけはご機嫌だった。

それで充分でした。



そしてなによりも、

アバルトの名前が付いていた。



それから、

一生憶えていられる風景が増えていきました。

↓

こちら♪



あれからたくさんの月日が流れたけれど、お互いにまだ同じ夢の中で遊んでいるような気がします。

それはとても楽しい夢です。

そのことを最近特に嬉しく思っています。



毎日は乗れなくても、心から好きなモノと触れ合える人生。

とびっきりのオモチャたち。










楽しい夢なら覚めないでいい。