
2020年8月のラーメン⑥の続きです。
28.は千葉の「房総式ラーメン 人力船」の「竹岡式ラーメン」。

竹岡式ラーメンとはチャーシューを煮た時の醤油に出汁を加えた醤油ダレに、乾麺を茹でて茹で汁ごと丼に入れて作る、千葉県富津市竹岡のご当地ラーメンです。
以前、「ソラノイロ」店主の宮崎さんが紹介していたレシピで、竹岡式っぽいラーメンを作った事があるのですが、チャーシューダレを醤油ダレにして、チャーシューの茹で汁をスープにしても、なかなか味の厚みが出なくて悩んだ覚えが有ります。
麺は何と本家「梅乃屋」でも使っている「都一」の乾麺。

非常に縮れが強い乾麺はノンフライ麺の様です。
乾麺ながら、原材料には小麦と食塩、かんすいのみと言う本格派。

細麺にも関わらず、茹で時間5〜7分と言うのもちょっとビックリです。
手書きの作り方説明書が付いています。

とても詳細に作り方が書いてあります。
まずは説明書通りにスープのバッグを電子レンジで3分温め、バッグからスープを出して、鍋に入れます。

スープにはチャーシューとメンマも入っています。
説明書に「沸騰させない!」と有ったので、弱火でゆっくり火を入れました。

具材のチャーシューとメンマも溶けて出て来ました。
次に麺を茹でます。

まずは「3分間ノータッチ!」と言う説明書き通り、触らずに3分間茹でます。
3分茹でたら、徐々に麺を解していきます。

非常に縮れが強い麺なので、解しながら茹でて行く感じです。
茹で時間は+2分の合計5分(硬め)にしました。
説明書通りに沸騰寸前までスープを温めます。

温まったら、スープと具材を分けておきました。
説明通り、麺を先に入れて上からスープを掛け、分けておいた具材を載せて出来上がりです。

別途刻み玉ねぎを用意しました。
まずはスープを一口。

とてもチャーシューを煮た醤油ダレだけとは思えないコクと厚みの有る味です。
パッケージを良くみたら、ポークエキスの他にチキンエキスとビーフエキスも入っていました。

単にチャーシューを作った時の醤油ダレだけでは無く、鶏や牛のスープを加えてコクと旨味を補強して有ったのですね。
なるほど、それならこのコクと旨味の訳が分かりました。
中細縮れ麺。

とても乾麺とは思えない麺の質感は、ノンフライ麺ならではです。
硬めに茹でたので、コシも歯応えも生麺以上に有り、乾麺独特の風味も相まって、なかなか味わえない旨さです。
トッピングのチャーシュー。

驚く程沢山入っていて、一杯分当たり6〜8枚位入っています
しかも出汁ガラ感は微塵も無く、柔らかいながらしっかりとした食感に、バラ肉の旨味が有り、しっかり味が浸みています。
トッピングのメンマ。

柔らかめのメンマですが、しっかり戻した後に適度な味付けで作られている様です。
トッピングの海苔。

セットに付属の海苔です。
スープに浸して、麺を包んで海苔巻き麺にして頂きます。

醤油の香ばしさと、動物系の旨味を重ね合わせたスープに、海苔の風味とコシが有って美味い麺の組み合わせが旨く無い訳がありません。
素晴らしい旨さです。
トッピングの自作の半熟味玉。

和風出汁に漬けて作って有るので、醤油味ラーメンとの相性はバッチリです。
改めてスープを味わってみます。

醤油の香ばしさと、動物系の出汁を重ねたコクと旨味で、とても美味しいスープです。
と言う訳で、完食。

「房総式ラーメン 人力船」の「竹岡式ラーメン」でしたが、竹岡式ラーメンはチャーシューを煮た醤油の汁に、魚介の出汁を足して作った醤油ダレを、麺を茹でたお湯で割って作ると聞いていたので、以前自分が作ったラーメンの様に、コクや旨味が今ひとつの味になるのでは無いかと想像していました。
しかし、このスープには豚・鶏・牛の旨味がしっかり詰まっており、コクが有って旨味が有る素晴らしいスープになっています。
そのスープに乾麺とは思えないコシと歯応えの美味い麺と、肉感が有って旨味たっぷりのチャーシューの組み合わせは正に絶品です。
29.東京ラーメン国技館 舞の「せたが屋」。

神様と次女のお供で、AQUA CITYお台場に行ったついでに行って来ました。
「せたが屋」さんは、以前品川勤務だった頃に、2020年3月末で閉館した「品達」のお店に良く通っていました。
「東京ラーメン国技館 舞」は、前回は昨年10月に訪問して以来なので、10ヶ月以上ぶりの訪問です。

入っているお店は前回と変わり無い様です。
今回は夏らしく、「旨辛ラーメン」がテーマの様です。

「辛味魚郎 夏の陣」は、「東京ラーメン国技館 舞」の「せたが屋」のガッツリ系メニュー「魚郎」の激辛バージョンです。
辛いラーメンは大好きなので、楽しみです。
これが「辛味魚郎 夏の陣」。

見た感じは相当辛そうな見た目ですが、思ったよりG系っぽく無いボリュームです。
まずはスープを一口。

ラー油の下に大量の背脂が有って、スープを掬うとラー油と背脂だけの様に見えます。
辛さは「蒙古タンメン中本」の「蒙古タンメン」(辛さ度5)と「味噌卵麺」(辛さ度8)の間位の感じです。
ラー油の辛さは相当なものですが、背脂がマイルドにしてくれるお陰で案外飲めます。
ベースのスープは煮干しの効いた醤油豚骨系のスープだと思いますが、辛さのせいか魚介の風味はそれ程感じられません。
麺は四角い断面の中太麺。

自社製麺の麺は、モチっとした食感で適度な歯応えと小麦の旨味が感じられる麺です。
辛い味のせいか、「蒙古タンメン中本」の麺に似ている様な気がします。
トッピングのバラ巻きチャーシュー。

G系にしては小ぶりなチャーシューですが、柔らかいながらも肉感が有り、味もしっかり浸みています。
「魚郎」ラーメンと比べると、ちょっと物足りなさを感じます。
トッピングの、唐辛子の掛かった白髪葱。

ラー油の辛さの方が勝っているせいか、辛味よりもネギの旨味を感じてしまいます。
追加トッピングの「半熟味付玉子」。

綺麗に半熟で、しっかり味の浸みた味付玉子。
2つに切った状態で載っています。
麺と具を食べ終えたので、スープを味わいます。

ベースのスープはやはり豚骨魚介醤油系の様で、背脂のお陰でマイルドな味ですが、表面のラー油の刺す様な辛さが際立ちます。
少し「ガツン汁」を入れてみると味が激変、「せたが屋」さんらしい味がハッキリと顔を出します。
と言う訳で、完食。

「せたが屋」さんの「辛味魚郎 夏の陣」ですが、流石は「せたが屋」さんだけ有って、ベースのスープの旨さに上手に辛さを足して、「旨辛」な味に仕上がっています。
自家製麺の麺も食感、味共に申し分無く、実に良く出来ています。
惜しいのはチャーシューが「魚郎」を名乗るには少々貧弱な事です。
「魚郎」を名乗るからにはそれなりのボリュームが必要なのでは無いでしょうか?
30.は「町田家 町田本店」。

久しぶりに行って来ました。
「つけ麺」+「味付き玉子」にしました。
「つけ麺は塩・醤油・辛い味の3種有りますが、どれにしますか?」と聞かれたので、迷わず「醤油で!」と答えました。

待つ事7〜8分で、「つけ麺」+「味玉」が着丼。
麺は酒井製麺製の中太ストレート麺。

麺は水で締めてあります。
艶やかな色が美味しそうです。
麺をスープに浸します。

町田家のスープは「たかさご家」系のスープで、家系総本山の「吉村家」のスープと比べて醤油味がマイルドになり、豚骨スープがより濃厚になっています。
醤油がガツンと来る「吉村家」の味も良いですが、個人的には町田家や鶴間の「七七家」さんの様な「たかさご家」系のスープが一番好みの味です。
トッピングの肩ロースチャーシュー。

町田家のオーナーさんが実家の隣なので、毎年年末にチャーシューを頂くのですが、チャーシューが旨いのも「たかさご家」系の特徴です。
町田家も鶴間の「七七家」さんも、ほぼ同じ味のチャーシューで、柔らかいのに肉感が有って、味付けが絶妙でとても美味しいチャーシューです。
トッピングのちょっとクタ目のほうれん草。

「つけ麺」だからなのか、ほうれん草が爆盛りになっています。
家系の特徴でも有る、大きな海苔。

この海苔が旨いのも家系ラーメンの特徴です。
海苔をスープに浸します。

そして、ほうれん草を載せます。
まずは海苔巻きほうれん草で頂きます。

スープの浸みた海苔とほうれん草が最高に旨いです。
続いて、麺を海苔で巻いた、海苔巻き麺にして頂きます。

家系スープに海苔の風味が加わって、酒井製麺製の麺が最高に旨いです。
途中、味変で大好きな胡麻とおろしニンニクを投入。

やっぱり家系スープには、胡麻とおろしニンニクが欠かせません。
お酢も少々追加して、サッパリさせます。
味変後のスープに麺を浸します。

やはり家系スープにはニンニクが合います。
家系だけでなく豚骨スープのラーメンは大抵ニンニクが合う様な気がします。
胡麻の香ばしい風味も良く合います。
そしてお酢を少量入れる事でスープがサッパリして、暑い時でも美味しく食べられます。
自家製の「味付き玉子」。

固茹でですが、しっかりと味が浸みていて美味しい味玉です。
と言う訳で、麺と具を完食。

スープ割りを頼みます。
割って貰ったスープ。

温かくなって、美味しさもUpしています。
ニンニクのコクと胡麻の香ばしさ、そしてお酢でサッパリとしているので、結構飲めます。
と言う訳で、完食。

久しぶりに食べた、「町田家 町田本店」の「つけ麺」ですが、期待に違わずとても旨い一杯でした。
「町田家 町田本店」は1996年(平成8年)創業で、今年で24年になる老舗ですが、今でも一線級の実力を持っています。
と言う訳で、2020年8月のラーメンでした。