11.1特集の最後は、高級セダンです!
と言っても、これもワースト順ですが、いきなりレクサスLSが登場するハイレベル振りです。^p^
レクサス LS460 4.6 Fスポーツ 8速AT FR (980.0) 5.05(1980kg/392馬力)



いきなりワースト順で登場したレクサスLSが、更に唯一トルセンLSDを装着した460Fスポーツというハイレベルさです。
Fスポーツにはブレンボ製のブレーキが装着されるのですが、ブレーキ性能の高さを街乗り試乗でアピールすることを優先しすぎたのか、初期応答性が過敏なカックンブレーキだったのです。
なので、高級なブレーキが付いているのに、カックンしないようにブレーキを踏む踏力をコントロールする必要があった・・・という皮肉な結果に・・・。
それと、後に乗ったハイブリッドのバージョンLと比較して、ステアリングを切って戻したときのフィーリングに不自然さがあったこと、と言った要因がワーストになった所以です。
と辛口になってしまいましたが、それでも以前までの旦那仕様のイメージを払拭させることには大成功したと言える、今回のLSシリーズのMCであり、Fスポーツの登場が更に輪を掛ける結果となったのは確かです。
それにしても、パワートレインの躾はかなり良くなってます!というのも、発進時にグワっと加速したり、巡航時に空走したりといった癖は影を潜め、トルコンがルーズなのはシフトショック軽減最優先だから仕方ない部分もあるけれど、これなら輸入車勢に大きくは見劣りしないレベルにまでは仕上がってます。
それだけに、インパネデザイン一新したのだから、ステアリングコラム位置をもっと高く出来ないか?そうしたら、もっとドライビングポジションが決まりやすいのに・・・と思ったのでした。
ドライブモードセレクトについて記述すると、前回のC・Iパッケージのときと変わって中速領域での試乗コースにはなったのですが、Fスポーツになってブッシュ周りも強化されていて、通常走行でスポーツモード、走りを堪能したい時はスポーツ+で・・・という形で活かされました。
レクサス LS600h 5.0M バージョンL 電気式無段変速 FR (1250.0) 4.58(2320kg/506馬力)



LSが元来安楽な高級サルーンであることから、そのキャラクターに合ったのは、やはり旦那仕様の方で、ハイブリッド化で無段変速になったLS600hで止めを刺す形で、抜群の相性を見せ付ける結果となりました。
さすがにFスポーツと乗り比べると、ハイブリッドで大幅に重量増になったこともあるけれど、かなり柔らかめな脚になって、中速領域だとコンフォートモードではクルマ酔いしそうな程だったのに対し、スポーツモードでほぼ賄える脚の動きでした。
柔らかい脚であることが基本だけれども、ハイウェイでも安心できるだけのスタビリティは確保している、という部分でプレステージカーとしての役目は十分に果たしている、と言えます。
やはり、ここでも本木目パネル仕様だっただけに、ウッドコンビのステアリング操作性で減点要素が・・・。
だけれども、少なくともブレーキフィールに関しては、ハイブリッドで回生ブレーキが採用されているにも関わらず、上記の460Fスポーツよりかは扱いやすいものであったことを報告します。
ただ、ハイブリッドと言えど、アクセルを踏み込めば燃費はリッター5km台にまで落ち込むクルマである、という意味で下手したら12気筒よりも落ちるかもしれない、という部分は留意した方がよろしいかも・・・です。
アウディ A6 セダン 2.0TM ハイブリッド 8速AT FF (690.0) 7.77(1850kg/238馬力)



ここで、アウディ初のハイブリッドが登場します。
結論から言えば、A6だったらこれが推奨で、V6エンジンいらない・・・と思った程、高級感を損なわない完成度を誇ってました。
あたかもA4であるかのように軽快に走り、アウディ自慢のSトロニックではないけれど、シフトスピードは十分に速いのです。
それに、ハイブリッドというけれど、スピードコントロール性は損なわれておらず、その点プリウスは嫌だけど、このA6なら喜んで・・・といったところです。
ただ、要改良ポイントはあって、ブレーキフィールがカックンで、同じエンジンを積むA4にもある傾向ですが、発進時のトルクの立ち上がりが急なところがあることです。
でも、これは今後改良を重ねて熟成させるだけの価値は、十分以上にある・・・という意味で、大排気量エンジンベースのハイブリッドであるLSよりも、遥かに大きな将来性を感じさせたということで、上位3位入りとなりました。
ステアリングは、軽い操舵力で、とてもソフトなタッチでグーでした。^^
’11 アウディ A8 4.2 FSI クワトロ 8速AT AWD (838.0) 5.22(1940kg/372馬力)



今回A6ハイブリッド褒めようと思ってたけど、やはりA8は格上でした。
ボディサイズの大きさだけでは説明しようがない程、安定感でA6ハイブリッドを圧倒しており、V8・NA・4.2Lのエンジンフィールも、過給機付きにはない高回転まで綺麗に回るエンジンで、エンジン回転にも力感があり、ここでレクサスのV8を圧倒する魅力がありました。
標準で20インチタイヤを装着するのですが、それを感じさせないコンフォート性を確保し、脚の追従性もかなりしなやかでした。
唯一残念だったのが、シフトロジックとして完全マニュアルモードで固定することが出来なかったことで、ドライバーが操る領域が狭くなったことですが、変速制御そのものは違和感を感じさせないものです。
このNA4.2LのV8を堪能しながら、同型エンジンをパワーアップさせているRS5で乗ったら、さぞかしエキゾチックなスポーツクーペに仕上がっていることだろう・・・と想像したものです。
と執筆してた矢先に仕様変更が施され、NA4.2LのV8に変わって、同じV8でも4Lターボに変更されて、確実にパワースペックが向上されてました・・・。
日産 スカイライン 4ドア 250GT 7速AT FR (329.7) 7.02(1580kg/225馬力)



そして、層々たる高級車連合を制して、堂々1位になったのは、愛のスカイラインです!
今や、若者の関心が薄れて、一見オヤジセダンにしか見られなくなったスカイライン4ドアですが、例え外観が北米志向に変わったとしても、20世紀から培ったスポーツセダンの魂は、今も健在だったのです!
HRになって高回転域での伸びが確実に増したVQエンジンで、ショートストローク化で3.7L以上に高回転まで回る楽しさに満ちたもので、新型BMW3シリーズが軒並み4発であるだけに、6発エンジンの魅力が俄然輝いているようにも思えたのです。
今月でV36型になった丸6年が経ち、基本設計に古さ故に燃費性能面では劣るのですが、フーガとは明らかに異なった、スポーツセダンらしい硬めの脚をベースにしたセッティングで、ハンドリング含めて正にスカイラインである、と呼べるものであったのです。
今回試乗したのは、下から2番目のノーマルグレードで、後席リクライニングが付かない仕様でしたが、後席環境面で言えば、もう少しシート背もたれを起こすか、座面角度を前上がりにするか、して欲しいところではあるのです。
今回高級車ランキングする上で、コンフォート性を優先するならA8には到底適わないのですが、コストパフォーマンスの高さと、純粋に走りの楽しさでスカイラインを選択することとなったのです。
いよいよ、次期V37?がどうなるか?に注目が集まるところでしょうが、メルセデスベンツとの提携を上手く利用しながら、直4モデル復帰で若年層へのアピールを強めていただきたい・・・と切に願うのです・・・。