• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年12月19日 イイね!

【試乗五選・第123号】 そこに、わたし(A.イシゴニス)はいません・・・。

 ホンダ Nボックス カスタムG・Lパッケージ FF CVT (155)


 発売前、高い着座位置で設計された外観写真から、実用車としてのパッケージングへの期待が大きかったNボックスでしたが、いざ現車をチェックし試乗していくうちに、みるみる評価が下がる結果となり、前言撤回することとなったことを陳謝します。><

 と、期待はずれだったNボックスですが、何が期待はずれだったのか、を詳しく説明します。


 まず、エンジンコンパートメントとバルクヘッドについてですが、一見ノーズが短くなったのかと思いきや、内装をチェックするとダッシュボードが助手席エアバック要件か比較的厚めで、しかもバルクヘッドも然程前進させた形跡はなく、その証拠にペダルレイアウトが右ハンドルで右寄りであることで、タントやパレットでも同様な努力はしているという程度に過ぎなかったということが、まず1点です。

 ただ、フィットで定評のセンタータンクレイアウトによって前席着座位置が高くなったことは大きなアドバンテージで、タントやパレット以上に車両感覚がつかみ易い運転環境になっている、という部分は大きく評価できるところです。

 ところが、タンクスペースがなくなったことで後席周りの床が低くフラットになったのは素晴らしいとしても、追突時の安全性を考慮すると奨励するのが困難な程後方に固定された後席に対しては問題視するところであります。

 そこの部分ではスライド機能で前進させることが出来るタントやパレットに軍配が上がるところですが、ダイハツもスズキも後席スライドを後ろいっぱいで使うことを奨励しているようなカタログ戦略や営業・販売スタイルが目立つことを考慮すると、大した利点にもなってないような気も…。


 これで、せっかくの新開発のエンジン+CVTで普通に走ればいいものの、結果的にはガソリンのフィットで感じたCVTの不自然さをそのまま引き継いだ代物で、エンジン回転が高いまま加速していく、言わば変速過多なCVTであったこと、そして音振面で現状でダイハツ勢に負けていることで、ここでも期待はずれな仕上がりでした。

 「走らない軽は、作りたくない」

 やはり、「ない」で始めて開発してしまったのでは、やっぱり「ない」んですね。><

 車両本体1tに迫る車重を感じさせる、そんな動力性能でした…。

 「走る軽を、作る」

 ここから、開発を出発することがどれだけ大切か、思い知らされたNボックスの走りでした…。



 今後、ホンダではNシリーズで新世代軽四を展開することで、現状のNボックスベースでもホビオ方面に向けた派生車種で後席環境を見直してラゲッジスペースを広げれば勝機はあるし、更にミライース対抗の低燃費仕様をN360リバイバルデザインで実現したら、非常に面白いクルマになることが期待できるので、まだまだ望みは捨てたものじゃない、と思うのです。
Posted at 2011/12/19 18:07:39 | コメント(3) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2011年11月30日 イイね!

【試乗五選・第103号】 それで、何がしたいの?

今日の五選
      (13)      
11・2011・2211・1311・2611・20

 今日の圏外;;

11・30

 ホンダ CR-V 24G AWD 5速AT (275)


 それで、何がしたいの?

 そう言いたくなるほど、今度のCR-Vでホンダとして、どんなユーザーをターゲットにして、どんなSUVとして、どんなカーライフを提案していくのか、が全くと言っていいほど見えてこない、そんな第一印象を、発売前のプレカタログで明かされた全貌を見て、最初に感じたことです。

 ただ見えたのは、ルーティンとしてのFMCであり、昨今のダウンサイジングトレンドに配慮して、2L・FFモデルを設定したこと、国内での販売台数をあまり見込んでなくて、故にグレード数が今回試乗した2.4L・AWDとの2グレードに集約されたこと、でした。

 それでも、現車を見て少しでも改良ポイントが見つかればいいものの、試乗する機会に恵まれなかった先代のショールームでの感想として、Fシート座面の平板さが気になってたのですが、そこの部分の改良の跡が、この新型で見受けられなかったのです。

 同セグメントには、発売から8年が過ぎた今も根強い人気のハリアーがいますが、見た目の華やかさ・高級感で最新型のCR-Vは既に負けており、内装色も黒一色で魅力を感じるものには思えませんでした。

 せめて、これでも走りの質感が高ければまだいいのですが、基本的にオデッセイと同じK24Aのレギュラーガソリン仕様のエンジンに5速ATとの組み合わせで旧型と同一で、オデッセイで感じたエンジンの速さが然程心地よく感じるものではなく、どこか急かされた印象の回り方は同一なのはまだ許せるとして、卸したての新車とは思えない脚のバタツキを感じたときには、本当に新型CR-Vのどこを褒めたらいいのか、と悩んだくらいです…。

 という訳で、第一印象を覆すことなく、褒めるポイントも見つけられないままの試乗となりましたが、これでもせめてホンダサポーターで応援して、北米仕様に見立てたUSDMで盛り上げるなりして、アンチハリアーなところをアピールして、新たなドレスアップ物件にでもなれば…と願っております。





 という訳で、ホンダの本命の新型車・Nボックスが今日発表され、ページ数の少ないカタログに、このクルマに掛ける熱い思いが伝わり、特に「Hondaは、「走らない軽」をつくりたくない。」というフレーズに、ホンダスピリッツ復活を感じさせるものです。

 カタログにも、パッケージングについて事細かに紹介されており、こうしたことからタント・パレットの3番煎じでは断じてない、ことが言えます。

 現車が現れるのはこの12月中旬とのことで、後は普通に走ることさえ確認できれば、いよいよカービューオブザイヤーへ一票を投じることになる予感で、今から楽しみにしているのです。
Posted at 2011/11/30 18:41:52 | コメント(1) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2011年11月26日 イイね!

【試乗五選・第99号】 ホンダ技研創立50周年の功績。

 今日の五選
      (9)      
11・2011・2211・1311・2611・20

 今日の圏外;;

11・2011・26

 (今日のハイライト)

 ホンダS2000は、強烈なインパクトがありました。

 やはり、ホンダの技術が活かされた本格スポーツカーは違う、と確信しました。

 比べられたアクセラ君が、可哀相でした。;;(ランクインするには、他がエンスー濃度が濃すぎて…。)

 試乗五選ランキングにあたり、首位奪回も検討したのですが、単純に良いクルマを選ぶ趣旨ではなく、ドライバーの技術や感性を引き出すこと、絶対スピードに依存しないクルマの楽しさを求めることを念頭に置いて、2台に英国車とウインドの次点とさせていただきました。

 S2000の場合、正直パワー過剰な面があって、街乗り中心ではエンジンのポテンシャルを使いきれない部分があるためです。^^

 そして、良いクルマだけどランク外となったのがV350。エンスー濃度の濃さに負けただけで、クルマそのものは相変わらずお勧め物件です!

’00 ホンダ S2000 ベースグレード 6速MT (99.9)


 NAで圧倒的な高回転の伸びやエンジンパワーを誇る、ホンダV-TECをFRで走らせたい…。

 1989年にデビューしたインテグラで、世界で初めて可変バルブタイミング方式を採用することで、レーシングカー並みに高回転まで回るエンジンでありながら、低速用と高速用のカムを切り替えることで、低速域でのトルクと両立を可能にした技術が導入されました。

 後に、当時の走り屋に人気だったグランドシビックやサイバーCR-Xにも転用され、バブル時代の象徴とも言えるフラッグシップスポーツカーとしてNSXにも活かされ、正に日本のスポーツカーエンジンの最先端を行くものでした。

 そんな高い技術を誇ったエンジンを、人間の感性に最もマッチしたFRで走らせてみたい…。

 クルマを愛する者ならば、誰しもが思うもの。

 それを実現させたのが、本田技研工業株式会社創立50周年を記念してデビューした、ホンダS2000だったわけです。

 NA直4・2Lで9000回転までを可能にした、世界に例を見ない高回転型エンジンでありながら、通常の街乗り走行も可能なフレキシブルさを兼ねたもので、レスポンスにも優れた特性を活かすためにトランスミッションは6速MTのみとし、生産終了する2009年まで一度も2ペダルを設定することなく、一貫して貫き通した、日本車では最後の硬派スポーツカーだったのです。

 2ペダルを設定しなかったことが、スポーツカーにとって大きなプラス要因になったのは、エンジンマウント設計でAT車を前提にする必然性がなく、シフトショック軽減に余分に気を使う必要がなくなり、結果的にクラッチミートがしやすい特性に仕上がるので、初めての愛車として積極的なドライビングを求めてMTを選択する際に、下手な軽四コンパクトカーよりも扱いやすいくらいなのです。

 それが、今回の物件に試乗して始めに感じたことだったのですが、11年落ちとは思えない脚のしなやかさで、ドライバーに優しい乗り味であったのは、良い意味で想定外でした。

 ドライビングポジション面で、純正シートの着座位置が相対的に高めなのが気になった以外は、シートスライドとリクライニング以外に調節機能を持たない(ステアリングに至っては、テレスコどころかチルトすらしない。)割にまとまった運転環境であり、そこはさすがスポーツカー、といったところです。

 そして、今回の11年落ち物件でも9000回転まで回す楽しみは十分に満喫でき、中途半端にハイパワー化大型化したユーノス又はマツダ・ロードスター(1.6L以外)を選択するならば、このS2000を勧めたいくらいに思ったのです。

 今や、シビック・タイプRユーロだけに事実上なっらホンダスポーツカーの新車ですが、いつまでもミニバンやエコカーだけのメーカーで終るとは思ってはいません。

 必ず、2010年代を代表するスポーツカーは生まれる。そう確信しています。
Posted at 2011/11/26 18:57:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2011年11月05日 イイね!

【試乗五選・第81号】 ミニバン界のツアラーV!

ホンダ オデッセイ アブソルート FF 5速AT (292)


 所帯持ちで2ドアクーペには乗れず、それでも走りを忘れたくない、そんな大人たちが向かう先は、今ではオデッセイであり、その中でも走りに大きく振ったアブソルートであることは、間違いないところです。

 20世紀末であれば、4ドアセダンがその役目を果たしていたのですが、初代オデッセイや初代ワゴンRがデビューして一定のマーケットを形成した後は、日本のファミリーカーの主流がセダンからミニバンに移行し、そんなミニバン慣れした家族の共感を得た上で走りのクルマを求めていった結果が、正にオデッセイのアブソルートであり、3代目以降の全高1550mmの立体駐車上対応サイズとなったのです。

 そして今回のMCで、流行りの?エコカー減税対応を意識して、通常のレギュラーガソリン+CVTでアブソルートにそっくりなMエアロパッケージにアブソルートと同じデザインの18インチアルミがオプション設定された仕様が出たわけです。

 その仕様に前回試乗して、アブソルートとは異なる柔らかめの脚と18インチタイヤとの相性が悪く、荒れた路面でのピッチングが目立つ傾向にあり、ソフトで締まりがない脚との組み合わせでルーズなCVTで急かされた乗り味に終始していたのです。

 それに対し、本物の(笑)アブソルートは18インチに見合った引き締まった脚との組み合わせで、荒れた路面でもしなやかに吸収する優れものです。

 しかも先にMエアロに18インチタイヤのオプションを装着すると、アブソルートとの価格差は微小であることから、尚更オデッセイにするなら本物のアブソルートを選択した方が賢明に思えるのです。(例え、ガソリン単価の高いハイオク指定であっても!)

 ただ急かされる乗り味な傾向はアブソルートも同様であり、その部分は歴代4発ホンダ車の宿命の部分でもあるのですけどね…。
Posted at 2011/11/05 13:36:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ
2011年10月31日 イイね!

【試乗五選・第77号】 ホンダスピリッツ復活への序章。

 今年末に新型軽自動車が、ダイハツ・タントやスズキ・パレットの対抗馬として、全高1.7m強の両側スライドドアを装備してデビューするわけですが、これが久々にホンダスピリッツを感じさせるものになりそうな予感です。

 というのも、スクープ写真が公開されて、フィットで定評あるセンター燃料タンクレイアウトを採用し、ハイト系に相応しい運転席着座位置の高さを誇り、それに合わせてステアリングコラム位置も高めに設定され、後席もフィットで定評ある座面跳ね上げ式で植木鉢などの長尺ものを立てらせて収納しやすい荷室にもなる設計で、それは正に初代オデッセイで日本にミニバンを定着させ、初代ステップワゴンで室内効率の良さを見せつけて以来の快挙ではないか、と今から楽しみなのです。

 後は、ハンドリングがナチュラルでありさえすれば、相当出来のいい軽四になるところですが…。

 そんな希望が見えてきたホンダに、続々とニューモデルが登場し、今回紹介するフリードハイブリッドとMCされたオデッセイがそれに相当します。


ホンダ フリード ハイブリッド・ジャストセレクション Lパッケージ 6人乗り CVT (276.3)


 これまでのガソリンエンジン車と同様の1.5Lエンジンをベースに、電気モーターで補助する方式のハイブリッド搭載で、動力性能面で不足を感じさせることなく、ガソリン車比で確実にパワー・トルクアップして、走りに余裕を感じさせる程でした。

 ハイブリッドシステムも自然な制御で、ガソリンエンジンと電気モーターとの繋がりが滑らかで、また全体的に軽めの操舵力だけど、電動PSの制御も滑らかであり、特にクルマへのこだわりがない方ならば、これと言った不満がないくらいの出来具合でした。

 だからこそ、エンスーな筆者は車両感覚が掴みやすいインパネ形状にし、ステアリングコラムをもっと高めにして、高い着座位置でドライビングする前提で、内外装のデザインをしてくれたらどんなに素晴らしいクルマになるか…と、悔やまれるところなのです。

 脚のしなやかさも相当なもので、より車格の大きい後述するオデッセイと比較しても優位にあるもので、ベースとなったフィット同様スポーツサスを意識しなければ、かなり走りの質感は高いだけに、惜しいところなのです。

 せめて、今度出る新型軽四「Nボックス」がフリードを超える全高で販売台数を稼いで、2代目フリードがNボックスを彷彿とさせるデザインで一新されれば、相当魅力的になるところなのですけどね。^^;


ホンダ オデッセイ Mエアロパッケージ 18インチ仕様 FF 6速?CVT (317.6)


 簡単に説明すれば、レギュラーガソリンでアブソルートに似た雰囲気のクルマです!

 というのも、エアロ付きでオプションの18インチアルミが装着され、そのアルミのデザインがアブソルートと共通なのです。

 エコカーブームの裏側で販売不振なオデッセイへのカンフル剤として投入された仕様ですが、実際のところ本物のアブソルートとの価格差が然程なく、それならばハイオクガソリン仕様だろうが何だろうが、本物にした方が余程お得なのでは…と思うものでした。

 実際に試乗しても、確かに外観はアブソルートそっくりですが、中身はファミリー志向の脚そのもので、柔らかめで締まりがない脚のまま18インチにインチアップしたために、荒れた路面での凹凸を拾いやすい傾向にあり、標準の16インチなら好転するでしょうが、わざわざカッコ悪い組み合わせにすることも…と思うものでした。

 先述のフリードにも傾向はありましたが、少しアクセルを踏んだだけでグワっと加速する動質で、丁寧に確実にスピード管理しながらドライビングしにくいクルマな印象でした。

 先代から継承された全高1.55mの立体駐車場対応パッケージングも、腰下が初代以来抜本的には変わっていないため、屋根だけ低くしたレイアウトとなり、それが結果的に車両感覚の掴みにくさに繋がっている、そんなところに先代からのオデッセイの根本的な問題点がある、そんな気がしてならないのです。



 Nボックスへの大きな期待とは裏腹の酷評になりましたが、この11月に予定されている4代目CR-Vも、正直厳しいところです。

 というのも、FFのみ2Lにダウンサイジングされて幾分か国内市場に配慮したところは見受けられるのですが、基本的な骨格は北米向けな現行型継承臭いだし、第一初代のカジュアル志向に戻りたいのか、又はホンダのハリアーになりたいのか、目指す方向性が曖昧な、そんな船出になりそうな予感なのです。(´;ω;`)
Posted at 2011/10/31 18:13:06 | コメント(1) | トラックバック(0) | ホンダ | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

「俺のカー・オブ・ザ・イヤー2015」 はどのクルマ!? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/12/09 06:32:24
【 ムフロンの五選 ・ 厳選6号車 ・ 2合目 】積んで積んで走って走れ!  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/21 21:45:37
五選の途中経過 ~ ドライビングプレジャーを求めて、MTロードスターvsAGSアルト♪ ~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/12 00:28:36

愛車一覧

ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
三菱 ミニキャブトラック 土屋軽市@41T (三菱 ミニキャブトラック)
 2017年6月末の、クラコンシリーズ生産終了に伴い、小型FR絶滅の危機が迫る。  そ ...
ダイハツ ムーヴ 神ってる!史上最高のムーヴ♪ (ダイハツ ムーヴ)
 WA32セフィーロワゴンに代わる、長距離用の伴侶を探してる間に、遂に出会った名車の予感 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation