
今回の作業は、BLEFWアクセラです。
何度かいらっしゃっているアルメタ色のアクセラですね!
日付だけはちょっと前から決まってたんですが、日付が近づくにつれて怪しくなる天候…
何分、遠方からの来訪なのでホテルをとっていたそうなんですが悪天候になりそうで一度はキャンセル。
前日判断となったんですが、向かいますと作業前日に決断されて作業決行となりました。

今回は車高調、入れ換えます!!!
久々…かな?のセッティング変更ではなくて車高調自体の変更ですよ。
やっぱりワクワクするものですねーw

物は
ナイトスポーツ スーパースポーツ・セッティング・ダンパーです。
スポーツセッティングダンパーはナイトスポーツのサスキットとして昔からあるシリーズ。
過去この車高調の
装着車(BL3FWマツダスピードアクセラ)で1G締めを二度やった事がありましたが、オーナーさんが自分でセッティング出来るタイプの方なので車高調自体はノータッチでした。
今回、改めて対面して…

修理
(全てのダンパーが固着に近いレベルで錆が物凄い。ブラケットもシートもまともに回らないので全て修正)

交換…
(バンプラバーが朽ちてます。ダストブーツ切れてます)

修理!
(リアダンパーロッドトップ部ネジの打痕。どうやってここを変形させるの?謎)

修理!!
(車高調外した状態でレンチ掛けるとここはこうなるんだよっていうダメな例です)

交換!!
(バンプラバーとダストブーツを交換する為に分解します。バンプラバーがきつい時はグリス塗布すると良い)

専用リアバネとアジャスター
アジャスターのロックシートは固着していませんでしたが、スプリングシートの方がダメです。
固定も出来ないので成す術無し。
ていうか状態が全体的に難アリ過ぎる。

専用バネ
塗装がまぁ、ボロボロになってしまうのはリアだとまあまあ見かけるんですが、これを装着するにしても純正のリアバネのメンバー側に装着する純正ラバーインシュレータが別途必要です。
この状態の物に部品代追い金やら固着をどうこう頑張るのはちょっと見合わない(全部作業するの自分ですし)ので、

リアバネは今現在のラルグスのものをそのまま持ち越します。
幸い?ロックシート類はナイトスポーツの物と色も形状も近似しているのでマッチングは最高ですw
しかしまぁ今回は、これいいんじゃないですか!?とこちらからけしかけて(笑)購入に繋がった物なのである程度は覚悟の上ですが、こういう状態が中古車高調の現実です。
勿論中古全部がこうではありませんが、そもそもで中古は持ち主が必要じゃなくなったから売られているんです。
必要なくなったコンディションの物であるという事が大前提にある。
新品は高いし、中古でいいかな…とか思う車高調初心者程、新品にしてほしい。
中古は自分で何とか出来る人が買うものです。
これらの加工修正費、また新品の補修部品はハッキリ高額になります。
加工修正修理だけで今回ざっと半日の時間が掛かってました。
大変でしたが手間を掛けた分ちゃんとシート類は大体サラサラ回る様になりましたし、これで大丈夫!と使用できる状態に持って行く事が出来る様になりました。
でも、そこまで手間と技術が必要なわけです。
4万5万とかの微妙な値段で中古を買って、分からないからプロに持ち込んで見て貰ったら部品の欠品がありそれをメーカー取り寄せしてもらい、他にも変形修理等かさんで新品組むより高い工賃、部品代を払い、付いたとして中古故にそこからどれだけの寿命があるのか、そもそもまともな性能が出てるか分からないものが欲しいですか?って話。
今回はいいんです、こちらで見てた物件ですから。
この車高調のデータが欲しかったのでやってみたかったのもあるのでww
普段ならお断りです。
お互いがちゃんとwin-winに楽しく出来る内容じゃないとですから。
やってもらえる側はいいかもしれないけど、こちらは何のメリットがあります??ってのじゃ趣味活動になりませんので。
さて、結構な時間新しく装着しようとしている車高調と戯れる時間が長くなってしまいました。
この日は9時半くらいから作業スタートしていて、4本仕上がったのが何と15時w
天気は既に怪しくなっており、ここから組み換え作業をするか。
いや止めて明日にするか?色々よぎりましたが、リアなら早いから先にリアだけでもまずやってしまいます!と作業スタート。
この中古ナイト車高調を買ってからの話で、リアのアジャスター固着とかの難儀な状態の話だけは先に聞いていたのでもしダメそうであれば逆に、今のラルグス車高調に組んでいるラルグスRSのバネと、リアのラルグス吊るしバネ、これをそのまま持ち越して、バネ以外を全部入れ替えてみるのはどうでしょう?と持ちかけました。
一般に車高調キットですから全てを入れ替えますが、リアバネ周りが逆に使えないならいっそバネもバネプリロードもそのまま持ち越して純粋にダンパーの違いを楽しめる様にした方が旨味倍増では?というアイディアです。
この案にOKもらえてましたので、今回はリアバネ周りは完全にそのまま。
つまりリアダンパーのフルタップ機構でリアバネのプリロード値を同じに振ります。
手間掛けて使える様にしたナイトのリアダンパーを組んでいきます。

これ写真で伝わるかな…
面白い事に、単穴と長穴になってたんです。
大体のリアダンパーが両穴ちょっと長穴みたいな感じなのにわざわざ分けてる。
へー!ってなったし何か意味があるのかなって考えて、意味をもたせるなら…リアアームは前側を軸にスイングするから良く動いてるのは後ろ。
後ろ側に単穴向けるか!とセット。
合ってるかは何とも言えませんけどせっかくなのでw
左右共ちゃんと揃えます。
リアダンパーをセットして、アイブッシュにボルトを通して1G締め。
アイブッシュはトレーリングリンクと共に捻じれが掛かる部分です。
自分はここも含めの一括1G締めを行いますが、このアクセラは既に過去やってありますので脱着したここだけの作業。
ダンパー長をセットする時に改めて噛み締めたんですが…

このブラケットの長さのありがたさったら!!!(写真の銀色の横棒は車高調レンチ)
リアメンバーよりも高いところ、この広々としたスペースでレンチを振れる喜びよ…
普通のアクセラ乗りの数倍、色んな車高調触っていますがどれも位置が低いんです。

これ、この短さ(写真下のダンパーが今回取り外した方)
でもこれが一般的なんです何故か。
メンバーの下、リアバネの隣で、リアキャリパー裏の狭いスペースで調整させようって何で???
どこの車高調でも何も利点が理解できませんが、ナイトの車高調はこのタッパのあるブラケットのおかげで本当に締めやすい。
プリロード調整ガチ勢なのでマジでこれはありがたいです。
ちなみに、アクセラの
リアバネプリロード調整については過去ブログで触れています。
凄く走行フィーリングが変わるので是非興味持って試行錯誤やってみてほしい。

リア左右出来上がり!
設定自体はもう以前の設定をそのまま持ち越しなので、単純に微調整を繰り返して同じ様にするだけ。

次はフロントですが、
以前買って装着していたラルグスRSスプリング10k/180mmを移植して使いますので、今現在付いている車高調をまず分解してバネを取り外しする必要があります。
仮で、ウチで持ってる10kのバネにしてそれで組むのなら分解作業が入らないのでその分早くできますけどどうしますか?とは提案したものの、でも最終的にまた同じ様に分解して組み直すとなると……バラすかぁー
って事で車両から取外しする前に全部シート類のロックを解いてから取外し。
車高調単体にしてから床に置いて緩めるのは余計に力が必要ですし、このブログで前述しましたがブラケット類を曲げる原因になりますから止めましょう。
無駄と無理が増える作業です。
装着状態でロックシートは全て緩めて、必要なら注油してちゃんと回せる状態にしてから車両から取外し。
外してからが断然楽です。
しかし始めてちょっとして、ずっと怪しい天気だった空からみぞれに近い雨が降り出します。
あああ。
暗いとかならまだしも、天候には抗えません。
それでもフロントの片方は既に着手状態になってしまったので進めます。
傘を差してもらいながら何とか装着までこぎつけるも、もう工具類もびしょびしょ。
ダメだータイムアップ!!
車高調のセッティング自体は車高そのものを今までと同じに設定したのでとりあえず走る事は出来ますから、これで今日は中断。
明日の午前中また天気を見て作業再開しましょう!という中断。
夜間作業でも平気だけど、天候だけはどうにもなりません…
翌日!!晴天!!!
良かったー…って事でまたもご足労願う形にはなってしまいましたが無事再開。
腰据えてきっちり仕上げていきましょう。
って、実質フロント片方で装着自体は終わりなので苦労はありませんがw
夜中の慌ててる時の作業はミスが怖いですから、再確認もしていきます。
という事で、

完成!!

くちゃっと潰されてしまっていたブラケットも

無事ブレーキホースを正規の取付が可能に。

ナイトの車高調は他社のと違ってスタビリンクステーが斜めに突き出てるユニークな形状。
この辺は昔、ちょっと探った事があったんですが、

スタビリンク背面スペースが広くなるんです。
位置関係の都合で良い感じに逃げるのでこれにピロアッパーを組み合わせると…というやつ。
分かる人にしか分からないネタw
反対側フロントも

ブレーキホースブラケットが無事使える様になりました。
ナイトのアッパーマウントはスタッドボルトがとても長いのでタワーバーの装着も

安心の長さですね。
タナベのタワーバーのレッドアルマイトと、ナイトのアッパーのチラ見するレッドアルマイトが同系色で良い感じ。
今回は車高調交換作業でしたが、セッティング作業は実質、減衰力調整だけです。
これが条件の“縛り”なので。
あくまでバネのセット値は前回の車高調の時と同じにして乗り比べてどうなのか?こそに意義があります。
分解した時とか初見のダンパーの時に手押しでダンパーを押してどう動く感じかを見て、それで一先ずの減衰段数を決めます。
そこから実走でバランスを整えていくんですが、初回から割と好印象。
ていうか、これ明らかに良くなったなぁ!?って感じ。
ぶっちゃけて言えば、前の車高調と今回の車高調では販売価格帯が違います。
故にというか、ダンパーのサイズもそもそもワンサイズ太かったりでした。
そうするとそれなりに減衰力の立ち上がり方も違いは体感できるものですね。
何せ前後共バネは前からそのまま持ち越し、設定まで同じなので純粋にこうしてダンパーの違いを噛み締められましたw
これの為にここまで仕上げたんだー良かった良かった。
走って走って、最終的に最初に設定した減衰力段数+1で前後共決まりました。
いいぞ、これは!!!

勿論オーナーさんドライブもしてもらいましたが、大分喜んでもらえたし違いをかなり実感できた様なので何よりです。
でも、マジで作業がコツコツコツコツが多かったので大変でしたね。
もうーー苦労が報われるまで、走って感じた感想はたくさんいただきたいものですww
今回、天候には参りましたがまた楽しい経験が出来た一件でした。
しかしこれはまだ、5月に続きます。
今回はあくまでダンパーを楽しむ為の同じセッティング。
このダンパーに絞り込んだセッティングを次回は施していく予定です。
次、他のアクセラの作業予定が4月に2件続き、5月にこの続きですね。
今年もまだまだやっていきます!