今日の五選
(7)
11・20

11・22

11・13

11・20

11・20
今日の圏外;;
11・13
(今日のハイライト)
過去に1度だけ試乗したことのある中古ジャガーを取り上げながら、今回乗ったXJ40・2型を紹介しています。
お読みになっていただけると判りますが、2010年当時乗ったジャガーは、ネコ足とは言い難いもので、単純に古くてヘタった中古車にしか思えず、ジャガーならではの良さを発見するには至りませんでした。
そして今回、ジャガーがフォード傘下になった初期の仕様で、主に電装系を中心に信頼性を向上させたとのことですが、今回は「正にこれがネコ足と呼ばれるジャガーだったんだ!」と、確信するに至るものでした。
偶然にも、今回で試乗五選ランキングはワンツーを英国車で占め、日本車全滅となったのですが、ミニ同様にクラクションがステアリングには付いておらず、左のウインカーにボタンで設置されていることから、無闇にクラクションを鳴らさない英国紳士の習慣が為せるものでは…と思ったものです。
’96 ジャガー XJ6 4.0ソブリン?


① 成り立ち
形としては、初代XJ6の面影を残しながら(80年代後半にデビューしたXJ40系で一旦角目ライトに変更されるものの…)、90年には電装系を日本電装製にすることで信頼性を飛躍的に向上させつつ、98年には伝統の直列6気筒をV型8気筒にチェンジするまでの期間に生産されたモデルになります。
なので、初代ほど癖のある機関でない分、オイル交換も普通にGSで可能な、ある程度民生化された?ジャガーと言えます。
果たして、伝統のジャガーは中古でも味わえるのか・・・。
② 運転環境
サルーンだと思うと、予想以上にシートポジションは低いです。
比較的傾斜の緩いFガラスと相まって、森慶太氏曰く「4ドアのマツダ・ロードスター」と評価されただけのことはあるかと…。
これで、ハンドリングまで4ドアのそれであれば、より好転するのですが…。
③ パッケージング
4人乗りサルーンとして全高が低いパッケージは、決してセダンの正統派と言えるものではないものの、持ち前の余裕のボディサイズを以って、スポーツカー的なスタイリッシュさを表現しているところから、戦前はスポーツカーメーカーだったジャガーの名残があるのでは…。
何故か、今ではメルセデスCLS・パサートCCなど、この路線を突き進む車種が増え…。
④ パワートレイン
ジャガー=エレガントなサルーンのイメージが強いのですが、乗ってみると意外にセルシオっぽかったり…。
具体的には、ドライバーのアクセルに対して、初期で過敏に反応したり、エンジンブレーキが弱くて空走感を感じたりと、意外にトヨタ車的な部分も…。
エレガント路線なら、むしろ排気量の小さい細い線狙いが賢明かなと。
⑤ ハンドリング
ボディ剛性かフロア剛性が弱いのか、路面の衝撃を拾ったときの共振音がするのにはちょっと幻滅?
なので、同時期のメルセデス・BMWのような強靭なボディの持ち主
ではなく、正直なところネコ足の雰囲気ではなかったと。
思うに、21世紀に入ってから飛躍的にボディ剛性が人並みに向上し、XFデビューの時期から新たな伝統作りに入ったのでは…。
なので、乗った感じ、ちょっとポ○コ○なセルシオみたいな?
⑥ 判定
:いらない
この程度なら、電装系の信頼性で日本車より不利であっても支持したい、とは思えなかったです。
個体の程度の問題もあるにせよ、わたしの中ではジャガー=ネコ足の神話は崩れたと。
むしろ、VWゴルフの廉価グレードこそがネコ足で、VIP物件ならセルシオなどの日本車で十分かなと。
ごめんなさい。褒める要素が見当たらなくて。
やっぱり最新型は、デザインが斬新でボディ剛性高くてソフトタッチで、素晴らしいです。
2010年04月03日 執筆
’91 ジャガー XJ6 3.2 4速AT (15)



正直、上記の印象でジャガー中古のイメージがダウンし、今日まで接することがなかったのですが、今回乗った仕様は、正に徳大寺氏がネコ足と絶賛した時代のジャガーそのものである、と思ったものです。
このXJの特徴として、演出されたキビキビ感がなく、大径ステアリングに象徴されるように、あくまでもゆっくり・ゆったりとした動きを基本とし、尚且つ動きが鈍いどころか、ドライバーの感性にあった速さを持ったスポーティーさを兼ねた、英国紳士の象徴でもある、そんな乗り味でした。
確かに20年落ち中古車であるが故に、シートベルトアンカーのカバーが破損して、未装着警告灯が着きっ放しであったりとか、運転席ドアロックに不具合があってドアの開閉がしにくいとか、画像を観ての通り塗装のクリア剥げが酷かったりと、中古車物件としては程度がいいとは言い難い内外装ですが、ダッシュ割れやウッドパネルの損傷がなく、リフレッシュ可能な状態であると判断できました。
エンジン機関は好調で、右Fタイヤの空気が怪しいのを除けば、現状でも普通に乗れるコンディションです。
ジャガーと言えばスポーツサルーンメーカーで、メルセデスベンツが実用性を重視して全高を高く(と言っても、今時のミニバン基準では低いですが…)しているのに対し、ジャガーはあくまでもスポーツカーメーカーだった名残で全高を低く抑え、運転席着座位置もスポーツカー並に低くしたことで、シート座面を前上がりに調整すると太ももとステアリングが干渉するのですが、シート座面を平らにして低めにセットしシートスライドを気持ち後ろにして、その代わり背もたれを起こし気味にすることで、辻褄が合う運転環境であるところが、同じスポーツサルーンでもドイツ製のBMWと異なるところです。
ウィキによると、初期型2.9Lの非力さを指摘されて3.2Lに排気量アップされているのですが、今回乗った限りだとエンジントルクは低速域から十分に確保されており、また図太いトルク感でもないので、エンジンを回す楽しみも残されているところが、当時ベーシックグレードだったXJ6・3.2の魅力ではなかったのでは…と思うのです。
ボディだってメルセデスのように頑丈ではなく、全体的に線の細いジャガーではあるのですが、それ故の繊細さが持ち味のスポーツサルーンであり、昨今の若返りと引き換えに失った魅力が、比較的新しい年式で残されているのが、今回紹介したXJ40ではなかったのでは…と思うのです。
平均燃費を計測するインジケーターに8.6km/L前後が表示されていたのですが、前オーナーの様子として、たまに長距離で高速道路を走るだけで基本的に街乗り中心で使われてて、70代の方だったとのことで、おそらくインジケーターに表示されている燃費が、トータルの実燃費と観てもいいのでは…と推測しています。
かつて、館内正氏が「ジャガーは50歳を過ぎてから乗るクルマ」と言われておりましたが、確かに若い世代(と言っても30代・40代であることが最近多いですが)で硬くてキビキビ動くクルマがスポーティーに思っている人たちには、昔のジャガーは不向きに思いました。
でも、朽ち果てる前に、硬くてやんちゃなスポーティーカーに飽きて、落ち着いた挙動の中にスポーツ性を見出す年頃になった…と、思うようになった人たちは、そろそろジャガーを楽しめる境遇になったのかな、と思うこの頃です。