• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2012年04月17日 イイね!

【梅の五選・第51号】 元祖にして最良の箱型ミニバン!

 今日の梅の五選

4・174・17


’96 ホンダ ステップワゴン 2.0 G 8人乗りポップアップシート 4WD 4速AT (4.5)


 初代ステップワゴンでも、前期型でしかもエアバック未装着の初期型で、正に発売当初の姿そのものです。

 これまでの、商用バンを派生させたワンボックスとは発想を大きく変えて、FF乗用車用フルモノコックボディをベースに、箱型3列ミニバンを製作するという、今では主流だけど当時では斬新なパッケージングが大きなインパクトでした。

 FF乗用車をベースにしたことで、運転席下にエンジンが存在しないため、運転席下の出っ張りがなくなって、2列目の足元が広くなったこと、運転席そのものがシート座面クッションを厚く取ることが出来て、乗用車らしい快適なシートにすることが可能になったことが、大きな利点となりました。

 そもそも、初代オデッセイの成功があったからこそ、このステップワゴンが発売できたのですが、初代オデッセイが3列シート車としては低めの全高になったのも、当時のホンダの製造ラインではあの全高が限界だったためで、怪我の功名でヒット商品になるや、より全高の高いミニバンを作るための製造ラインに設備投資して、ステップワゴン誕生に至ったのです。

 今回乗った物件は、走行15万km弱で4駆だったのですが、内外装に目立つ傷はなく、小まめにオイル交換するなど丁寧に乗られていた印象で、16年落ちであることを感じさせないコンディションをキープしておりました。

 そして、乗ってて気分が良かったのは、デザインのためのデザインが見当たらずに、機能性に徹していることなのです。

 それを思うと、現行型のウルトラマンみたいなテールランプといい、不細工なメッキグリルといい、デコレーション過剰で、とてもじゃないけどこれで家族サービスは勘弁願いたいものです。

 年式が古いクルマと言えば燃費が心配でしょうが、オーナー曰くフル乗車でない限りリッター10km前後をキープするとのことで、無理なローンで新車を買うことを思うと、遥かに誇らしい選択に思ったほどでした。

 ハンドリングに奇をてらったところがなくてごく自然なもので、スリーブブロックのB20Bは80年代的ホンダ車のような高回転型ではなく、あくまでもワゴン系に相応しい低中速トルク重視型エンジンで、登りの勾配がきついとさすがに非力さは感じるのですが、コラムシフトでシフトダウン操作してやることで、ある程度解決するものです。(そのコラムシフトでのマニュアル操作性がイマイチで、それならばインパネシフトの2代目以降が優れてる?)

 更に、格安中古車となると4万円強の自動車税が大きな負担になるところですが、元々フラットフロアでシートを外してやることで、小型貨物登録がしやすく、税負担の大幅な軽減の可能性が高いことも、中古ステップワゴンを維持しやすい環境にする方法として、紹介したいと思います。

 最後に運転環境ですが、欲を言えばもう少し高い着座位置で座りたいところで、せめてシートリフターでも装備されていたら…と思ったのでした・・・。
Posted at 2012/04/17 22:51:17 | コメント(3) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2012年04月16日 イイね!

【プレイバック試乗記・第41号】 国内専用モデルの名車。

’96 ホンダ アスコット 2.0 SX 4AT


① 成り立ち

 1993年に、アコードの3ナンバー化に伴い、日本国内市場に配慮した、国内専用5ナンバーサイズのセダンとしてデビュー。

 アスコット自体は、1989年にアコードの姉妹車として初代がデビューしていたものの、あくまでもFFのセオリー通りの横置き式でした。

 それに対し、2代目は初代アコードインスパイア・ビガーをベースにしているため、FFながら縦置きとし、フロント車軸より後ろ寄りにエンジンを搭載した、FFフロントミッドシップ方式となっております。

 このアスコットには、姉妹車としてラファーガが存在していましたが、新車当時の販売台数が振るわず、今では見かけることが少なくなってきた中で、出会った物件です。

 ベースとなったアコスパ・ビガーは、トヨタ・マークⅡセグメント対抗馬として、極力全高の低いスタイリング重視のデザインで、ホイールベースが2.8mを超えるにもかかわらず、後席はつま先を入れることすらままならないほどの狭さでした。

 それに対し、アスコット・ラファーガはセダンとして真っ当な全高が与えられたことで、先に紹介した34スカイラインよりもサイズが小さいにもかかわらず、広い後席居住空間を実現した1台に仕上がってます。

 果たして、走行17万kmを経た物件で、魅力的な乗り味は確保されているのか、気になるところです。


② 運転環境

 ステアリングはチルト機能のみで、シートリフターも座面後端のみの調節であったにもかかわらず、真っ当なパッケージングゆえに、車両感覚のつかみやすい環境下にある、と言えます。

 これも17万km走行ながらシートの経たりは感じられず、非常に魅力的だったといえます。


③ パッケージング

 当時CMで「背が高いこと」をキャッチフレーズにしていましたが、ベースがスタイリング重視の4ドアHTでも、ここまでセダンらしいパッケージングになるのか、といういい見本です。

 今回の試乗では確認できなかったですが、一説にFFフロントミッドシップレイアウトにより、駆動輪の前輪にトラクションがかかりにくくて、特に発進時で滑りやすい傾向があるらしく、これほどの出来具合なら、ドライバー側の裁量の範囲内かなと、解釈しております。


④ パワートレイン

 直列5気筒の2Lなので、全体的なトルク感は薄いものの、直4のツインカムVテックとは一味違い、高回転まで気持ちよく回るエンジンでありつつ、上品さを兼ねた独特のフィーリングに味わい深さあり、といったところです。

 オートマは平凡な4速ながら、トヨタ・日産系のようなODボタン式でなく全ギアがセレクター内に設置されているため、マニュアル操作がしやすい優れものに思います。(初代ステップワゴンのコラムも、前期は同様に素晴らしかったのですが、後期でODボタン式に)

 とてもじゃないけど、17万kmの疲労は感じさせない素晴らしいコンディションでした。


⑤ ハンドリング

 先の34スカイラインほど、がっちりしたボディでなく、スポーツカー的ながっちりさを打ち出した乗り味とは趣が異なり、あくまでもソフトタッチな高級車フィールなのですが、パワステが油圧式であることもあり、非常にナチュラルにまとまっていた印象です。

 初期応答性が異常にクイックなこともなく、その意味ではフィットよりも、遥かに乗りやすいハンドリングである、と言えますね。


⑥ 判定

 :文化遺産

 今や、現行シビックよりもコンパクトな高級車として、貴重な存在である、とすらいえる現状です。

 これが、同世代でもシビックSiRだのタイプRだのになると、激しく使われたケースが多くて、程度のいい物件が激減しているのですが、この種の高級サルーンなら、程度面でまだしも期待できるかと。(タマ数が問題…。)

 それに、意外にも標準タイヤは195/65-14インチと、サイズまでコンパクトなのです。

 つい先日、A32セフィーロの項で国内専用モデルへの不満点を述べましたが、このアスコットに限って言えば、決して日本人を馬鹿にした商品ではなく、本当に日本人に配慮したハイセンスなセダンだったな、とつくづく思いました。

                                        2010年02月11日 加筆訂正あり

Posted at 2012/04/16 21:04:02 | コメント(3) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2012年04月12日 イイね!

【梅の五選・第47号】 偉大なる、サンデーレーシングカー!

 今日の梅の五選

4・114・84・43・304・8

 今日の圏外;;

3・294・114・114・11

’95 ホンダ インテグラ 4ドア 1.8 タイプR 5速MT (39)


 アルファ155・FDを押さえての大金星となりました!

 先日、EK9ことシビック・タイプRを取り上げて、90年代に君臨してたホンダ・レーシングスピリットの最骨頂であるタイプRの偉大さに魅了されましたが、今回同時期のインテグラ・タイプRに乗って、更に魅了された印象でした。

 ベースは4ドアモデルで96スペック。テイン車高調に純正15インチから16インチにインチアップされた仕様で走行15万kmオーバーで、前回紹介したシビックR程の極上ではなかったものの、低価格であることもあって、普段の街乗りから週末のサーキット走行まで1台で満喫できる、という点で非常に魅力的に感じました。

 確かに20世紀のホンダ車であるが故に、ボディ本体の剛性が著しく高いとは言えないのですが、そのボディを支えるシャーシ剛性が高く、サーキット仕様な足周りで荒れた路面での凹凸をそれなりに拾うのですが、その衝撃の収束性が高くて非常にコントローラブルで、走りの質感の高さすら感じさせるものでした。

 そして、シビック比約200cc余裕のある排気量で全域で十分にトルクがあって、高回転域での加速の伸びやレーシーなエンジンフィールは、何物にも変えがたい魅力に富んだものです。

 今回96スペックベースでインチアップされた関係で、前回のEK9で感じたトップギアでの回転数の高さを然程感じなかったのですが、出来れば高回転域で楽しみたいエンジンですよね?^^;

 実用車として運転環境に回帰しつつあったEKシビックと大きく違うのは、低めのステアリングコラム・インパネ位置で、80年代後半から続いたローポジション設定であることで、EKでは社外ローポジ設定に違和感を感じたのに対し、こちらのインテグラでは純正シートレールではポジションが高すぎるところに違和感があった、ということです。

 シビックのタイプRは、後席が十分に広いとはいえ3ドアのみの設定であったのに対し、この時代のインテグラ・タイプRには3ドアの他に、4ドアも設定されていたことで、家族持ちであってもスポーツドライビングが楽しめる1台であった、という部分で、非常に家族思いなタイプRだった、と言えます。(それでも、前オーナーは小学生のお子様2人になって狭さを感じ、泣く泣くフリード・スパイクに乗り換えた、とのことでしたが…。;;)

 最近のホンダ車では、次々とセダン・クーペのラインナップが消えて海外専用になることが多く、本格的な走りのホンダが消えかかっていて、非常に悔しい思いをしているホンダファンも多いかと思います。

 かつては、こうしたタイプRのような魅力的なスポーツクーペ・セダンを作っていただけに、今こそタイプRを復活させて欲しいと、切に願っていることは間違いないかと思います。



 今回の物件も、新車当時を知る人からすると、相当へ経った車両に思うかも知れません。

 でも、タイプRの魅力は、まだまだ健在なのです。
Posted at 2012/04/12 00:18:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2012年04月08日 イイね!

【梅の五選・第46号】 絶版!ホンダ~ズ^^

 今日の梅の五選

4・84・43・304・83・29

 今日の圏外;;

3・304・8

’00 ホンダ シビック 3ドア 1.6 タイプR・X 5速MT (85)


 今回の梅の五選は、偶然にも3車ともホンダ車となったわけですが、特にEK9のシビックタイプRに試乗して、改めてレーシングスピリットに富んでいた時代のホンダ車は偉大だった、とつくづく思ったものです。

 そもそもタイプRは、NSXをベースにホンダがF1レースに初めて参戦したマシン「RA272」に塗られて「チャンピオンシップホワイト」をイメージカラーに、公道を走るロードカーでありながら、ノーマルのままでもサーキット走行に対応した仕様として製作されたのが最初でした。

 そして、NSX・RはNAでありながら他社のターボ車勢を圧倒するサーキットラップタイムを叩き出し、国産最速のスポーツカーとして君臨することとなります。

 更に、タイプRスピリッツをより低価格で多くのユーザーに提供するために、DC2ことインテグラ・タイプRを投入し、更に今回紹介するシビック・タイプRを投入することとなります。

 現役当時、サーキット走行での卓越した走りは多くのメディアで語り尽くされましたが、果たして法制速度内で楽しむホットハッチとしてはどうなのか?暴走系のタイプR乗りが増えて、暴走族のイメージもついてしまっているだけに、前から気になっていたところでした・・・。

 1.6Lで高回転型エンジンで180馬力を誇るエンジンを搭載しているということで、一見ピーキーで扱いにくいエンジン特性を想像しがちですが、可変バルブタイミングであるV-TECを採用したことと、峠道を想定して全体的にローギアードな設定にしたことで、思いのほか低速トルクも十分にあって、レーシングなイメージとは裏腹に、街乗りにおいても非常に扱いやすいエンジン特性であるのは意外でした。

 とかくステアリング操舵力が過剰に軽いことが多いホンダ車ではありますが、さすがにサーキットを想定したタイプRだと、路面から伝わるステアリングインフォメーションは豊富で、ホットモデルらしいステアリング操舵力をも確保しているため、ステアリング初期応答性も適度なもので、クルマとの対話が非常にやりやすいハンドリング特性に感じました。

 更に、ダイレクトさを優先して若干重めのクラッチで、クラッチミートが非常にやりやすく、この部分では最新の86・BRZよりも遥かに扱いやすい特性でした。

 エンジン横置きFF特有のワイヤー式とは思えない、ダイレクトなシフトフィールの持ち主でもあり、とかくFR信者になりがちな当方ですら、純粋に完成度の高いスポーツカーであると、FF・FR問わず認めざるを得ないものです。

 そして、最も悲しいことは、これ以降にホットハッチとしてより完成された新型車が存在しないことで、ラテン系ならばコンフォート性と高い次元で両立されたのがありますが、このタイプR程にレーシングに徹したホットモデルが消えてしまったことは非常に遺憾である、と痛切に思うわけです。

 ミニバン・ハイブリッドカーメーカーになってしまった、今のホンダから突破口を見出すには針の穴に像を通す程の困難さを極めますが、社内ではタイプR・タイプSを名乗る定義を緩和させることできっかけを作るそうで、今年中には間に合わないかもしれないですが、ここ数年の間には何らかの手を打つと思うので、今後に期待です!

 補足。

 今回のシビックRには、純正レカロを使いつつ社外ローポジションシートレールを使用しており、純正よりも着座位置が下がっておりました。

 着座位置を落として重心を下げる効果があるそうですが、元々EKシビックでは、EG系までのコンポーネンツを使いながら、実用車らしいシート背もたれを起こして高い着座位置を前提とした居住空間設計であるため、むしろ純正シートレールで元に戻したい、と思ったのが正直なところでした・・・。


’94 ホンダ アクティ バン SDX 2WD 3速AT (15)


 軽とはいえ箱バンのNA・ATでドン亀なイメージに思われがちですが、発進加速では後に紹介するホンダZターボよりも良好なくらいで、今も現役であるだけあって信頼のあるE07Aのパワフルでトルクフルなエンジンの素晴らしさが秀でた形となりました。

 アクティバンと言えば、今回紹介する型が未だに最後のフルキャブ式で、99年規格でセミキャブになってからの運転環境の地獄からすると、非常に使いやすくて重宝するものです。

 トラックだけは辛うじてフルキャブに戻りましたが、今度は全グレード電動PS強制装備で、衝突安全に配慮してかフロントダッシュ周りの空間が増えて、キャビン後方で運転する形になった分、今回紹介する型程のフィットさには戻っていない、というのが現状です。

 年式的にクラシックカーとするには中途半端ではありますが、PSなしで路面から情報はダイレクトで、単純な3速ATで変速制御もドライバーの感性を逆撫でするものではなしで、純粋に道具として使うには非常に重宝する1台に思いました。

 燃費はこのATでリッター12km代、トラックMTだと16以上はいくとのことで、脚車としての資質は高いです。

 最近の乗用車は、電子アシストが増えた仕様ばかりになって、シンプルな構造をしたものが商用車に限定されがちなため、仕事車である箱バンがスポーツカーとしての資質の高さを感じさせてしまう、という情けなさは如何ともしがたいですけどね。;;


’00 ホンダ Z ターボ・スーパーエモーション UM-4 4速AT (20)


 かつて福野礼一郎氏は、このホンダZを幻の名車「VW・EA266」の生まれ変わりである、と語られたことがありました。

 このEA266は、ビートルの名で親しまれているVW・タイプⅠの後継として開発されたもので、アンダーフロアにミッドシップレイアウトでエンジンを搭載し、VW・タイプⅠと同じくポルシェ社にロイヤリティが入る計画でした。

 ところが、当時の社長だったハインツ・ノルトホフ氏が急死したことで急転、大衆車としてはコストがかかり過ぎる等として5年掛けた開発は白紙撤回され、当時のアウディ80と主要コンポーネンツを流用したエンジン横置きFFレイアウトを採る、ゴルフⅠが世に出ることとなったころで、EA266は迷宮入りとなりました。

 これとどう関連したのかは不明ですが、同様なアンダーフロアミッドシップレイアウトを採った軽自動車規格のSUVとして企画・開発され発売されたのが、ここに紹介するホンダZなのです。

 このホンダZ、軽自動車とは思えない頑丈なボディ設計で、それはまるで初代ステップワゴンを軽自動車サイズで作ったかのような、そんな印象です。

 故に車重も軽自動車らしかぬものとなり、ターボに至っては車両単体で970kgと約1t弱にも迫り、4輪駆動としたこともあり、ターボ付きでありながら出足の鈍さは否めず、オーナー曰く燃費の悪さも、脚車として使う上で大きなネックとなるクルマで終わってしまったのは残念でした・・・。

 アンダーフロアミッドシップと言えば、トヨタの天才タマゴの初代エスティマもそうで、背高なイメージとは裏腹のコーナリング性能を誇るだけに、せめて車重に見合った1L以上の排気量で2駆の普通車であったならば…と、先に紹介した福野氏も残念がっておりました・・・。

 エスティマとは反対に箱型デザインであるため、車両感覚は掴みやすく、運転姿勢は寝そべり臭いところはあるけど、高い着座位置で見晴らしがいいことからも、運転環境はかなりいい方に感じました。

 懸念してた当時のホンダ電動PSですが、タイヤの磨耗が進行してたことを差し引いて、同時期のアクティ程デッドではなく、ステアフィール面では許容範囲でした。


 今回五選ランク外となりましたが、軽四にしてはあまりにも走りが鈍重で、純粋に脚にするならばFFの低グレードバンの方が向いており、4人乗車なら超メジャーなハイト系ミニバンの方向性になるのも無理はないな、と思ったのでした…。(ホンダZは3ドアで5ドアは困難なボディなため・・・;;)
Posted at 2012/04/08 22:04:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2012年03月20日 イイね!

【プレイバック試乗記・第39号】 ハイブリッド・スポーツか?

’10 ホンダ CR-Z 1.5+モーター α 7速CVT


① 成り立ち

 市販車では世界初の、ハイブリッドスポーツカーとして、ホンダからCR-Zがデビューしました。

 何はともあれ、純粋にスポーツカーとしての仕上がりが気になるところです。


② 運転環境

 昨年発売されたインサイトと、基本コンポーネンツを共用する部分が多いと見られるCR-Zで、ステアリングコラムの低さに対して、インパネ前端・ボンネットの根本につれて高くなっていることで、ボディ先端の車両感覚が掴みにくい傾向は隠せないですが、チルトステアリングが付いたことで、昨年で生産終了したS2000のことを思うと、自由度はかなり向上したかと思います。


③ パッケージング

 スタイリングでスポーツカーに見えるデザインですが、基本的にはインサイトクーペであり、フィットクーペであると思われます。

 そのことが、この後で述べる乗り味面に現れています。


④ パワートレイン

 CVTとEPS(電動パワーステアリング)の制御に3パターンが用意されていますが、わたしを含めて走りを重視してクルマを選んできたドライバーにとっては、スポーツモード固定でも、まだ甘口なくらいです。

 これがエコモードになると、強制的に回転数を下げて燃費を稼ぐ制御になり、燃費のために走りを我慢する傾向が避けられない様子でした。

 スピードコントロール自体はしやすいパワートレインなので、その点は安心できるかと思います。

 基本的に電気モーターの使い方は、エンジンパワーに対してフォローする形となるので、あくまでもエンジンが主なところが、モーターが主なトヨタ勢と大きく違うところです。


⑤ ハンドリング

 率直に言えば、スポーツカーらしいものではないです。

 基本コンポーネンツ上、想定内ではあるのですが…。

 EPSの制御で若干ステアリングが重くなる程度で、例えばの話マツダのロードスター辺りと比較すると、かなり路面から伝わる情報量は少ない、と断言できます。

 ただ、甘口な設定な割に、路面の凹凸を拾いやすい足回りで、おそらくショックアブソーバーが安物か、サスペンション全体が安物か、ボディ剛性が十分出てないか、であろうかとは思います。


⑥ 判定

 :いらない

 車両本体で約250万円であることを考慮すると、スポーツカーとしてはマツダ・ロードスターかホンダならシビック・」タイプRを支持するところです。

 ただ、今後ハイブリッドスポーツカーとして育成するなら、まずはメーカー主催でワンメイクレースを開催する。

 そして、よりスポーツドライビングに適したタイプSか、サーキット走行を重視したタイプRを導入することを、ここに提案します。

                                          2010年02月26日 執筆

’10 ホンダ CR-Z 1.5+モーター α 6速MT 車高調・17インチ仕様


 当時のインプレが消えていたため、当時の記憶を思い出しながらのレポートになります。

 この車両は、CR-Zデビュー直後に用意されたデモカーで、MTモデルをベースに、よりスポーツドライビングに向けたサスペンションとして車高調と17インチにインチアップされたホイールに、ダンロップかどこかのスポーツタイヤを装着した仕様でした。

 固めの足を入れたことで、ノーマル比でクルマに伝わるインフォメーションは向上しましたが、電動PSその他がノーマルのままの制御だったため、ステアリングインフォメーションそのものは然程向上せず、足の硬さの方が際立った仕上がりでした・・・。

 また、当時同時に発売されてたシビック・タイプRと比較して、同じ6速MTでもギア比はCR-Zの方がロングで、シビックRのようにはクロスしていなかった、とのことでした。

 そんな訳で、全体的にはバランスが崩れた仕様だった印象で、CR-Zのスポーツカーとしての資質であまり評価できず、言葉は悪いけどハイブリッドであることを免罪符にして乗るスポーツカールック、という印象でした。


 本音を言えば、デビュー当初と同様派生スポーツモデルを投入して、入魂のホンダスポーツを復活させて欲しいと、今も願うところなのです・・・。
Posted at 2012/03/20 19:28:09 | コメント(4) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

「俺のカー・オブ・ザ・イヤー2015」 はどのクルマ!? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/12/09 06:32:24
【 ムフロンの五選 ・ 厳選6号車 ・ 2合目 】積んで積んで走って走れ!  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/21 21:45:37
五選の途中経過 ~ ドライビングプレジャーを求めて、MTロードスターvsAGSアルト♪ ~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/12 00:28:36

愛車一覧

ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
三菱 ミニキャブトラック 土屋軽市@41T (三菱 ミニキャブトラック)
 2017年6月末の、クラコンシリーズ生産終了に伴い、小型FR絶滅の危機が迫る。  そ ...
ダイハツ ムーヴ 神ってる!史上最高のムーヴ♪ (ダイハツ ムーヴ)
 WA32セフィーロワゴンに代わる、長距離用の伴侶を探してる間に、遂に出会った名車の予感 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation