試乗！　メルセデス・ベンツA180ブルーエフィシェンシー

新しいAクラスはがらっと変わった！
前の、腰高なＡクラスの印象からは、全く別の車という感じ。流れとしては先に出たＢクラスを低くしたもの、だけども、Ｃクラスのハッチバック版に見えるのはメルセデスマジック。

決して安くは無い。けど、「高級そうに見えて実は安い」と思わせるのも上手い。
だってこの車、ノーマルで327万、スポーツで386万する。この価格帯だとＣクラスと変わらない。

もちろんゴルフより断然高い。(GTIと比較するのではなくTSIラインとの比較という意味で)




これをどう取るか。
以前のAクラスが大幅に進化した、と取るか、Ｃクラスのハッチバック版なんだね、と取るか。

それによって全然印象が変わってきそうなフロントマスク。

でも、腐ってもベンツ。

良く出来てます。


でも真ん中のスリーポインテッドが、透明アクリルみたいなので覆われてるの、嫌い。





リア部もそつなくまとめられている。1.6リッターターボのエンジンに、マフラー２本出しがちょっと過剰だけど。





内装はなかなか目を引くね。さすがメルセデスっていう感じ。
これはナイトパッケージというオプションが与えられてるモデルだけど、「新しい事をしようとしてるが、ちゃんと流れも汲んでいる」この辺のバランスの取り方が絶妙。
奇をてらってる感じがあまりしない。

Ｃクラスと比べるとギラギラしたメッキパーツが多くて、派手になっている。派手にする事で、刺激を求める若者に訴求しているのだろう。

クーラー吹き出し口が特にギラギラと目立っている。メーターパネルもシルバーだ。こういう色の使い方って、内装の他の部分がしっかりしてないと、イミテーション感ばかりが出てきてしまうけど、シートもステアリングもしっかりとした作りになってるから嫌味がない。内装は素晴らしいが、300万オーバーなんだからそれくらいやってくれ、とも思う。

iPad miniみたいなマルチディスプレイが付いてるけど、相変わらず日本語メニューは半角カタカナで、濁点が１文字分使ってる　(ｵｰﾃﾞｨｵ みたいな感じで) のが、ダサい！　これ、なんとかならないのか。





乗り心地は良い。オプションで18インチを履いてたけど、マイルドな乗り心地。とはいえ最近の車は18インチでも余裕で履きこなすのばかりだけども。

良かったのは電動ステアリングフィール。低速域で軽くなり、スピードが乗ると重くなる感じがとても自然で運転し易い。
最小回転半径も5.1mなのは素敵。

いまいちだったのはエンジンのパワー感。122psでレスパワーなのは分かっていたけど、このエンジンとこの7ATのミッションとの組み合わせは、ストップアンドゴーの多い都会では、結構イライラするかも。
出だしが遅いし、ワンテンポ遅れる。そこに車体に重さも感じる。
もうひとパワーのあるエンジンじゃないと、とても軽快とは言えないかもなあ。
高速に乗ってクルージングするなら良いだろうと思うけど。

C200に乗ったときに感じたアイドリングストップからの復帰時の振動は、だいぶ良くなってた。
ブレーキはカックン気味で突然効く。





若者にも買える、リーズナブルなベンツで、若々しいイメージでおっさん臭さ無し！　と思っていたけど、そこまでではない。ただし、若々しいというより内装の作り込みと高級感があるハッチバックを求めると、よい選択肢に入るのではないかと思う。

ただしこの価格なので、動力性能にはもうワンパンチ欲しい感じだ。

以前のA180よりも、「ベンツを買ったぜ！」とドヤ顔できるのは格段にこの代のA180だろうなあ、とだけは確実に言える。