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今回の中古・新車異色対決の趣旨は、中古セドリックバンが小型車枠いっぱいの全長4690mm×全幅1690mm×全高1525mmであるのに対し、新型ゴルフⅦは全長4230mm×全幅1800mm×全高1460mm。
圧倒的にセドリックが長く、ゴルフが幅広いという寸法で、真に小型車と呼べるのはどっちだ?という対決です!
’96 日産 セドリック・バン V6縦2.0 V20E デラックス 4速AT FR (28.8) 12.09(1390kg/115馬力)
これまで、2.8ディーゼルのY30とL20ターボ換装の430でセドリックワゴンに乗ったことがありますが、430の方は圧倒的にレスポンス鈍くて非力なので然程きにならなかったものの、ある程度のパワー・トルクを得ているY30系の場合、明らかに全幅が狭いが故のコーナリング時の踏ん張りの弱さを感じていたのです。
それは、今回のガソリンVG20でより明らかになったのですが、これ何も攻めるような走りをして、の話じゃなくて、極普通に乗ってて感じることで、昭和末期なら「コーナーを攻めるクルマではない」で言い訳していたでしょうが、小型車枠で極端に税金が変わる時代が終焉した今となっては、せめて現行F30の3シリーズくらいの幅があれば・・・と思わずにはいられなかったです・・・。
言わば、Y30のワゴン・バンは商用車ありきなもので、リアサスは平成世代とは思えない板バネのリーフ式で、500kgの最大積載量を誇るだけに、サスペンションの接地性云々言えば乗用車レベル・・・とは言いがたい部分があり、正直高級車としてのコンフォート性は持ち合わせてはいないのですが、ボールナット式のステアリングは、ほぼ同年式でありながら遥かに先進的な150系クラウンのラック&ピニオンのそれと比べても正確性に富んだものであり、正に「この瞬間が日産車だね・・・」。
ちょっとわかりにくかったのが、VG20Eに搭載される「スーパートルコン」で、一見ODスイッチかに思えるけれど、実はこれがパワー・エコノミーモード切替ボタンとのことで、4速ATであることに間違いないけれど、Dレンジ時パワーモードで1~3速までの変速、エコノミーモードで1~4速の変速だったのかな?と。
この個体、元々JRが使用していたようで、セカンドオーナー以降でボディに木目パネルが張られたのだとか・・・。
エンジンルームがあまり綺麗じゃなくて、ATの変速がワンテンポ遅れることが時々あるため、極上中古とまでは言い切れなかった・・・という部分はありましたが、こうしたシンプルなFRセダンを葬ってしまった今の日本のクルマ作りに対しては、何らかの形でアンチテーゼを示したい・・・。
86&BRZのような速いFRじゃなくて、むしろ動きが鈍臭いくらいにゆっくりしたセダンを求めるFR信者ことが、かなりディープなエンスーだと思うのです・・・。
VW ゴルフ 直4横1.2T TSI トレンドライン ブルーモーションテクノロジー 7速DSG FF (249.0) 11.81(1240kg/105馬力)
ⅥからⅦになっても、相変わらずゴルフ・トレンドラインは実用車のベンチマーク足りえる高い資質を持ったクルマである、と言えますね。^^
それと言うのも、これもし日本の小型車枠にこだわってしまうと、まるでポロをストレッチしたような外観になってしまい、果たしてコンフォート性とコーナリング性能とを高い次元で両立させることが出来たのか?
どちらかを選択して、どちらかを割り切るトレードオフの関係にはならなかったのか?と常々思うわけで、輸出メインという生産そのものに疑問はあるけれど、国際的なマーケットに合わせたクルマ作りを日本の自動車メーカーがするようになった、という意味でアクセラ・インプレッサなどを生み出した功績は評価したい・・・。
では、今度のトレンドラインはどうなのよ?というのが一番気になるところでしょうが、ⅥからⅦになってステアリング操舵力を軽減して、より幅広いユーザー層に支持されやすいステアリング特性になった、というのはハイライン譲りで、他の装備は簡略されど上質なタッチの革巻きステアリングは健在で、ここに廉価仕様を買われるお客様をも大切にする姿勢が見える・・・。
更に、パッケージング面で特にシート形状を見直して、前後席ともシート座面角が適正になった、という部分もハイライン譲り。
では、今度もトレンドラインがベストゴルフ足りえるか?と言われると、今度ばかりはそうとは言いがたく、明らかにハイラインの商品性向上に力を入れた傾向が強く、どうしても予算的な理由で・・・というのがない限りハイラインを推奨したい。
と言うのが、ステアリングインフォメーションの面ですらハイライン優勢で、かつステアリング初期応答特性も良いから。
そして、約200cc多い排気量も気筒休止機能がついて、エンジンレスポンス面で不自然さが皆無で、少しでも高速走行を念頭に入れるならば、燃費面で1.2Lに引けをとらないポテンシャルを持っているから。
更に、例のレーダー機能についても前車の追従機能が非常に優れてて、ハイラインだったら標準で付くのに対し、他グレードでオプションすることを考慮すると、価格面での差が小さくなるため、尚更ハイラインのお買い得感が際立つから。
よって、今回のトレンドラインはベストチョイスとは言いがたいけれど、ゴルフⅦのポテンシャルの高さを十分に発揮している、ということで今回の異色対決は
ゴルフ支持とします!
Posted at 2013/07/27 23:35:29 | |
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