ウチの987ケイマンSは、サーキット走行を考えて運転席のみRECARO製のバケットシートに変えています。
RECARO RS-G ASM Limitedです。
ちなみに助手席は奥様が嫌がるのでノーマルのままです(笑)。
バケットシートにも、リクライニング可能なものからヘッドサポート付きのものまで様々です。
バケットシートは実際に座ってみないと、ヨーロッパの人の体格に合わせて作られたシートだと日本人にはユルユルですし、サイドサポートの高さやレッグサポートの高さ、シート形状…が分からないので、必ず座って確認する事をオススメします。
出来れば同一車種がベストですが、ほぼ同じ様なクルマ(987ケイマンなら911のType997もほぼ同じ)で試してみるのがオススメです。
実際に座り、ステアリングを操作してみたり、シフト操作をしてみたりして、不都合が無いか確認する事が重要です。
例えば、サーキットユースだけを考えればヘッドサポートの有るシートが良いですが、公道走行を考えると合流時の側方確認が困難になってしまいます。

またレッグサポートが高すぎるとシフト操作がし難かったりするので、実際に座ってみて判断する事をオススメします。
と言う訳で、今回はシートについて書いてみようと思います。
①コンフォートシート
バケットシート程のサポート性は有りませんが、長距離を走行しても疲れ難く、比較的拘束が緩いので、幅広いユーザーに受け入れられるシートです。

(RECARO LXF 2nd Generation)
リクライニングも可能なので、リアシートへの出入りが必要な場合でも問題無く使用出来ます。
コンフォートシートとバケットシートの合いの子の様なシートも有ります。

(RECARO RCS)
このタイプはサーキット走行まではしないが、ワインディングなどを走行をする様な方にはピッタリのシートです。
但し、リアシートが有る車の場合は背面パッドが必要になる場合が有ります。
②スポーツシート
コンフォートシートよりサポート性を向上させたシート。

(RECARO SR-7)
サイドサポートが大きくなり、レッグサポートは低めで乗降性を確保、リクライニングも可能です。
シートベルト用のホールも有るので、4点式シートベルトを装着する事も出来ます。
ストリートから、サーキットの入門辺りまでをカバー出来ます。
デザイン性を高めて、リクライニングを電動化したモデルも有ります。

(RECARO SP-X Avant)
リクライニングの電動化は単なる利便性向上のためだけでは無く、幅の狭いクルマでも装着出来る様にした結果だそうです。
③モータースポーツシート
モータースポーツに特化したシートです。

(RECARO RS-G)
フルバケットシート(通称フルバケ)で、リクライニング機構は有りません。
シェル(外殻)を一体成形して剛性を高めて有ります。
素材をFRPからCFRP(カーボンファイバー)にして、更に強度を高めたモデルも有ります。
乗降性を犠牲にしてホールド性を高めて有り、乗り降りし難い代わりに、強い横Gを受けても体が振られる事無く、正確な操作を可能にしています。
4点式以上のフルハーネスに対応しています。
日本人のために開発されたフルバケットシート。

(RECARO PRO RACER RMS)
日本人の為に開発され、シェルにパッドを貼り付けた様な独特の形状です。
ヘッドサポートも付いていて、これ位ならギリギリ公道で使う事も可能そうです。
④RECARO以外のシート
ここまではRECARO製シートばかりを紹介して来ましたが、他にも色々なシートが有ります。
(1).BRIDE
BRIDEは日本の会社なので、日本人に合わせた設計になっています。
更に軽自動車やトラック向けなど、様々なラインナップが有るのが特徴です。
フルバケットシート(BRIDE ZETA)

日本人の体型に合わせたシートフォルムのフルバケットシート。
一般公道からサーキット走行、各種モータースポーツなど、幅広いシーンでの使用、ドライバーの安全を考えて作られたシートです。
スポーツシート(BRIDE STRADIA)

サーキット走行で求められるホールド性能と日常使いで必要とされる利便性・快適性を併せ持つセミバケットシートです。
コンフォートシート(BRIDE EUROSTER)

座り心地や乗降性、操作性など快適性を重視しドライバーが疲れにくいシートとなるよう設計されています。
(2).SPARCO
スポーツシート(SPARCO R100J)

SPARCOのシートは現状(2021年8月現在)、日本の保安基準に適合しているのはこのSPARCO R100Jのみです。
以前はフルバケットシートでも、2シーター車ならOKで、4シーター車の場合は背面パッドを貼ればOK、2ドアの4シーター車はリアシートを外して2名乗車に変更すればOK…でしたが…
平成29年7月、道路運送車両法施行規則の一部改正がおこなわれ、いままで車検に通っていたパーツも「保安基準適合を証明する書類」で確認できなければ不合格になる様になった様です。
RECAROやBRIDEなどの有名ブランドならOK…と言う訳でも無さそうで、陸運事務所によってはそれらの有名ブランドであっても「保安基準適合を証明する書類」が無いとNGと言うケースも有る様です。
「競技専用品」と有る製品は「保安基準適合を証明する書類」が無いので、基本的に車検に通らないと考えた方が良さそうです。
車検対応品であっても「保安基準適合を証明する書類」は揃えておいた方が無難な様です。
サーキット派にとってはフルバケは無くてはならないモノですが、キチンと保安基準適合品を選び、書類も揃えておきましょう。
また、シートだけで無く、シートレールも保安基準適合品でないと車検は通りません。
シート+シートレールを保安基準適合品とする事、「保安基準適合を証明する書類」は揃えておく事が大事です。