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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年08月23日 イイね!

【試乗五選・第29号】 スンスン前夜^^

 今回紹介する2台のマツダ車は、全て2002年に初代アテンザがデビューし、zoomzoomのキャッチコピーが用いられる直前の世代であり、バブル崩壊後の不況を一手に背負ってきたモデルです。

 苦境の中開発されたことで、新車当時あまり高い評価を受けることがなく、中古車市場ではいずれも不人気車街道まっしぐらではあるのですが、そんな中から一寸の光の如く、それぞれの魅力に迫っていきたいと思います。


’00 マツダ カペラ ワゴン 2000 SX 2WD 4速AT(アクティブマチック)(15)


 アテンザのご先祖にあたる車種で、当時のステーションワゴンブームに乗ってスポーティーな装いをしながらも、居住空間を稼ぐために全高を高くして、既存の基本コンポーネンツを使いながら、実用性を高めて行った、最後のカペラになります。

 特に後期での質感アップは著しく、ステアリング形状を変更し、ファミリアSワゴンのスポルト同様のティプトロ型ATのアクティブマチックを採用し、よりスポーツドライビングに適した操作ロジックを持ったトランスミッションとして進化しています。

 新車デビューから10年が過ぎた今となっては、弄り壊された改造レガシィやらが蔓延する中、いぶし銀のスポーツワゴンとして、地味ながら魅力を感じていたのが、このカペラワゴンだった、ということです。

 実際に試乗して思ったのは、走行が10万kmにも満たしていないにも関わらず、エンジンから伝わる振動が大きく、希薄燃焼のDバーンだったことも影響しているかもしれないですが、一般ユーザーから「やっぱりトヨタ車とは耐久性が違いな」と思われかねない部分に思いました。

 ただ、走りはさすがにマツダ車らしくどっしりと骨太なものであり、その辺りは今月上旬に紹介したビスタアルデオと比較しても顕著なところです。

 運転環境もこれなら問題なしで、低く寝そべった姿勢を強いられて電動PSの不自然さと付き合わされるCF系アコードよりも、(主要コンポーネンツの新しさに大差があっても)高く評価するところです。

 全幅1.8m級になってしまった現行型アテンザのことを思うと、非常にコンパクトに思うサイズではありましたが、現行アテンザが10年以上経ってこの状態なら…と思うと、ちょっと心配なところではあります…。

 後席環境ですが、絶対的な広さは十分以上で足元も広く、前席よりも着座位置が高いのでその点は合格ですが、背もたれが気持ち寝かせ気味なのが減点ポイントといったところです。

 安くて走りのいい中古車が欲しい。

 そんな方に、このカペラワゴン(セダンも)も選択肢の1つに入れてもいいのでは…と思いました。(ロードスター・RXー7は、程度の荒れた物件が多く、市場価格も高いので、選ぶ際には注意が必要です。)


’97 マツダ センティア 3000 ロイヤルクラシック 4WS 4速AT(18)


 次に紹介するのは、2代目センティア後期の最終になります。

 初代では、バブル絶頂期の開発だったこともありジャガーをモチーフにした大胆なデザインで、当時のセルシオ級のサイズで堂々たるものでしたが、例の5チャンネル戦略の無理が祟ったのか、高級車に相応しい質感を備えていたかどうか微妙なところでした…。

 そして、2代目では法人ユーザーに配慮してクラウンみたいな、よくいえば落ち着いた悪く言えば面白みのない無難なデザインにはなってしまったものの、後席着座姿勢や内外装の質感を見直すことで、何とか高級車らしくなった、といったところです。

 最終のルーチェが「広島ベンツ」ならば、このセンティアは「広島クラウン」でしょうか。

 基本的にロールーフパッケージングなセダンであり、シートクッションの厚みが取りにくいのですが、それを差し引いても既にコシを失って、底づきしてて経たり気味な運転席シートは減点ポイントです。

 実際に試乗してみても、初代MPVの方がスポーティに感じるくらいクラウンチックなもので、基本的なステアリングタッチはソフトで足回りは緩々、トルコンもエンジンブレーキの効きが弱いルーズな典型的日本車そのものです。

 ですが、評論家筋では不自然で不評だった4WSの効果か、コーナリング時にヨーイングの発生が大きく、サイズの割には小気味よく走るところが垣間見えました。

 前回で紹介したE30と比較してしまうと、スポーツFRサルーンとしては勝ち目ないセンティアではありますが、クラウンやセドグロのオルタナティブとして、又は粗悪なセブンやロードスターよりみ魅力を感じたならば、選択しても面白い1台ではあるな、と思いました。

 出来ることならば、くれぐれもローダウンサスやインチアップタイヤで、カネつぎ込んでクルマ壊すようなことのないように願うばかりです…。(泣
Posted at 2011/08/23 19:17:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ
2011年08月11日 イイね!

【試乗五選・第21号】 スカイアクティブの影で・・・。

 今日の五選
8・78・58・78・78・11

 今日の圏外;w;
8・7

マツダ デミオ スポルト 7速CVT(162.2)


 先月デビュー直後に、新型デミオの目玉であるスカイアクティブに試乗したのですが、デミオ自体の素性の良さは見えたものの、低燃費を意識しすぎたせいか、発進時に加速の鈍さを感じ、走りを求めるには物足りない印象が強かったです。

 故に、走りを我慢して得る低燃費車のイメージから払拭されず、デミオから選択するとなると、むしろ通常の1.5Lを積んだ15Cをお勧めしたいと思ったくらいです。

 ところが、今回のMCで15Cは受注生産扱いとなり、事実上1.5Lはスポルトのみというラインナップになりました。

 MC前の印象では、ステアリング初期応答性が過敏であった印象のスポルトですが、今回MC後で改めて試乗してみると、フィット・ヴィッツ両RSにはない脚のしなやかさが印象的であり、基本的にクイックなのは変わりないけど、ドライバーの操作と動きとの位相ずれがかなり解消されて、それほどハンドリングに違和感を感じない程度になりました。

 今回のMCで、全グレードに後席中央3点式シートベルト・ヘッドレストが装着されたことと、オプションではあるけどスポルトに横滑り防止装置が設定されるようになって、幾分か安全装備面の進化が見られております。

 マツダ車では一貫してですが、奥のパドルでシフトアップ・手前のスイッチでシフトダウンのロジックは使いにくく、またデミオの場合フロアでマニュアル操作機能がついてないことから、パドルシフトそのものの使い勝手がいいとは言い難く、瞬間でシフトダウンしたい場面で操作が遅れがちなところが、要改良部分です。

 テレスコピック機能がつかないステアリングではありますが、トヨタ車ほど極端にステアリングコラムが低くないため、十分な運転環境は確保できてます。



 総じて、日本製Bセグメントカーとしてはお勧めできる物件ではあるのですが、FR信仰を覆すほどの走りのインパクトではなかったため、五選ランク3位に留まりました。

 そして今回、デュアリスとランク外にした他、高額な割にインパクトが弱かったアクティブハイブリッド7を5位に落としています。



 訂正です。

 コメントからご指摘がございまして、デミオのスポルトにはオプションですら横滑り防止装置は設定されていませんでした。

 ご指摘いただきましたイワタカズマ様、ありがとうございます。

 よって、デミオの評価を下方修正し、五選順位を5位に下げて、ビスタ・BMW7をそれぞれ1ランク上げる形にしました。

 デミオに関して言えば、ピュアスポーツカーではないのだから、もう少しスローで穏やかなハンドリングでもいいのでは…と思うのです…。
Posted at 2011/08/11 18:33:44 | コメント(3) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ
2011年08月10日 イイね!

【プレイバック試乗記・第10号】 新型RX-8・タイプRSに乗って、スポーツカーの評価について考える。

マツダ RX-8 タイプRS 6速MT (318)


 今回は、今までとは趣旨を変えて、改めてスポーツカーの評価の仕方について、自分なりに考察していこうと思います。

 前回のアルバムで紹介したとおり、MCでパワーアップどころかパワーダウンしてしまったことが、非常に気になってました。

 これがロードスターのように、軽さと楽しさを追求したスポーツカーならともかく、RX-8はマツダのシンボルとも言えるロータリーエンジンを積んだスポーツカーなのです。

 とはいえ、2001年にRX-7の生産が終了して以来、マツダにフラッグシップと呼べるポテンシャルを持ったスポーツカーが存在しないのは、非常に寂しい…。

 現在では、5ドアHBのマツダスピードアクセラがマツダ最速、とう状況。

 それだけに、RX-8のMCではパワーアップを望みたいところなのですが、今回それが叶うことはなかったのです。


 でも…でも、実際に乗ったフィーリングは、凄く快適で楽しいんですよ~。

 具体的には、ギアの入りが気持ちスムーズだし、標準装備でレカロを装着したことによってクルマの挙動がわかりやすくなったし、2速でも吹け上がりがシャープに感じたし、なのです。

 だから、:面白くてエキサイティング。と判定してたのですが、スポーツカーが楽しいのは当然のこと。

 その中で、運転の楽しさと長距離乗ってても疲れないだけの快適性との両立は、長距離を考慮しないなら爽快な汗が掛ける楽しさはを考慮して、より的確に伝える手段を考える必要性を感じているのです。

 例えばの話、同じポルシェでも等身大のボクスターと圧倒的なポテンシャルを秘めた911を、どう評価し分けるかといったことも、範疇に含まれています。


 そこで思いついたのが、縦軸を圧倒的←→等身大とし、横軸をカジュアル←→プレミアムとして、大きく4つのグループに分割することです。

 具体的な図は、後ほど公開するとして…。

 更に問題となるのは、スポーツカーか否かの境界線。

 スポーツカー専用設計は当然として、時として乗用車ベースでありながらスポーツカーの範疇に入れたくなるクルマが存在することがあるんですね。

 大雑把にはスポーツモデルということになりますが、例えばシビックならタイプR、アクセラならマツダスピードアクセラ、ゴルフならGTIとR32、アルファロメオ147なら(今はないけど)GTA辺り、でしょうか。

 最も、人馬一体感のないスポーツモデルは、論外ですけどね。


 今回RX-8のMCをきっかけに、スポーツカーの評価方法を確定していこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


                                                  2008-03-16 執筆


 追伸。

 この新たなスポーツカー評価への提案は、実行されることなく時が過ぎましたが、走りが楽しいだけではスポーツカーの評価としては不十分だという認識に立つきっかけにはなったと思います。
Posted at 2011/08/10 19:23:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ
2011年07月29日 イイね!

【試乗五選・第12号】 SUVにスポーツカーテイストを加えると・・・。

 今日の五選
 
7・37.247・227・247・3

 今日の圏外;;

7・297・29

マツダ CX-7 クルージングパッケージ FF 6速AT(332)


 SUVでありながら、スポーツカーのようなタイトな運転席周りをデザインしたCXー7は、RX-8やロードスターで徹底的にクラフトマンシップでピュアスポーツ路線を貫いているマツダらしい1台だな、と話題になることが激減した今でも思います。

 それ故に、SUVのセオリー通りの高い着座位置に背もたれを起こした姿勢を前提とした設計ではなく、あくまでもスポーツカースタイルで低く手足を伸ばした姿勢を前提としながらも、その中でそれなりにまとめ上げた印象を受けています。

 とはいえ、日本車限定ならばそれなりに評価できるのですが、世界の名だたる名車と比較してしまうと、シート座面の短さであったり、シート本体のコシが弱い割に革シートの表皮が張った状態で、ロングドライブ性では輸入車勢に見劣りする可能性が高いことなど、粗が目立ってしまうのも隠せない事実です。

 更に足回りで言えば、SUV特有の外径の大きなタイヤによるバネ下重量の増加が影響して、荒れた路面でのばたつきが気になり、パワートレインでは、ターボの過給が急激なことに加えてオートマがルーズであることで、体感スピードは高いものの、空走感が強くてスピードコントロールがしにくく、車格に見合った落ち着きに欠けた乗り味に終始してしまっているのが、残念なところでした。(この点は、MC前も基本的には同様の傾向ではあるのですが、ボディ補強などの改良は施されているとのことです。)

 脱エコカー路線で応援したい気持ちはあるのですが、今回試乗してみて基本設計の古さは隠せず、オールスカイアクティブになるであろうCX-5への期待の方が、より強まる結果となりました…。


 追伸。

 このCXー7とボディ・サスペンションなどを共用する「リンカーンMKX」が、森慶太氏によると非常に気に障ることなく安心して快適に乗れる1台と太鼓判押されております。

 今時な電動PSもツインクラッチも直噴ターボもないのですが、それがかえっていい味出しているのかもしれないですね。。。

 機会あったら、MKX試乗記執筆したいものです。。。
Posted at 2011/07/29 22:46:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ
2011年07月01日 イイね!

【ざ・検証2011・第8号】 ニッポンの技術の新たなる挑戦。

 マツダ デミオ 13スカイアクティブ・パッケージ2 CVT(150)




 マツダの2010年代を担う新技術であり、久々のニッポンのエンジン技術革新である、スカイアクティブエンジン搭載車が、MCされたデミオで初めて市販されました。

 スカイアクティブについて簡単に説明すると、極力小さな燃焼室で極力大きな爆発力を起こすことで圧縮比を大幅に向上されることで、エンジンパワー・トルク・燃費を共に向上させる技術です。

 通常だと、圧縮比が高すぎるとノッキング現象を起こすため、低めの圧縮比でバランスを取るしか手段がなかったのですが、シリンダー形状を見直すことで爆発した燃料が横に広がらずにすることで、高い圧縮比でありながらノッキングを防ぐことに成功したとのことです。

 本来ならば、更に排気ガスを一旦エンジン内に戻すことで、更なる効率を上げることが可能(4-2-1排気)ですが、現行シャーシ流用のデミオでは見送られ、通常の4-1排気のまま主に燃費向上を重視することで、フィットハイブリッドに対抗する形でのデビューとなりました。

 ですので、VWのTSIのように小排気量で大排気量並のパワー・トルクを謳った類ではなく、今回のスカイアクティブでは通常の1.3Lよりむしろ、パワー・トルク共に若干控えめなスペックに設定されているくらいです。


 今回試乗して思ったのは、急いでスカイアクティブ仕様を購入する程ではないな、ということです。

 詳しく解説すると、走りを楽しむことを優先するのであれば、これまでのMC前1.3Lの4速ATやミラーサイクルのCVT同様、パワー・トルク共に不足気味で、むしろ1.5Lの15Cを選択するのがベストと判断するくらいです。(15Cは受注生産となりました…。)

 そして、パワー・トルクが不足気味であることでCVT独特のレスポンスの甘さが際立ったくらいです。


 今回のデミオのMCで、後席中央ヘッドレスト・3点式シートベルトが装着された点は評価出来ますが、横滑り防止装置はスカイアクティブのみの装備なのが残念なところです…。

 かつてゴルフⅤで初めてTSIが搭載されたGT・TSIの、1.4Lながらアクセラ級のボディをスポーティーに走らせた程のインパクトには及ばなかったです…。




 今後、試乗車ランキングを作成していきますが、その第1台目として今回のスカイアクティブ・デミオをリストアップし、2台目以降からランキング開始し、新車・中古車併せて5台でランキング。

 1ヶ月間1位をキープした車両が出た場合殿堂入りとし、次回からリセットで開始する方式とします。
Posted at 2011/07/01 18:06:47 | コメント(1) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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「俺のカー・オブ・ザ・イヤー2015」 はどのクルマ!? 
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2015/12/09 06:32:24
【 ムフロンの五選 ・ 厳選6号車 ・ 2合目 】積んで積んで走って走れ!  
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2015/06/21 21:45:37
五選の途中経過 ~ ドライビングプレジャーを求めて、MTロードスターvsAGSアルト♪ ~ 
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