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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年05月13日 イイね!

【ざ・中古車対決2011・第22号】 バブル時代を駆け抜けたマツダ車たち。

 ’98 マツダ RX-7 タイプRS 5速MT(FD4型)(38)



vs ’98 マツダ ミレーニア 25S(40)



 前回の引き続き、バブル時代に開発されて90年代を駆け抜けたマツダ車の紹介です。

 元々ユーノスブランドで「ユーノス800」の車名で93年から発売されるも、例のマツダ5チャンネル戦略の失敗によりユーノスブランドが消滅したのが97年、今回紹介するモデルは翌98年にMCされて2Lも追加された世代になります。

 ユーノス800として発売当初は、V6・2.5LとV6・2.3Lコンプレッサー付ミラーサイクルエンジンの2本立てで、主に後者をイメージリーダーとしていたものの、日本の高級車ユーザーの排気量信仰が根強く、販売の中心は圧倒的に2.5Lでした。

 売りだったミラーサイクルエンジンも、00年のビッグマイナーでカタログ落ちし、現行デミオでの復帰を待つこととなりました・・・。

 「10年基準」をキャッチフレーズに、価値の持続する高級車として君臨したユーノス800・ミレーニアも、マツダの経営危機と重なって波乱万丈ながら、03年の生産終了まで10年生産を全うしました…。


 これも、マツダ版レクサスとも言える「アマティ」ブランドの北米での立ち上げ計画の一貫として開発されたもので、計画そのものが白紙になったことで12気筒の大型セダンは凍結されたものの、開発途中だった中級セダンは、販売するブランド名を変えてこの世にデビューすることとなった経緯を持ってます。


 マツダと言えば、ロータリー車やロードスターが圧倒的に人気で、その反面昭和時代の都市伝説となった「マツダ地獄」により、他社のクルマに乗り換えようとすると極端に下取り価格が下がることから、一度マツダ車に乗り換えると、ずっとマツダ車に乗り換えないといけない…、と言われることも多々ありました。


 その証拠といっては失礼でしょうが、高級車やファミリーカーにおいては、明らかにトヨタ・日産車よりも内外装の質感やNVH面で見劣りしていた部分がありました。


 ただ、今回試乗したミレーニア。

 そんな昭和時代のマイナスイメージのマツダ車ではなく、10年基準のキャッチフレーズは嘘ではなかった、と思うほどの内外装の質感の高さ・走りの質感の高さは想像以上でした。

 一見して、6気筒を積んだFFサルーンということで、鈍臭くて駆動系の振動が目立つイメージがありがちですが、21世紀に入ってからのズームズームな世代と遜色ないスポーツ性に富んでいました。

 少なくとも、クラウンやセルシオのような極端に操舵感が軽くて、路面の状況が読みにくい類ではなく、ステアリングの操舵感では、アテンザやアクセラに近い感触でした。

 FFとはいえ、見た目からしてスペース効率重視には思えないパッケージングではあるものの、低く寝そべった姿勢を前提としながらも、ステアリング・シート形状・位置関係に整合性を持ったもので、人馬一体感ではFDと互角か、長さを除いて車両感覚のつかみ易さではミレーニアがリードしている、と思う程でした。

 やはり、センターコンソールから両側ドアにかけて、曲面で繋いでいなくて、あくまでも直線基調とした(かといって、80年代の日産車のような絶壁に非ず。)ことで、車両感覚を掴みやすくしていることを実感しました。(その意味では、FDも曲面で繋いでいてユーノスコスモは極端ですが…。)


 一見して特徴に欠けているように見えるNAのV6・2.5Lエンジンも、高回転まで澄んだサウンドを奏でて(高級車なので、極限に音量は少ないです。)、現代のティプトロ式でないATの使い勝手に疑問なしではないものの、公道で走りを楽しむということに関しては、過剰なパワーを持て余しがちなMTのFD以上にすら思ったものです。

 それも、BMWだったら別段に驚くことでもないですが、よりによって国産FFサルーンでこれ程にファン・トゥ・ドライブな1台があったことがサプライズでしたね。

 そんな訳で、意外なほどの完成度を誇ったミレーニアの勝利とし、勝ち点2で次回に持ち越しです。
Posted at 2011/05/13 19:03:58 | コメント(3) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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