
2020年11月のラーメン③の続きです。
15.は高座渋谷の「ラーメン郷」。

暖簾に「すみれより」の文字が有る通り、こちらは札幌の味噌ラーメンの名店「すみれ」の暖簾分け店です。
まずは入口右手の券売機で食券を購入します。

「すみれ」直系の味を期待するなら、「すみれ」オリジナル味噌使用の「味噌ラーメン」¥850の一択です。
ちなみに「特醸味噌」¥1,050は使用している味噌が異なる様です。
待つ事10分少々で、「味噌ラーメン」が着丼。

明らかに「すみれ」の系譜を感じる麺相です。
まずはスープを一口。

スープの表面には3mm位のラードの層が有ります。
その下からスープを掬って飲んでみると、紛れも無い「すみれ」オリジナルブレンドの味噌の味です。
しかし全く同じ訳では無く、大量に入っている玉ねぎの甘みが有って、少し甘めな味が特徴です。
黄色っぽい中細の縮れ麺。

札幌ラーメンらしい麺ですが、「すみれ」が使っている「西山製麺」製では無く、以前「すみれ」が使っていた「森住製麺」製の麺を使用している様です。
元祖味噌ラーメンの「味の三平」を始め、札幌ラーメンではひき肉ともやしを炒めて味噌ダレを投入し、そこにスープを入れて作っている場合が多いのですが、こちらの場合ひき肉だけで無く、刻んだチャーシューも入っている様です。

それと、特徴的なのは札幌ラーメンに多いモヤシだけで無く、スライス玉ねぎが大量に入っている事です。
「すみれ」のスープにはモヤシと玉ねぎとひき肉が入っていますが、モヤシが多かった様に思います。
同様に、「すみれ」の暖簾分け店である「三ん寅」もモヤシが多かった様に思いますが、「ラーメン郷」の場合、玉ねぎの比率がかなり多いです。
トッピングのメンマ。

「すみれ」のメンマと良く似ており、恐らく同じ様に作られているのでは無いかと思います。
ちなみに「三ん寅」のメンマは細切りメンマになっているので、独自に工夫されているのでは無いかと思います。
生姜が載っています。

味噌ラーメンに生姜はとても相性が良くて、特にこの時期体を温めてくれる食材です。
「三ん寅」さんの「味噌ラーメン」も同様に生姜が載っています。
途中、味変で一味を投入してみました。

味噌味スープに一味は鉄板の組み合わせですが、思った通りとても相性が良いです。
麺と具材を食べ終えて、スープを味わいます。

紛れも無い「すみれ」オリジナルブレンドの味噌の味ですが、玉ねぎが大量に入っており、甘みが有ります。
同じ様でいて、実はオリジナリティの有るスープです。
と言う訳で、完食。

「ラーメン郷」の「味噌ラーメン」でしたが、流石は「すみれ」直系の味らしい、濃い目の味噌味スープに黄色っぽい札幌ラーメン特有の縮れ麺と、ひき肉とモヤシと玉ねぎを炒めた香ばしさを持つ一杯でした。
ひき肉だけで無く、刻んだチャーシューも使用して味に厚みを出していたり、玉ねぎの比率を上げて甘みを出している所が、らしい感じです。
16.は「元祖辛麺屋 桝元 大和店」。

今月1日に高座渋谷にオープンした「元祖辛麺屋 桝元 大和店」に行って来ました。
「元祖辛麺屋 桝元」は宮崎辛麺の元祖で、東日本出店は初めての様です。
オープン当初は物凄い行列だった様で、もうそろそろ大丈夫かと思って行ってみましたが、第一駐車場はほぼ満車で、外で待っている人が10人程居ました。

しかし回転が早く、15分程でカウンターに着席出来ました。
カウンターはパーティションで仕切られています。
1つ1つにタブレットが置いてあり、そこから発注する様になっています。
画面だけだと良く分からない方の為に、メニューとタブレットの使い方も置いてあります。

でもこのメニューがクセモノで、麺の種類を4種類から選ぶのですが、タブレットでは「こんにゃく麺」なる麺が有り、このメニューだと「韓国麺」になっており、何が何だか良く分かりませんでした。お陰で注文を間違えました。
そして待つ事なんと25分で、漸く「元祖辛麺」10辛が着丼。
ちなみに辛さは0〜30辛まで選べます。

ちょっと時間が掛かり過ぎなんじゃ無いかと思いました。
待ち時間が15分、料理が出て来るのに25分でなんと40分以上掛かっています。
平日の昼でこれだと、土日はどうなるんでしょう?
気を取り直して、まずはスープから。

鶏ガラベースのスープに鶏ひき肉と唐辛子、溶き卵、ニラ、ニンニクを入れて中華鍋で調理する、「ニュータンタンメン」とほぼ同じ様な感じの様です。
辛さは0〜30辛まで有り、初めてなので、とりあえず10辛で様子をみましたが、予想通りスープの味も「ニュータンタンメン」に近く、唐辛子の味が溶き卵でマイルドになっています。
10辛で「蒙古タンメン中本」で言うと辛さ度6〜7程度と思われます。
細麺の麺。

これは4種類選べる内の「中華麺」を選んだものですが、博多ラーメンより太く、熊本ラーメンより細い感じの麺で、かなり硬めの茹で上がりです。
ちなみに、4種類の内どれが基本か分からなかったのでこれを選んでしまいましたが、注文した後でネットを検索したら
"「宮崎辛麺」はそば粉を使った冷麺の様な麺が主流"
と言う情報が有り、基本は「こんにゃく麺」なるものだと分かりました。
しかしタブレットでは「こんにゃく麺」、メニューでは「韓国麺」と記述が分かれていて、同じものなのかどうかも良く分かりませんでした。
たっぷり入ったニラ。

これだけ載っていると、後から追加しなくても良さそうです。
火の入り方が適切で、少しシャキシャキ感の残る美味しいニラでした。
トッピングの溶き卵。

卵もたっぷり使われており、具材のボリューム的には全く不満がありません。
鶏ひき肉も入っています。

これも「ニュータンタンメン」と同じ様な感じです。
「宮崎辛麺」の特徴の一つが麺と言う事で、替え玉で「韓国麺」を注文しました。

なるほど、盛岡冷麺の様な透き通った麺で、「こんにゃく麺」と呼ばれているのも良く分かります。
でも紛らわしいのでタブレット「こんにゃく麺」とメニュー「韓国麺」と記述を変えるのはやめてもらいたいです。
「こんにゃく麺」をスープに投入。

具がたっぷりなので、替え玉をいれてもまだまだ普通に食べられます。
こちらが「こんにゃく麺」。

そば粉を使った麺は、正に冷麺と同じ感じの、コシの強い独特な食感の麺です。
ちなみに「ニュータンタンメン」の麺はこう言う麺ではありませんが、モチっとしていてコシが強く、食感的には近い感じです。
麺を食べ終えて、穴あきレンゲで具材を食べます。

かなりのボリュームの具材で、これだけでも結構お腹が膨れます。
と言う訳で、完食。

替え玉した事も有り、すっかり腹が膨れてしまいました・・・
量が多いかもしれないと考えて、予め「レディース」サイズで注文していて良かったです。ちなみに替え玉も「レディース」サイズ(100g)で注文しました。
東日本初出店の「元祖辛麺屋 桝元」の「元祖辛麺」でしたが、ほぼ想像した通りの味で、「ニュータンタンメン」を彷彿とさせる味でした。
まだ開店したばかりで、若干オペレーションがスムースに行っていない部分も有りますが、慣れるにしたがって追い追い良くなると思います。
17.は相模大野の「クックら」。

前々から食べたいと思っていた、限定の「塩とんこつ」が提供されるとの事で、行って来ました。
券売機の上には「本日の限定メニュー」「塩とんこつ¥850」(細麺+キクラゲ+万能ネギ)と有ります。

「限定」¥850の食券と、「味付玉子」¥100の食券を購入しました。
待つ事7〜8分で、「塩とんこつ」+「味玉」が着丼。

大きなチャーシューと盛りの良いキクラゲ、ほうれん草、万能ネギのお陰で麺が見えません。
まずはスープを一口。

「塩とんこつ」なので当然塩ダレですが、色自体は薄茶色のスープです。
飲んでみると、いつもの醤油の効いたパンチの有る味と違って、とてもマイルドで優しい味がします。
マイルドな分、豚骨スープそのものが味わえて、とても美味しいです。
麺は中細麺。

中細麺ですが適度なコシと歯応えが有ります。
マイルドなスープなので、この位の麺の方が合っています。
トッピングの大きなチャーシュー。

このチャーシューはいつものスモークチャーシューでは無い様ですが、適度に肉感が有って、美味しいチャーシューです。
たっぷり載っているキクラゲ。

トッピングの盛りが良いのは「クックら」さんの特徴です。
キクラゲトッピングしようかと思ってたら最初から載ってたのでラッキーでした。
トッピングのほうれん草。

こちらもキクラゲに負けない位たっぷり載っています。
茹で加減がややクタなのも、家系ならではです。
トッピングの大きな海苔。

いつもの「ラーメン」なら海苔が3枚載っていますが、「塩とんこつ」は1枚です。
良く考えたら海苔増しすれば良かった・・・
スープに浸して、ほうれん草を乗せます。

海苔巻きほうれん草にして頂きます。
海苔巻きほうれん草。

スープが良く染み込んでいて、とても美味しいです。
グリーンニンニク、すりゴマ、拉麺胡椒で味変します。

マイルドになっていても、ベースは同じとんこつスープなので、グリーンニンニクもゴマも拉麺胡椒も良く合います。
グリーンニンニク、すりゴマ、拉麺胡椒が入ったスープを飲んでみます。

ゴマと胡椒の風味が良く感じれらます。
ニンニクは程良く効いてコクが出ています。
麺とキクラゲを一緒に頂きます。

麺の食感とキクラゲの食感の違いが面白いです。
追加で生姜を投入してみました。

塩味スープに生姜は意外な程良く合います。
これは旨いです。
追加トッピングの味玉。

良く味が浸みていて、半熟で美味しい味玉です。
麺と具を食べ終えたので、スープを味わいます。

塩味になった事と味がマイルドになっている事で、豚骨スープの味がとても良くわかります。
と言う訳で、完食。

元々、家系ラーメンを食べる時は、基本的に「薄め、少なめ」でオーダーしているのですが、この「塩とんこつ」に関してはそれらは全く必要有りません。唯一、「麺硬め」だけです。
マイルドな塩味スープに細麺、キクラゲ、万能ネギと欲しいトッピングはほぼ載っており、追加したいのは海苔と味玉位です。
「クックら」さんの限定「塩とんこつ」でしたが、これはぜひレギュラー化して欲しいメニューです。
18.は八丁堀の「麺や七彩」のお取り寄せ。

先日通販で取り寄せた、「麺や七彩」の「煮干し醤油らーめん」を作ってみました。
2食入りの箱なのに、なんだか小さいな〜と思っていると・・・
開けてみたら、中身はこんな感じでした。

普通のラーメンセットに有る筈のスープのパックが無く、代わりに何と出汁パックが付いています。
なるほど、スープの水が無い分軽かったのですね。
作り方説明書。

タレと煮干しオイルを丼に入れて、出汁パックで採った出汁を注いでスープにすると言う、今までに無いタイプの物です。
まずはお湯を沸かして、タレと煮干しオイル、具材を解凍します。

溶ければ良いので、沸騰したお湯に3分程浸けて解凍します。
出汁パックx4を1.5リットルの水に入れて煮出します。

沸騰したら中火で7分と言う事で、沸かし過ぎない様に7分間煮出します。
説明通り、麺を一度ザルに入れて水で打ち粉を落とします。

確かに凄い量の粉が落ちます。
解凍したタレと煮干しオイルを丼に入れます。

ここに出汁パックを煮出した出汁を注いでスープを作ります。
次いで、たっぷりのお湯に麺を入れて茹でます。

茹で時間は3〜4分です。
打ち粉を落としておいたお陰で、茹で汁がドロドロにならなくて済みます。
丼にスープを注ぎ、茹で上がった麺を湯切りして入れ、具材を載せて完成です。

九条ネギ、茎わかめ、自作半熟味玉は別途用意しました。
まずはスープを一口。

タレと煮干しオイルに出汁パックを煮出した出汁を加えたスープ。
これが驚く程旨いです。
「麺や七彩」さんには昨年3月に訪問し、「味玉らーめん(煮干)」を食べましたが、ガツンと来る煮干しと醤油の味が印象的なスープでした。
ところが、今回の「煮干し醤油らーめん」は醤油がマイルドになっており、出汁パックで煮出した出汁も香り高いものの味はマイルドで、とても優しい味のスープです。
麺はお店で食べた様な、モチモチ食感のピロピロ麺。

お店で食べたのとほぼ同じ食感です。
ただ、この麺はダマになり易い様で、4玉茹でたうちの1つはダマになってしまい、4〜5本の麺が1つの太い麺になってしまいました。
セットに入っていたトッピングのチャーシュー。

お店で食べたのに近いバラチャーシューと、凄く肉感が有る肩ロースチャーシュが入っていました。
このチャーシューも今まで食べたお取り寄せラーメンの中でも1,2を争う旨いチャーシューです。
トッピングの細切りのメンマ。

これも正に「麺や七彩」さんで食べたのとほぼ同じメンマです。
このメンマもとても美味しいです。
別途用意したトッピングの茎わかめ。

コリコリした食感が美味しい茎わかめ。
煮干し醤油のスープに良く合います。
説明書に
"胡椒と相性がいいので多めに掛けてもgood"
と言う記述が有ったので、胡椒を多めに掛けてみました。

かなり掛かっていますが、実際に食べてみると、胡椒が物凄く合います。
考えてみたら、「麺や七彩」さんで食べた時も胡椒を掛けて、美味しかった覚えがあります。
トッピングの自作半熟味玉。

今日はまぁまぁの出来で、ちょうど良い位に半熟でした。
和風味にして有るので、煮干しスープには良く合います。
麺と具を食べ終えて、スープを味わいます。

「麺や七彩」さんで食べた時と比べて、醤油も煮干しもマイルドになっていますが、それが思いの外良い方向に働いて、激ウマです。
お取り寄せラーメンの煮干し醤油のスープの中では、1,2を争う旨さです。
と言う訳で、完食。

ほぼ完飲してしまいました。
「麺や七彩」さんの「煮干し醤油らーめん」でしたが、今までに無い斬新な作り方で驚きましたが、これでこれだけの旨さを出せるとなると、市販の出汁パックに醤油ダレと香味油が有ったら旨いラーメンが作れるのかな?と思ってしまいました。
もちろん、出汁パックも只の出汁パックでは無く、「麺や七彩」さん独自の配合の出汁だと思いますが、醤油ダレと香味油を上手く使えばこれ程の味が出せると言う事にとても感心しました。
今回の「煮干し醤油らーめん」は正直凄いレベルだと思いました。
お取り寄せラーメンの煮干しラーメンの中では一番美味しかったのでは無いかと思います。
30,000文字の制限を超えたので、次に続きます・・・