
某自動車評論家の方が「宇宙一」と呼ぶポルシェのブレーキ。
ホントに宇宙一かどうかはさておき、自分が初めて乗った時に一番感動したのはココでした。
効きがどうのこうの言う以前に、踏んだ時の感触が今まで経験した事の無いものだったからです。
たまたま
先日、やらかしてしまった時に、運転席足下のヒューズボックスを開けて緊急時ボンネットオープン用端子を引き出そうと四苦八苦していた(なんせ運転席側のドアを開けられないので、助手席側からアクロバチックな姿勢で作業しなければならず…)時に、ふと目に入ったのがコレ。
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「なんだかハシゴの様なエッフェル塔の様なモノが有るな〜」と思って見ていると…
コレがブレーキペダルと繋がっていたり…Σ(°д°lll)ガーン
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めちゃめちゃゴツい、アルミのラダー構造のプッシュロッド!?
そうでなくても、元々もの凄くゴツいブレーキペダルなので、そのせいであんなにガッシリとした感触なのかと思っていましたが、その先も凄かった!!
が、エアコンフィルターを外そうとした際に、たまたま反対側のカバーを開けた所、こんなモノが…
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黄色い円内です。
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コレの先を見ると…マスターバック!
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そうです。このアルミのゴツい部品はブレーキマスターバックの固定を補強するものだったのです!
ケイマンの場合、バルクヘッドとトランクルームが離れていて、トランクルーム側にブレーキマスターバックが固定されています。
ブレーキペダルからの踏力は、あのゴツいラダー構造のプッシュロッドを経て、マスターバックに入りますが、それが動かない様に補強されているのです。
トランクルーム側の隔壁自体も、バルクヘッドとの間にストラットタワーも有り、かなりの強度を持っているものと思われますが、トドメを刺すかの様なこの補強!!
元々のブレーキペダル自体恐ろしくゴツいモノですが、それがあのエッフェル塔を押し、更にマスターバックをアルミの部材で補強してあるという徹底っぷり!
こう言う部分って、計算上、要求される強度は満たしているけれど、人間の感覚で補強された所なのでは無いかという気がします。
数字に現れない事でも、人間は感じる事が出来るんですよね。
やっぱりクルマを良く知っている人が造ったんだな〜と感心しました。
その先も、ブレーキホースは兎も角、Bremboキャリパーの剛性と、あの分厚いドリルドピンホール付きベンチレーテッドディスクも、あのブレーキの感触に一役買っていそうです。
加えて、
この時も書きましたが、ブレーキ冷却に対するコダワリも凄いです。
そう言った事の積み重ねが、結果として「宇宙一」のブレーキになったのではないかと思います。
最近の991や981はフロントのキャリパーが補強されており、更に進化しています。
最高出力の3倍を想定したと言うこのブレーキは、加速以上に減速がラップタイムに影響する事を経験から知っている、ポルシェならではの部分ではないかと思っています。
今でもこのブレーキは、
色褪せない魅力の理由の一つです。
Posted at 2013/05/19 21:25:26 | |
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