今年も、カーオブザイヤーの季節が、と盛り上がりたいところですが、今年は年間通して参加者が現れない事となり、これが今年の新型車不作を象徴するかのようです。
現に、COTYの方もBMW・M2等の追加モデルが10ベストにノミネートされる位ですから。
それでも、独り盛り上がって発表したいと思います。
第1位 トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン
(画像)トヨタ パッソ 直3横1.0 X・Lパッケージ CVT FF 13.19(910kg/69馬力)(125.3)




今回も、上半期同様の1位になりました。
理由も以前と同様で、以下引用します。
エントリードライバーに乗せるクルマとして、オススメしたくないから、というのが大きな理由です。
ダイハツのキャストと同様の、ドライビングポジションのいびつさで、背の高いクルマでありながら、背もたれを寝かせた姿勢を前提に設計されているので、つじつまが合わない。
そして、恐ろしく駆動伝達がルーズなトルコンCVTで、雑なアクセルワークに繋がりかねない。
ステアリングインフォメーションが希薄で、クルマからの情報量が少ない、といったところです。
これらは、今や余程のエンスーでないと指摘する機会がなく、世間知らずなビギナーなら運転しやすそう、と思ってしまうから、怖いですよね。
第2位 日産 セレナ
(画像)日産 セレナ 直4横2.0 ライダー プロパイロットエディション CVT FF 11.33(1700kg/150馬力)(309.5)
世間は自動運転で盛り上がってますが、その是非はともかくとして、自動運転機能と言われるプロパイロットを除外すると、とてつもなく退屈なクルマだから、というのが選考理由です。
Sハイブリッドで燃費良くするのは良いとして、新型で更に燃費数値上げる事に重点置いたかのような制御で、特に発進加速が非常に鈍い。そして、クルマの重さを嫌でも実感するからですね。
こんな退屈なクルマに、ナビ等々付けて乗りだし400万円なんて買い物、頼むから家族会議には持ち込まないで欲しい。
というか、これが今のファミリーカーのスタンダードなら、既に結婚諦めてる当方は気楽なもの?
第3位 トヨタ・タンク/同・ルーミー/ダイハツ・トール/スバル・ジャスティ
(画像)ダイハツ トール 直3横1.0T カスタムGターボ・SA2 CVT FF 11.22(1100kg/98馬力)(196.6)
これ、トヨタグループは本気出してないです。
と言いきれるのも、ライバルのスズキ・ソリオに対して、せめて燃費数値だけでも上回ろうとか、少しでも排気量が小さい分低価格にしようとかいう気迫が見えないから。
運転席着座位置高くしたのは良いけれど、ステアリング位置が相対的に低いから、運転環境は微妙。且つ、ステアリングインフォメーション希薄。
その意味で、燃費優先で瞬発力低く、運転機能に残念なところはあるけれど、プリウスに掛けるトヨタの情熱の熱さは半端じゃない事を実感するところです♪
第4位 スバル インプレッサ スポーツ/G4
(画像)スバル インプレッサ スポーツ 水平4縦2.0 2.0iーS アイサイト 7速CVT AWD 8.90(1370kg/154馬力)(259.2)
今年、日本ハムファイターズが日本一になって、胴上げ直後の栗山監督のインタビューで、日本一の実感がない、のコメントが印象的でしたが、今年のカーオブザイヤーがインプレッサになった、というのが当方的には未だに実感ないです。
あー、今年はインプレッサの年だったなぁ、じゃないし。
余談はともかくとして、インプレッサに投じた評論家のコメントでも指摘されてるかと思いますが、内外装の仕上げや脚の動きの良さは、国産同クラスでは群を抜いてるのは確かです。
にも関わらずワーストカーに投じたのは、クルマを操る楽しさが希薄だから。
その主犯は、リニアトロニックと呼ばれるCVTで、2Lモデルのみの試乗だけど、マニュアルモード使っても、とことん高回転域を使わせない変速制御になってて、ドライビングの任意性が著しく低いから。
アイサイト全車装備の為に、MT廃止しちゃったし、旧型CVTはまだ回せる制御だっただけに、残念です。
せめて、今月20日発売の1.6Lモデルが、先代通りの変速制御に仕上がってるのを祈りたい。
第5位 BMW 318i
(画像)BMW 318i 直3縦1.5T Mスポーツ 8速AT FR 11.40(1550kg/136馬力)(489.0)
え?何でBMW?と思われるでしょうが、往年の3シリーズと言えば、小型FRスポーツセダンのスタンダードで、世界一スポーツカーに近いセダンとして、当方のクルマの評価軸になっていました。
ただ、ここ最近のBMWは利益優先になったのか、ミニブランド買収をきっかけにFF車作りのノウハウを習得し、遂にBMWブランドでもFF車をラインナップさせる時代に。
結果、現行後期の3シリーズよりも、X1を始めミニとプラットフォームを共有させたFF車の方が、よりクルマの動きをダイレクトに伝えて、より駆け抜ける悦びを満たすクルマに仕上がっているという、屈辱的な現実を目の当たりにすることに。
というのが、新しい318i。ステアリングの正確性に疑問で、アクティブステアリングでも付いてるかのようなギクシャク感があったし、それでも標準よりはMスポーツの方がまだ正確だったけど、その割にクルマに伝わるインフォメーションが薄い傾向。
どうしたBMW?ライバル気にする前に、自分を取り戻してくれ!
番外編 ホンダ NSX
本来、自ら試乗したクルマで評価するスタイルですが、今回のNSXの変わりようは、許容範囲を逸脱するものであったが故に、番外編でノミネート。
軽量なアルミボディに、高回転まで気持ち良く回るNAエンジンを基本に、忠実にリファインを重ねながら育ててきた初代NSXでしたが、今回のはそれを根底から覆すものでしかなかった。
机上の空論だと、流行りのハイブリッドシステムに4駆ターボで、先端技術の集大成として絶賛するところでしょうが、基本スペック見るだけで、相当な重量増でスポーツカーの要であるドライビングプレジャーへの影響を懸念していました。
そんな不安が的中するかのように、動画でガンさんこと黒沢元治氏の辛口評価が下される事になった。
もはや、初代産みの親である上原開発主査は既にホンダを退職され、そのスピリッツは新型に受け継がれる事なく、スペック至上主義で実走行を伴わずに開発されたのかと思うと、ホンダって実は、マツダみたいにスポーツカー作りの土壌が出来てなかったメーカーだった、のかも知れない。