2008年11月15日
まいにち子供たちと遊ぶ。
太陽の下で一日中遊ぶ。
海、空、砂浜、赤茶色の村道、森、白いホテル、
そういった風景を僕は今でもはっきりと憶えている。
その日々は強く心に刻み込まれ、
いくつかのキーワードによって僕はその地に一瞬で戻る。
時間と距離を超えて一瞬で戻る。
波音を聞くことができる。
小さな手の感触もはっきりと憶えている。
目の前にその小さな手が見える。
僕には見える。
空間に浮かぶその手に触れることはできないけれど。
今でも海を見ると、、顔をくしゃくしゃにして笑う子供たちを思い出す。
今でもコーラを見ると、、子供たちと出会った日のことを思い出す。
日本に帰らなくてはいけない。
子供たちとアイスを食べているときにふと口に出る、、
I have to go back to Japan .....
きょとんとしている子供たち。
アイス売りのおじさんが子供たちに伝える。
「日本はどこにある?」と子供たちが言う。
僕は海を指差し、「あの向こうだ」と答える。
夕暮れ時の海をみんなで見つめる。
「遠い?」と子供たちが問う。
僕はうなずく。
明後日、僕は日本に帰る。
子供たちと遊ぶようになってから、僕に話しかけてくる大人が増えた。
良くも悪くもめずらしかったのだ、僕みたいなやつは。
その人たちにもお別れの挨拶をしてまわった。
ホテルのスタッフも別れを惜しんでくれた。
帰国前夜、子供たちも招いて、お別れパーティをホテルで開いてくれた。
Posted at 2008/11/15 17:04:03 | |
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僕 | 日記
2008年11月12日
コテージ形式のホテルにして良かったと思う。
子供たちが僕の部屋までかんたんに来られる。
毎日、早朝から日が暮れるまで子供たちと遊ぶ。
さわり鬼、、ボールぶつけ、、森を探検、、釣り、、
ボート遊び、、海で泳ぐ、、大きなクラゲに大騒ぎ、、
“缶蹴り”これは理解がムズカしい、、、ルールがどんどん変わる。
子供たちと食べる果物が最高に美味しい。
僕はやがてここを去る旅人である。
高価なモノは控える。
何も日焼け止めを塗らずに、一日中太陽の下で遊ぶ。
首から肩、背中にかけての重度の日焼け。
でも、、
太陽の下で子供たちと過ごすことを僕はやめられない。
僕は本当に助けられていた。
笑い声がこだまする砂浜。
太陽と海と子供たちと僕。
顔をくしゃくしゃにして笑う子供たち。
僕に触れてくる小さな手の感触を今でも忘れられない。
そんな様子を見ていた大人たちは僕に興味を持ち、
やがて僕を認め、そして心の扉を開いてくれる。
楽しい日々はあっという間に過ぎ、日本に帰らなければいけない日がやって来る。
Posted at 2008/11/12 22:21:20 | |
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僕 | 日記
2008年11月10日
空が明るくなる頃、ウトウトする。
ドアをノックする音。
一瞬で目が覚める。
時計を見る。
早朝。
ホテルのスタッフであるはずがない。
…警察?
、、、逮捕?
…もしかして、、、
ドアを開けた瞬間、やつらが雇った何者かに拳銃で、、、
窓から死角になる位置にそっと移動する。
大丈夫、冷静だ。
逃走経路を考える。
ハタチの僕は逃げ足だけは速いのだ、、
緊張。
耳を澄ます。
…聞き覚えのある小さな笑い声、、
子供たちだ!
ドアを開ける。
いたぁー。
ズラリと勢揃い。
みんなで海辺に出る。
子供たちの笑い顔が朝陽に輝く。
思わず僕も笑う。
硬くなった気持ちがとけるように緩む。
ほっぺを突っつく。
顔をくしゃくしゃにして笑う。
背中を突っつく。
身をよじって笑う。
おへそを突っつく。
砂浜を転げ回って笑う。
何をしてもみんなで笑う。
身振り手振りで“さわり鬼”を教える。
大騒ぎ。
「オニー!」、「オニー!」の声が砂浜にこだまする。
日本から持ってきたゴムボールで“ぶつけっこ”。
大興奮。
やっぱり、「オニー!」、「オニー!」の大合唱。
何でも最初に教えた“鬼”になっちゃう。
笑う。
みんな笑う。
興奮した子が泣きながら笑う。
ハナを垂らして笑う子もいる。
転んでも笑う。
僕も笑う。
すっかり大人になった今はよく分かる。
あの時、僕は子供たちに助けられていた。
助けに行ったはずの僕が助けられていた。
子供たちの笑顔に僕は助けられていた。
子供たちの笑い声に僕は助けられていた。
だから、、、
いつの世の中でも、
どんな時代になっても、
子供たちが笑って暮らせる環境であってほしいと願う。
心からそう願う。
Posted at 2008/11/10 23:42:17 | |
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僕 | 日記
2008年11月10日
夕陽。
一日の終わり。
空が朱色に染まる。
子供たちのおかげで僕は微笑むことができる。
部屋に帰ってシャワーを浴びる。
コテージになっているのでホテル本館に移動。
レストランのテーブルに一人座って食事をする。
さわいでいるグループがいる。
日本から来た年配の男性たち。
酔っぱらい。
声がでかい。
東京のどこそこの土地が一坪いくらだの、こっちじゃヘネシーが一本いくらだの、、そんなことばかり。
レストランのスタッフにも絡む。
ご馳走するからこっちにおいで、と僕を誘う。
丁寧に断る。
子供たちのことを思い出す。
お金ってなんだろう。
国ってなんだろう。
同じ星で暮らしているのにどこで線が引かれてしまうのだろう。
レストランを出たところで、騒いでいた男性たちと一緒になる。
一緒に遊びに行こうよ、と僕を誘う。
丁寧に断る。
奢ってやるよ、と僕を誘う。
丁寧に断る。
別の一人が身を寄せる。
オンナ買いにいこうよ、と僕を誘う。
断る。
赤ら顔で僕の肩に手をまわしてくる。
行こうよ、コドモみたいのもいるよ、と僕に言う。
こども?
ケンカになった。
ガラスが割れた。
我慢できなかった。
圧倒的な怒り。
拳を振る。
怪我をした。
怪我をさせた。
警察も来た。
ホテルのスタッフは僕をかばってくれた。
すっかり大人になった今はよく分かる。
確かに、軽蔑するに値する男性たちだった。
でも爆発したのは情けない自分への憤りだったのだと思う。
男性たちに対する怒りなど最初の一発か二発だ。
あとは、、堰き止められていた自分への怒りと喧嘩したのだと思う。
男性たちの振る舞いに対する怒りはただのきっかけに過ぎない。
そういう意味では謝らなければならない。
ぺしゃんこになって、部屋で一人、夜を過ごす。
Posted at 2008/11/10 00:08:06 | |
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僕 | 日記
2008年11月07日
乾いた赤茶色の道をどこまでも歩く。
隣村まで歩く。
一軒の土産物屋を子供たちが指差す。
ん? ここ?
手を引かれて店に入る。
竹細工の小さな人形。
竹で作られた人形の髪はツンツン。
僕の髪の毛もツンツン。
そういうことかぁー。
竹細工の人形を顔の横に持っていく。
似てる?
子供たちがうなずきながら笑う。
はじけるように笑う。
てくてく歩いて海辺に戻る。
コーラを奢る。
強い炭酸にビックリ。
一人の子がむせる。
鼻からコーラを噴き出す。
涙目で痛がってる。
それを見た子もむせる。
むせながらコーラを噴き出して笑う。
みんな大笑い。
僕も大笑い。
可笑しい。
お腹が痛い。
笑いながら、ふと気がつく。
この国に来て僕は初めて笑った。
日が暮れるまで子供たちと過ごす。
Posted at 2008/11/07 12:12:55 | |
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