
2019年6月のラーメンの続きです。
⑤はまたまた銀座 風見
先日伺って、酒粕に慣れて来た後半にスープ本来の味を感じて感銘を受けました。
濃厚酒粕そば以外のラーメンはどんな味だろうと興味が湧いたので行って来ました。
たまたま外待ちはいなかったので、店内に入るとカウンター席が1つ空いていました。
券売機で醤油そばの食券を購入して着席しました。
待つ事5分程で醤油そばが着丼。
薬味のポルチーニ茸のピュレと刻み甘酢生姜が付いて来ます。
店主の金子さんはイタリアン出身との事で、ポルチーニ茸のピュレはイタリアンらしいアイデアです。
醤油そばのアップ。
濃厚酒粕そばも美しいビジュアルでしたが、こちらもトッピングの配置が綺麗です。
トッピングは濃厚酒粕そばと同じで、豚のコンフィ、豚バラのロースト、炙り栃尾揚げ、小松菜、味玉半分、海苔、三つ葉、刻み玉ねぎとなっています。
まずは気なるスープを一口。
スープは4種類の煮干と鰹節、鯖節、昆布ベースの魚介出汁にホンビノス貝や干し椎茸の旨味を加えた木桶仕込み生醤油、再仕込み醤油と2種の醤油をブレンドした醤油だれを合わせた清湯スープで、野菜オイル、鶏油、チャーシューだれに、甘くならない程度にザラメを少々加えてあるそうです。
麺は京都の麺屋棣鄂の細麺で、茹で加減は硬くもなく柔らかくもなくと言った茹で加減。
優しい味の醤油味スープに合う、小麦の風味がする旨い麺です。
豚のコンフィ。
前回は濃厚酒粕そばのスープに浸けて食べてみましたが、今回はそのまま食べてみました。
結論から言えば、そのままでも十分美味いです。
しっとりとした食感でしっかり味が付いており、そのまま食べた方が肉の旨みをダイレクトに味わう事が出来ます。
豚バラのロースト。
豚バラらしく柔らかく脂の乗った肉で、脂の甘みを感じられます。
スープに浸けて食べましたが、スープとのマッチングも良い様です。
炙った栃尾揚げ。
醤油味スープとの相性は抜群で、香ばしく適度な食感に醤油味スープが浸みて美味しいです。
きつねうどんに油揚げが載っていますが、あれと違って甘辛くは無いものの、醤油味スープとの相性は抜群です。
恐らく日本蕎麦のつゆに似た魚介出汁メインのスープに合うのだと思います。
トッピングの小松菜。
白河ラーメンにも載っていますが、小松菜は醤油ラーメンとの相性が良いです。
しかも茹で加減が絶妙で、クタクタでも無くザクザクでも無い丁度良い食感になっています。
トッピングの海苔。
恐らく濃厚酒粕そばに載っていたのと同じ海苔だと思われます。
家系ラーメンの海苔と同じくらい大きな海苔です。
醤油味スープに浸して、麺と一緒に食べると磯の風味が加わって美味いです。
家系ラーメンでもそうですが、海苔をスープに浸して麺を巻いて食べると絶品です。
途中で薬味の刻み甘酢生姜を入れてみます。
新潟の長岡ラーメンや白河ラーメンなど、醤油味のラーメンと生姜の相性は非常に良いです。
このスープも生姜との相性は抜群で、爽やかな口当たりのスープになります。
続いてポルチーニ茸のピュレを投入。
茸の風味が広がって複雑な味になります。
巣鴨のJapanese Soba Noodles 蔦の醤油そばもそうですが、醤油味スープに茸の風味が加わると複雑な奥行きのある味になります。
1個の半分が入っている味玉。
絶妙な茹で加減で黄身がトロトロの半熟です。
酒粕濃厚つけ麺にも入っていましたが、そのまま食べてみると、しっかり味の付いたたまごは黄身の濃厚な味と合わさって非常に美味い味玉です。
正直もう一個足しても良かったと思える位美味い味玉です。
卓上の青唐辛子味噌をレンゲに取って、スープを溶かしてみます。

これがまた素晴らしい事に、優しい醤油味スープの味を壊す事無く辛味が加わって、非常に合います。新潟の
「かんずり」もそうですが、繊細なスープの味を壊さずに辛味が加わるので、辛い物好きには最高です。
と言う訳で、先週に引き続いて銀座 風見さんに訪問しましたが、予想通り酒粕のインパクト無しでも十分以上に旨いラーメンである事が分かりました。
機会が有ったら未食の「塩そば」も是非味わってみたいと思います。
⑥は2013年以来6年振りの訪問になる、銀座 朧月
6年前も行列店でしたが、あの時と違うのは並んでいる人の8割が外国人だと言う事です。
銀座の有名ラーメン店は観光スポットになっている様です。
並ぶ事約40分で漸く着席して、それから10分程で特製つけ麺が着丼。
懐かしの濃厚スープに魚介出汁の黒いソースが掛かっています。
初めて見た時は何かと思いましたが、舐めてみると魚介系の味がします。
続いて麺のアップ。
三河屋製麺製の極太麺です。
バーナーで炙ったバラチャーシューが3枚と味玉、ナルト、カイワレが載っています。
まずは麺だけ食べてみます。
極太麺は水で締められいて、コシがあって食べ応えがあり、小麦の風味がする旨い麺です。
麺リフト。
三河屋製麺製の極太麺は少し平たい厚手の麺で、ツルツルした食感でモチモチです。
次にスープに半分程浸けて食べてみます。
コシのある麺に濃厚な豚骨と魚介系のスープが絡んで非常に旨いです。
久しぶりに味わいましたが、味は衰えていない様です。
濃厚なスープは豚骨の濃厚な味と魚介系の味が合わさって、非常に美味しいです。
こういう濃厚スープのつけ麺は多くなりましたが、似た様なつけ麺は有ってもクリーミーな豚骨と魚介出汁がこれ程上手く調和したスープはなかなか無いと思います。
チャーシューは豚バラの煮豚をバーナーで炙って提供しています。
炙った香ばしさがある柔らかいバラ肉は、そのママでも食べられますが、スープに浸して食べると美味しいです。
スープの中にも角切りチャーシューが入っています。
こちらは味が浸みていて、柔らかくて美味しいです。
こちらもスープに入っているメンマ。

大振りな材木メンマですが、柔らかく煮られていて美味しいです。
小さなナルト。
特性でない普通の濃厚つけ麺にも載っていますが、スープの方に入っているので麺に載っているのは特製だけかもしれません。
味変で麺に原了郭の黒七味を振ってみます。
これで山椒の辛さでピリッとした感じになり、ラストスパート出来ます。
1個分入っている味玉。
黄身がトロトロの半熟で、しっかり味が付いているので、半分はそのまま、残りの半分はスープに浸けて楽しみました。
トロリとした黄身の味に、濃厚スープが混じると絶品です。
と言う訳で、麺を完食。
スープ割りを頼みます。
刻んだ三つ葉と柚子皮を入れてスープで割ってくれます。
柚子の香りと三つ葉の爽やかさが加わって美味しいです。
レンゲでスープを掬ってみます。
丁度良い薄め加減で、魚介出汁が加わってとても美味しいです。
と言う訳で完食。
6年振りと言う超久し振りな訪問でしたが、味は些かも衰えていませんでした。
そうなってくると、次は塩つけ麺や中華そば”極み"も味わってみたくなります。
機会が有ったら是非食べてみたいです。
⑦は味の時計台。
子供達がラーメンを食べたいと言うので、成瀬の天国屋でも行こうかと思ったのですが、奥様が買い物をしたいから近場にして欲しいとの事で、子供達が「時計台ラーメンが良い!」と言うので時計台ラーメンにしました。
私は塩ラーメン+餃子。餃子は皆で分けます。
奥様と次女は醤油ラーメンバターコーントッピングをシェア。
長女は醤油ネギラーメン+茎わかめ増量+半チャーハンです。
塩ラーメンのスープ。
豚骨ベースっぽい白濁したスープです。
背脂も少し浮いています。
旭川ラーメンと違ってラードが表面を覆う程入っている訳ではありません。
中細の縮れ麺は青森県にある味の時計台自社製麺工場で作られているそうです。
少し透き通った様な黄色い麺はツルシコ食感で、スープが良く絡みます。
豚バラのチャーシュー。
箸で持ち上げただけでバラバラになる位柔らかく煮られています。
味が良く浸みているので、そのまま食べても美味しいです。
炒めた野菜が載っているのがここの特徴です。
白菜やもやし、玉ねぎなどがスープと共に炒められています。
トッピングの茎わかめもここの特徴。
長女はこれが気に入っていて、いつも増量しています。
いつも頼む焼き餃子。
考えたら昨日の晩に餃子を食べたばかりでした。
でもここの餃子も外はパリッと、中はしっとりで結構美味いのです。
餡は野菜と肉がしっかり詰まっています。
餃子のタレと辣油で頂くのが一番美味い気がします。
と言う訳で完食。
味は以前から変わり無く、その意味ではとても安定しています。
特別美味いと言う訳でも無いのですが、ウチの子供達には絶大な人気を誇る味の時計台。
確かにそこそこ美味いので、肩肘張らずに気楽に食べに来るにはもってこいです。
⑧は4年振りに行った、麺処 銀笹。
店主の笹沼さんは鯛茶漬けで有名な「銀座あさみ」出身で、元々ラーメン好きで週3、4回ラーメンを食べることも多かったという事で、鯛茶漬けを、もっと気軽に、いろんな人に楽しんで欲しいという想いでラーメンと鯛茶漬けを提供する事にしたとの事です。
銀笹塩ラーメン¥880と味玉¥120と半鯛飯¥220。
やっぱりここに来たら半鯛飯で鯛茶漬けは外せません。
銀笹塩ラーメンのアップ。
追加トッピングの味玉が載っています。
大きなチャーシューと水菜、鯛つみれのお陰で麺が見えません。
半鯛飯のアップ。
解した鯛の身と出汁で炊かれたご飯、そして三つ葉の茎を刻んだものが載っています。
まずはスープを一口。
スープは昆布、鰹節、煮干しなどの魚介系出汁に鶏ガラ、豚骨を合わせたものとの事。
実際に飲んでみると鯛の出汁を中心とした魚介系の出汁が強烈に効いています。
鶏ガラも感じられますが、豚骨はそれ程感じません。
しかし、この力強いスープは確かに豚骨が入っている事を示しています。
三河屋製麺製の中細麺。
絶妙な茹で加減で、ツルツルした食感に小麦の風味がして、スープが良く絡む美味しい麺です。
豚バラの巻きチャーシューは大きくて厚みがある食べ応えのあるチャーシューで、表面を炙ってあります。
箸で持ち上げただけで崩れる程柔らかく、しっかり味が染みています。
銀笹の特徴でもある「鯛つみれ」。
季節によって筍かレンコンが使われているそうで、今の時期は筍が使われています。
ふわふわ食感とサクサク食感の対比が良い感じです。
メンマは大きめのものが4〜5本載っています。
柔らかく煮られていて、しっかり味付けされています。
トッピングの水菜
赤坂の「赤坂麺処 友」の「芳醇あごだし醤油湯ラーメン」にも載っていますが、銀笹の塩分濃い目のスープとは相性が良いです。
追加トッピングの味玉。
味玉は黄身が半熟の丁度良い茹で加減で、しっかり味が付いているので、そのまま食べても美味しいですし、スープに浸して食べても美味しいです。
ここで味変の薬味を投入。
アオサは塩味スープとの相性が良く、磯の香りが良い感じです。
揚げたごぼうや葱、ニンジンは、香ばしさが加わって味変に丁度良いです。
麺を完食。
スープを半鯛飯に掛けて、鯛茶漬けを作ります。
レンゲでスープを半鯛飯に掛けて行きます。
丼に注ぎ口が付いているのですが、少しずつ入れたかったのでレンゲで入れました。
ご飯がひたひたに浸かるまでスープを注ぎました。
鯛茶漬けの完成。
いざ、実食です。
以前食べた時はスープの塩分が濃すぎてちょっとしょっぱい感じでしたが、今回は塩分が濃い目ながら鯛飯と合わせると良い感じの味になり、美味しく頂きました。
と言う訳で、久しぶりの銀笹でしたが、相変わらず旨い一杯でした。
今でこそ塩ラーメンの美味しい店は増えましたが、当時はもの凄いインパクトのある味でした。
今でもその味は一線級で、塩ラーメンとしては5本の指に入る名店です。
和食の技術や店内の雰囲気をラーメンに持って来たのも銀笹の功績の一つだと思います。
なかなか来れませんが、銀座に来る時は必ず訪れたいと思います。
30,000文字の制限を超えたので、次に続きます・・・