今日の梅の五選
4・8

4・4

3・30

4・8

3・29
今日の圏外;;
3・30

4・8
’00 ホンダ シビック 3ドア 1.6 タイプR・X 5速MT (85)



今回の梅の五選は、偶然にも3車ともホンダ車となったわけですが、特にEK9のシビックタイプRに試乗して、改めてレーシングスピリットに富んでいた時代のホンダ車は偉大だった、とつくづく思ったものです。
そもそもタイプRは、NSXをベースにホンダがF1レースに初めて参戦したマシン「RA272」に塗られて「チャンピオンシップホワイト」をイメージカラーに、公道を走るロードカーでありながら、ノーマルのままでもサーキット走行に対応した仕様として製作されたのが最初でした。
そして、NSX・RはNAでありながら他社のターボ車勢を圧倒するサーキットラップタイムを叩き出し、国産最速のスポーツカーとして君臨することとなります。
更に、タイプRスピリッツをより低価格で多くのユーザーに提供するために、DC2ことインテグラ・タイプRを投入し、更に今回紹介するシビック・タイプRを投入することとなります。
現役当時、サーキット走行での卓越した走りは多くのメディアで語り尽くされましたが、果たして法制速度内で楽しむホットハッチとしてはどうなのか?暴走系のタイプR乗りが増えて、暴走族のイメージもついてしまっているだけに、前から気になっていたところでした・・・。
1.6Lで高回転型エンジンで180馬力を誇るエンジンを搭載しているということで、一見ピーキーで扱いにくいエンジン特性を想像しがちですが、可変バルブタイミングであるV-TECを採用したことと、峠道を想定して全体的にローギアードな設定にしたことで、思いのほか低速トルクも十分にあって、レーシングなイメージとは裏腹に、街乗りにおいても非常に扱いやすいエンジン特性であるのは意外でした。
とかくステアリング操舵力が過剰に軽いことが多いホンダ車ではありますが、さすがにサーキットを想定したタイプRだと、路面から伝わるステアリングインフォメーションは豊富で、ホットモデルらしいステアリング操舵力をも確保しているため、ステアリング初期応答性も適度なもので、クルマとの対話が非常にやりやすいハンドリング特性に感じました。
更に、ダイレクトさを優先して若干重めのクラッチで、クラッチミートが非常にやりやすく、この部分では最新の86・BRZよりも遥かに扱いやすい特性でした。
エンジン横置きFF特有のワイヤー式とは思えない、ダイレクトなシフトフィールの持ち主でもあり、とかくFR信者になりがちな当方ですら、純粋に完成度の高いスポーツカーであると、FF・FR問わず認めざるを得ないものです。
そして、最も悲しいことは、これ以降にホットハッチとしてより完成された新型車が存在しないことで、ラテン系ならばコンフォート性と高い次元で両立されたのがありますが、このタイプR程にレーシングに徹したホットモデルが消えてしまったことは非常に遺憾である、と痛切に思うわけです。
ミニバン・ハイブリッドカーメーカーになってしまった、今のホンダから突破口を見出すには針の穴に像を通す程の困難さを極めますが、社内ではタイプR・タイプSを名乗る定義を緩和させることできっかけを作るそうで、今年中には間に合わないかもしれないですが、ここ数年の間には何らかの手を打つと思うので、今後に期待です!
補足。
今回のシビックRには、純正レカロを使いつつ社外ローポジションシートレールを使用しており、純正よりも着座位置が下がっておりました。
着座位置を落として重心を下げる効果があるそうですが、元々EKシビックでは、EG系までのコンポーネンツを使いながら、実用車らしいシート背もたれを起こして高い着座位置を前提とした居住空間設計であるため、むしろ純正シートレールで元に戻したい、と思ったのが正直なところでした・・・。
’94 ホンダ アクティ バン SDX 2WD 3速AT (15)



軽とはいえ箱バンのNA・ATでドン亀なイメージに思われがちですが、発進加速では後に紹介するホンダZターボよりも良好なくらいで、今も現役であるだけあって信頼のあるE07Aのパワフルでトルクフルなエンジンの素晴らしさが秀でた形となりました。
アクティバンと言えば、今回紹介する型が未だに最後のフルキャブ式で、99年規格でセミキャブになってからの運転環境の地獄からすると、非常に使いやすくて重宝するものです。
トラックだけは辛うじてフルキャブに戻りましたが、今度は全グレード電動PS強制装備で、衝突安全に配慮してかフロントダッシュ周りの空間が増えて、キャビン後方で運転する形になった分、今回紹介する型程のフィットさには戻っていない、というのが現状です。
年式的にクラシックカーとするには中途半端ではありますが、PSなしで路面から情報はダイレクトで、単純な3速ATで変速制御もドライバーの感性を逆撫でするものではなしで、純粋に道具として使うには非常に重宝する1台に思いました。
燃費はこのATでリッター12km代、トラックMTだと16以上はいくとのことで、脚車としての資質は高いです。
最近の乗用車は、電子アシストが増えた仕様ばかりになって、シンプルな構造をしたものが商用車に限定されがちなため、仕事車である箱バンがスポーツカーとしての資質の高さを感じさせてしまう、という情けなさは如何ともしがたいですけどね。;;
’00 ホンダ Z ターボ・スーパーエモーション UM-4 4速AT (20)



かつて福野礼一郎氏は、このホンダZを幻の名車「VW・EA266」の生まれ変わりである、と語られたことがありました。
このEA266は、ビートルの名で親しまれているVW・タイプⅠの後継として開発されたもので、アンダーフロアにミッドシップレイアウトでエンジンを搭載し、VW・タイプⅠと同じくポルシェ社にロイヤリティが入る計画でした。
ところが、当時の社長だったハインツ・ノルトホフ氏が急死したことで急転、大衆車としてはコストがかかり過ぎる等として5年掛けた開発は白紙撤回され、当時のアウディ80と主要コンポーネンツを流用したエンジン横置きFFレイアウトを採る、ゴルフⅠが世に出ることとなったころで、EA266は迷宮入りとなりました。
これとどう関連したのかは不明ですが、同様なアンダーフロアミッドシップレイアウトを採った軽自動車規格のSUVとして企画・開発され発売されたのが、ここに紹介するホンダZなのです。
このホンダZ、軽自動車とは思えない頑丈なボディ設計で、それはまるで初代ステップワゴンを軽自動車サイズで作ったかのような、そんな印象です。
故に車重も軽自動車らしかぬものとなり、ターボに至っては車両単体で970kgと約1t弱にも迫り、4輪駆動としたこともあり、ターボ付きでありながら出足の鈍さは否めず、オーナー曰く燃費の悪さも、脚車として使う上で大きなネックとなるクルマで終わってしまったのは残念でした・・・。
アンダーフロアミッドシップと言えば、トヨタの天才タマゴの初代エスティマもそうで、背高なイメージとは裏腹のコーナリング性能を誇るだけに、せめて車重に見合った1L以上の排気量で2駆の普通車であったならば…と、先に紹介した福野氏も残念がっておりました・・・。
エスティマとは反対に箱型デザインであるため、車両感覚は掴みやすく、運転姿勢は寝そべり臭いところはあるけど、高い着座位置で見晴らしがいいことからも、運転環境はかなりいい方に感じました。
懸念してた当時のホンダ電動PSですが、タイヤの磨耗が進行してたことを差し引いて、同時期のアクティ程デッドではなく、ステアフィール面では許容範囲でした。
今回五選ランク外となりましたが、軽四にしてはあまりにも走りが鈍重で、純粋に脚にするならばFFの低グレードバンの方が向いており、4人乗車なら超メジャーなハイト系ミニバンの方向性になるのも無理はないな、と思ったのでした…。(ホンダZは3ドアで5ドアは困難なボディなため・・・;;)