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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2013年08月21日 イイね!

【選ぶならどっち?・第114号】 偉大なるVWタイプ1の子孫。

VS

 VWタイプ1・通称ビートルは、VW社とポルシェ社と繋がっていた商品で、戦前から長きに渡りドイツ国民に親しまれて来たけれど、1960年代後半に入ると後継車の開発が必須となっていました。

 ポルシェは、タイプ1をより運動性能重視に振ったモデルとして356を発表し、それを発展させたのが911であり、今も尚RRレイアウトを堅持しているのに対し、VW社は一時アンダーフロアミッドシップレイアウトのEA266に移行するプランを立てるも、コスト高を理由に白紙撤回となり、より低コストで実用的なFFレイアウトを採用したゴルフを発表し、今に至っている現状です。

 今回ゴルフの対抗馬として登場するケイマンは、RRではなくてミドシップ。

 マツダ・ミアータ人気に便乗する形でポルシェ社はボクスターを発売するのですが、それに乗じて911とモジュール化させることで生産コストを削減する形となり、ボクスターが2代目987に移行するや、ミッドシップでより運動性能重視のクローズドボディなケイマンを登場させ、981にFMCして今に至っているのです。


’13 VW ゴルフ 直4横1.2T TSI コンフォートライン デアエアステ ブルーモーションテクノロジー 7速DSG FF (279.0) 11.81(1240kg/105馬力)
   

 今回、新型ゴルフⅦ試乗で16インチタイヤ仕様のコンフォートラインに乗ったことで、一応一通りの仕様に乗ったことになるのですが、3グレードとも共通していたのは、ゴルフⅦとしての基本的な特性に変わりはなく、どの仕様を選んだとしてもハンドリング特性に大きな違いがなく、軽い操舵力でありながら着実にSATを伝えてインフォメーションが高いステアリング特性で、ドライバーのスキルに関係なく運転しやすい動質を備えている、ということです。

 それだけに、試乗した印象とは裏腹に、気筒休止機能が付いてレーダー機能が標準装備で、DSCが15万円程でオプション出来てしまうハイラインのお買い得感が非常に強い、という印象が強まるのですけどね。

 とは言え、ゴルフが実用車のベンチマークであることに変わりはなく、他車でゴルフを超えようと思うと、余程の技術革新が施されるか、余程のエンスージアズムを満たすかする必要がありそうです・・・。


 ポルシェ ケイマン 水平6縦3.4 ケイマンS 左H 7速PDK MR (820.0) 4.31(1400kg/325馬力)
   

 ケイマンって、所詮プアマンズ911でしょ?

 911の優位性を保つために、あえてエンジンスペックを落として、ボディ剛性面で不利なハッチバックボディとし、簡素なリアサスでストラットレイアウトを採用したモデルでしょ?

 と、ある程度達観していたケイマンですが、今回の981ボディになってからはミッドシップ専用のドアパネルが採用されたことで、ドア後方に大胆なエアダクトが付いた、よりミッドシップらしいスタイリングへと進化したことで、かつて程のかっこ悪さは影を潜め、実際に乗っててもミッドシップらしい軽やかなコーナリング特性を味わいやすい1台へと変わったことが大きな進化ではなかったのでは?と思ったのです。

 この際、ポルシェのことだから、運転環境がドラポジが・・・とは一々言わないのは、そんなのポルシェにとっては常識中の常識でクルマ作りをする上で、まず外さないポイントであるから。

 昨年、新型911カレラSに乗ってエンジンスペック過剰で楽しみきれなかったこと、そして2.9Lのボクスター右Hでエンジンのパンチ力に欠ける傾向があったことを思うと、今回のケイマンSはスポーツカーらしい迫力と、扱いやすいパワーで等身大に近い感覚であったことから、今の自分に相当合ったスポーツカーの1台ではないか?と確信したのでした。

 これがベストです・・・と断言するには、同エンジンでもスペックに違いがあることから、2.9Lのケイマンはどうか?同じ3.4Lなら911カレラはどうか?いっそのこと4駆ワイドボディのカレラ4は?という疑問に応える必要があるので避けますが・・・。

 おそらく、当方自身としては、丁度等身大よりかは、少し自分を追い込む選択をすることでしょう。

 と言うのも、ポルシェ乗って単なる成金趣味に成り下がったのでは、何ともかっこ悪いではないですか!

 トランスミッションについて触れると、もはやMTの必要性が薄いのでは?というか、大方のドライバーにとっては、むしろPDKの方が速くスムーズに走れるのでは?と思う程進化を感じました。

 普段乗りはノーマルモードで十分で、マニュアル車に乗った感覚で変速制御するので、Dレンジホールドでも全然OK!

 スポーツ+モードに入れると、7速は封印されるけれど、下手なMT以上の変速スピードを誇って、スポーツカーらしい引き締まった走りを実現してるので・・・。



 という訳で、これがカーオブザイヤーみたいな年男年女を決める企画ならば、より社会的意義の強いゴルフを選択しますが、純粋にクルマとしての面白さを言えば、スポーツカーを無視する手はない。

 むしろ、純粋にスポーツカーとして満喫することが出来る仕上がりだったことから、ケイマン支持とします!
Posted at 2013/08/21 18:48:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2012年06月22日 イイね!

【プレイバック試乗記・第45号】 半端なブロムナードカー?

’09 ポルシェ ボクスター 2.9 7速PDK


09モデルから911に引き続きPDKが採用され、2.9L(非直噴のまま)に排気量アップされたボスクター2.9PDK(左ハンドル)の試乗記です。


① どんなクルマ?

 ボクスターは、欧州市場で支持されていたマツダ・ロードスターの対抗馬として導入。

 エンジン搭載位置をミッドシップとRRで載せ換え出来るよう、モジュール設計されているのが特徴で、先代986(996)型からこの方式でラインナップされています。

② 気に入ったところ。

 ポルシェブランド共通して言えることですが、ドライビングポジションの良さや車両感覚のつかみやすさなど、運転環境が素晴らしいことです。

 クルマからの情報をソリッドに伝えてくるところは、さすがピュアスポーツカーを得意とするポルシェらしいところです。

 また水冷エンジンになって以来、高回転まで回した時の加速の伸びが素晴らしいです。

 あと今回のMCで変わったのは、エンジンの静粛性が向上したことで、スポーツカーらしいポルシェらしい鼓動は残しつつ、街乗りでの快適性を増した、そんな印象です。


③ 気になるところ。

 ただ、ブロムナードカーとしての完成度には疑問が残り、ノーマルモードを選択しても路面の凹凸を拾いやすく、Z4にコンフォート性で譲る傾向があります。

 また、所詮ボクスターはブロムナードカーで911の格下。

 これを裏付けるかのように、911比排気量が少ない分、絶対トルクが減ったことで加速時のパンチ力では敵わない傾向です。(スポーツクロノパッケージ付きでも)

 09モデル最大の目玉であるPDKですが、自動変速時の制御がビジーで911以上に露呈したところがありました。

 本来なら究極のトランスミッションであるダブルクラッチのPDKですが、あくまでもトルコン(ティプトロニック)の代わりであり、人馬一体を求めるなら、物理的な速さで劣っていてもMTを選択した方が満足できる、そんな気がしてならないです。これは911についても言えることですが…。


④ ライバルと比べて。

 ブロムナードカーとしてなら、断然Z4に分がありますね。旧型でも。

 そして、ポルシェらしい骨太さを求めるなら、やはり911。

 この部分は、今後どんなに改良されても変わらない事実でしょう。


⑤ 総論。

 最廉価な2.9LのMTをツルシ買い。

 これ以外にベストなボクスターは有り得ない、とすら思います。

 今回乗ったのはボスクターS用18インチ・スポーツクロノPが付きPASMは付かない仕様でしたが、極力インチアップはしないで、スポーツクロノとPASMはあった方がいいかな、といった按排で選択すると、現実的な物件に出会うかと…。(本当のツルシは滅多に日本に輸入されないので…。)

 判定: :イマイチ賞。素性はいいけど、合格まではあと1歩。


 正直、乗ってて重苦しく感じました。

 これでは、マツダ・ロードスターの卒業生は飛びつかない…と。

 むしろロータス・エリーゼかなぁ、飛びつくのは?

                                            2009年05月23日 執筆


 今年2012年に入って、981型にFMCされましたが、3世代連続で911とモジュール設計で、エンジン搭載位置ではミッドシップで運動性の面で優位に立つものの、リアサス簡略化とボディ剛性低下、そしてエンジンスペックの低下で、所詮911の格下であることに変わりはない、というところでテンションが上がりきらないところではありますが・・・。

 ということで、981型に試乗しても同様の印象で終わってしまうのでしょうか・・・。
Posted at 2012/06/22 17:39:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2012年05月01日 イイね!

【新車五選・第4号】 ピュアスポーツカーとブロムナードカーの狭間で…。

 ポルシェ 911 3.8 カレラS オプション付き 7速PDK (1902)


 車両本体価格                     1456  万円

 オプションリスト

 メタリックペイント(アゲートグレー)           20.8
 レザーインテリア(ブラック)               57.2
 ポルシェダイナミックコーナリングライト(PDLS)   12.4
 パークアシスト(フロント&リア)             16.6
 サンルーフ                         29.9
 電動格納ミラー                       5.3
 自動防眩ミラー                       9.7
 スポーツエギゾーストシステム             46.6
 ポルシェダイナミックシャーシコントロール(PDCC) 56.8
 スポーツクロノパッケージ                35.8
 パワーステアリングプラス                 4.7
 20インチ カレラクラシックホイール          19.0
 カラークエストホイールキャップ              3.0
 タイヤプレッシャーモニターシステム          11.4
 シートヒーター                        8.3
 シートベンチレーション                  18.7
 クルーズコントロール                    7.0
 ライトデザインパッケージ                  7.8
 フロアマット                          3.2
 エレクトロニックコントロールスポーツシート       40.0
 スポーツデザインステアリングホイール          4.7
 BOSEサウンドシステム                 25.0

 オプション合計                      446.0

 車両合計価格                     1902.0

 とにもかくにも、上記のオプションリストの多さ、そしてそれぞれの価格の桁違いな高さに驚いて欲しい。

 憧れのポルシェを911を新車で手に入れようと思うと、車両本体以外に余分に掛かるコストが非常に高く、メルセデス・BMWはかなりフレンドリーになったけれども、ポルシェ商法はあくまでもお金持ち向けであることを、つくづくを感じさせるものです。

 本ブログでは細かいオプションについての記述を避けて、極力クルマ本体の魅力について記載し、巷に氾濫している非現実的な高速域についても言及せず、あくまでも日本の法規内で走らせた印象をベースにするものとします。

 そして、今回コードナンバーを997から991へFMCされたのですが、今回最も大きな変更点はホイールベースの拡大と前後オーバーハングの短縮、そして歴代911初の電動PSが採用されたことです。

 水平対抗6気筒3.8L直噴エンジンは、997後期からのキャリオーバーながら細部の見直しでパワーアップが施され、正に「最新の911は最良の911」であることをアピールするかのような進化ぶりです。

 電動PSを採用したことで、ステアリングフィールの悪化を懸念されるところですが、そこは世界一スポーツカーとしての走りの質感を大切にしてきたポルシェブランドの、更に看板モデルでもある911に採用するだけのことはあり、少なくとも電動だからステアリングインフォメーションが…という心配は全くご無用です。

 それどころか、電動PSになったことで旧997比で確実にステアリング操舵力は軽減され、997時代にあったクルマと格闘するようなドライビングは影を潜め、あたかもメルセデスのAMGやBMWのMであるかのように、涼しい顔して操れる程のフレンドリーな操縦性へと変わっています。

 とはいえ、いくらフレンドリーなハンドリングになったからと言って、911ならではの圧倒的な動力性能であるが故に、そのポテンシャルを引き出すには、相当なスピード域で走れる道路環境が必要であり、高G領域に耐えられるドライバーのスキル・精神力が求められるのはこれまで通りです。

 よって、「スポーツカーはMT」という昔からの定説は、もはやNAで400馬力を誇るカレラSに対しては、必ずしも当てはまるものではなく、レーシングドライバー級のシフト操作スキルの持ち主でもない限り、PDKの変速制御以上に速く走らせるのは非常に困難で、911を買おうと思っていらっしゃる9割5分以上の大半のユーザーには、2ペダルのPDKがお勧めで、間違いなく速く走れて、十分に人馬一体になれるのでは…と思うわけです。

 それだけに、現状のPDKでは、まだまだ変速がマイルド過ぎる、と言う点だけが唯一の不満点なのです。

 その点に関しては、997後期時代に福野礼一郎氏もご指摘なされていることであり、その中で一つの仮説としてあったのが、PDKとは別にMTが設定されていることからPDKはATの進化型であり、MTの設定がないR35・GT-Rの2ペダルDCTはMTの進化型であることとの違いを強調し、あくまでもティプトロニックに慣れたユーザーに配慮されたものである…という内容に、非常に納得がいったものです。

 よって、最も変速速度が上がるスポーツ+モードですら、変速速度に物足りなさを残す結果となったのです。

 よって、言うまでもなくスポーツカーとしては一流の911で、運転環境云々言わなくても完成されたものであるのですが、車両価格にして5分の1程度に過ぎないトヨタ・86が、ドライビングプレジャー面でエンジンパワーが等身大であるだけで、911をも大きく上回るものであった、ということから、そろそろポルシェも小型スポーツカーを本気で開発するときが来ているのでは…と思うわけです。

 その際、911の性能は超えないという足枷がついたボクスター・ケイマンでは満たされないもので…。



 ポルシェ パナメーラ 3.0+モーター S・ハイブリッド オプション付き 8速AT (1741)


 車両本体価格                     1483 万円

 オプションリスト

 レザーインテリア+レザーシート(ブラック)      56.5
 ポルシェ・エントリー&ドライブシステム        19.3
 ボディjカラー同色塗装エアインテークグリル     12.8
 リアエプロン・ペイント仕上げ               7.8
 スポーツクロノパッケージ                14.1
 19インチ・パナメーラターボホイール          25.2
 カラークレスト ホイールセンターキャップ        2.8
 4ゾーン・エアコンディショナー              15.3
 8-way電動シート(リア)                37.6
 14-way電動シート(フロント)             25.3
 レザー仕上げダッシュボードトリムパッケージ     17.5
 BOSEサウンドシステム                 23.8
 
 車両合計価格                     1741.0

 ポルシェ初の4ドアモデルのパナメーラですが、さすがに911と比べるとエンジンパワーは控えめで等身大で操りやすいパワートレインで、その意味では911よりも扱いやすいクルマであると言え、とてもじゃないけど全長5m弱で車重2t級ボディを感じさせないものでした。

 電気モーターと兼用するハイブリッド車であるが故に、スポーツエギゾーストシステムが装着されない分スポーツサウンドは影を潜めるのですが、エンジンの魅力という部分ではVW・アウディと共同開発されたV6ではポルシェ独自のフラット6には到底適わなかったのは否めなかったです。

 ハイブリッドに関しては、SUVのカイエン同様にトルコンATであるため、変速速度はPDKよりかは落ちてるはずですが、今回試乗した限りではトルコン故の物足りなさは感じされませんでした・・・。

 パナメーラでどのグレードが?と言われても、他グレードには乗ってないので何とも言えないですが、ポルシェブランドに相応しいスポーツカーの走りを持った4ドアモデルとして、パナメーラは非常に魅力的であったことは確かです。


 今回、ポルシェから4ドアのパナメーラが出たことで新たなマーケットを築くことにも成功し、SUVのカイエンだけではカバーし得なかった不動産業者にも受けている、とのことです。

 職業柄4ドアが求められるのですが、メルセデスやBMWではありきたりで面白くない。

 何か違った選択肢で、フォーマルにも使えるクルマが欲しい…という時に、パナメーラはピッタリだったようです・・・。


 トヨタ方式に近いハイブリッド車でありながら、トヨタ車でありがちな低周波音が払拭されて、より快適になっていることも追記したいと思います。

 更に追記事項として、911にも言えるのですが、2ペダル仕様の場合、少なくともパドルシフトとセットで付くスポーツデザインステアリングホイールのオプションは不可欠です。

 というのも、997後期初期のスイッチ式シフトは、操作に癖があってミスしやすい代物だったので…。
Posted at 2012/05/01 21:22:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2011年11月03日 イイね!

【試乗五選・第79号】 ソフトマシーンな911^^

 今日の五選
      (3)                 
10・3010・1610・2710・1611・3

 今日の圏外;w;

11・310・511・3 

 今日のハイライト

 本日は3台の試乗で、いずれもトルコンAT車でした。

 その中でも、中古ポルシェを取り上げるのは本邦初です。

 今回はいずれの3車も素晴らしい出来で、特にモデルサイクルが8年にもなりながら、未だに古臭さを感じさせず、尚且つ下手な最新型よりも走りの質感の高さを誇るハリアーは大金星です!

 先日に引き続きMCされたオデッセイに乗りましたが、本家アブソルートと亜流Mエアロとは雲泥の差でした。^^

 今回、旧車のミニカをランク外に落としましたが、明日で1ヶ月ランキングインを守りきるところでしたので、本邦最長のランキング期間を達成した意味で、殿堂入りではないですが努力賞に匹敵する快挙でした。^^


’01 ポルシェ 911 カレラ2クーペ ティプトロニック 5速AT (205)


 歴代ポルシェ911において、初めての水冷フラット6を搭載し、マツダ・ミアータ市場への参入を狙ったボクスター(後にクーペも追加されケイマンも)とモジュール設計になった最初の世代のタイプ996で、しかも3.4Lの前期でトルコンATのティプトロという、911内では不人気の要素が揃ったような物件でした。

 Fウィンカーがクリアになっているのも、少しでも外観に高級感を打ち出すための定番後期仕様故です。

 端的に言えば、911中最も軟派な911であり、実際に試乗してみても下手な他メーカーのサルーンよりもソフトな脚で、911だからと言って特別身構える必要がなく、普通のクルマのように操れるところは、本格的なサーキット走行には興味ないけど、911の形をしたクルマには乗りたい、というどちらかと言えばブランド志向な方には最適な仕様と言えます。

 今回試乗五選で、スポーツカーの王者でありながら5位に留まったのは、10年落ちの経年変化が際立ったことであり、ボディ本体かサスペンション回りかは不明ですが、少し凹凸の大きな路面を超えた際に剛性感を感じ取ることがあまりなかったからです。

 90年代のナビ誌で、ポルシェ社がトヨタのセルシオをテスト車両に持ち込んで、このクルマのコンフォート性を目標にしているみたいなコメントを、ニュルブルクリンクでされてたのが記事になっているのを思い出して、今回乗った996初期型は正にその影響を受けて設計されたのかなと、今になって思うところです。

 こう書くと、何だか酷い911のように聞こえるかもしれないですが、トルコンATを使っての質の高い動質はさすがポルシェであり、名ばかりではない本物の911なのです。

 日本車などでありがちなのが、ハイパワーAT車の場合トルコンがルーズであることに加えて、エンジンブレーキの効きが極限に弱いので、アクセルを抜いても減速せずに空走感が続いて、スピードコントロールがしにくくなり、その特性にドライバーが慣れると次第にドライビングが雑になる、という悪循環を招くことです。

 それに対し、トルコンATの限界を知った上で最良のパワートレインに仕上げるために、あくまでもドライバーの感性を重視したシフトスケジュールを組み立て作られているため、MT派でも納得いくパワートレインに仕上がっているのであり、それにより比較的低いスピード域で走らせるが退屈ではなく、飛ばさなくても十分にドライビングが楽しめるクルマに仕上がっているということです。

 更に、ハンドリングもスポーツカーメーカーであるポルシェの名に相応しいものであり、ドライバーの感覚でステアリングを切った角度を把握しやすいように、SATが明確に感じ取れる特性に仕上がっているのです。言い換えれば、ステアリングを切る角度が増すごとにリニアに操舵力が増すことで、ドライバーに豊富なステアリングインフォメーションとして伝わるわけです。

 結果的に、スポーツカーとしてはソフトな脚だけど、下手な低価格車よりも車両感覚が掴みやすくて、スピード管理がしやすいため、普段乗りでも十分楽に使える、そんな便利な911であることが判明しました。

 後にタイプ997後期でツインクラッチのPDKが採用され、理論的にはトルコンATとは比較にならないシフトスピードの速さとショックレスを両立させられるはずですが、現実にはトルコンATから乗り換えても違和感がないように配慮されているため、ことさらティプトロニックを過去の遺物として敬遠することもないかな、と思っております。

 それに、PDKになってからのスイッチシフトはティプトロ時代のそれ以上に、非常に使いにくくて操作慣れを必要とする代物ですから…。;w;
Posted at 2011/11/03 18:36:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2011年06月23日 イイね!

【プレイバック試乗記・第3号】 ポルシェ・ケイマン!

’08 ポルシェ ケイマン 2.7 右ハンドル ティプトロニック(5速AT)



 等身大のエンジンパワーを持った、ミッドシップクーペのポルシェ、と言えるでしょう。

 PASMは未装着で、タイヤも標準の17インチ仕様といった、ツルシに近い状態です。

 はっきりいって、私の試乗記で付けられる最高の評価です。

 というのも普段の街乗りにおいて、非常に乗りやすくてスポーツカーとしての資質も最高だからなのです。

 巷にある日本製コンパクトや軽以上に運転しやすく、トルコンであることから多くのドライバーに勧めたい1台、と言えます。

 しかも、トルコン嫌いも納得の出来で、パワートレインやハンドリングに注文つけるところが見当たらない、といっても過言ではないですね。

 ただ、そこはスポーツカーメーカーのポルシェ製。

 新車のクラウンが買える価格で、2人乗りでほとんど荷物は詰めず、ピュアスポーツカーなのでステアリングは重く、エンジン音は勇ましく、右ハンだとペダルが左にオフセットされる、といった部分を理解した上で、接する必要はありますね。

 その点、Z4だともう少し敷居が低いし、SLKだと乗用車感覚で2シーターオープンと接することが出来るに違いない、でしょう。 (加筆:Z4は扱いやすいけどスポーツカーらしさは確保しているのに対し、SLK特に200は、オープンスポーツカーの外観に似合わない鈍足でした…。)

 (2011年の今も)試乗出来ていないですが、最も価格の安いボクスターの2.7MTが、最も軽快でかつポルシェらしいポルシェかな、と思ってます。

                                             2008-03-12加筆訂正あり
Posted at 2011/06/23 17:43:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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「俺のカー・オブ・ザ・イヤー2015」 はどのクルマ!? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/12/09 06:32:24
【 ムフロンの五選 ・ 厳選6号車 ・ 2合目 】積んで積んで走って走れ!  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/21 21:45:37
五選の途中経過 ~ ドライビングプレジャーを求めて、MTロードスターvsAGSアルト♪ ~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/12 00:28:36

愛車一覧

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絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
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