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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年05月29日 イイね!

【ざ・新車対決2011・第32号】 幸せのダウンサイジング!

フィアット 500 ツインエアー・ラウンジ(245)(勝ち点4)



vs VW パサート ヴァリアント TSIコンフォートライン ブルーモーション(346)



vs VW パサートCC V6 4モーション(625)




 前回、「いいクルマ選び」からの卒業と称して、未完成ながらクルマと対話する面白さに満ちたツインエアーのフィアット500を評価し、これまで殿堂入りだったメルセデスベンツV350に代わっても…と思ってた矢先に、新型パサートの試乗となりました。

 基本的なパッケージングは先代を継承するものの、VW得意の小排気量エンジンを過給器で補う方式でのダウンサイジングを更に推進する形で、今度はDセグメントサルーンを1.4Lで走らせるまでになりました。

 それにより、現在生産終了中のジェッタのポジションまでカバーするかの様に、先代から大幅にプライスダウンし、これまでのクルマの進化の指標だった動力性能や静粛性の向上より、二酸化炭素排出量の削減や燃費の向上といったこれからの時代に欠かせない要素を重点的に向上させたFMCなのが特徴です。

 それでもVWのクルマ作りの素晴らしいところは、世界的にエコロジー傾向でありながらも、決してユーザーに満足度を低下させるようなことはせず、むしろ先代1.8Lターボ+トルコンAT比でも、乾式DSGで駆動伝達効率を向上させることで、むしろスムーズでかつ軽快な発進加速性を実現させていることです。

 それでも、これまでVW車に試乗した経験上、コンプレッサーとターボが共に付いたツインチャージャー仕様に関しては、過給時のトルクの立ち上がりが急で、クルマとの対話がしにくいところがあったのですが、新型パサートの1.4Lはシングルターボ仕様で、過給器特有の唐突なトルクの立ち上がりが影を潜めているため、自動車税が安くなることで俄然経済性を重視するユーザーへの共感を得るに至って入るわけです。

 ですので、ここまで「いいクルマ」を極めた仕上がりを見せつけられると、安易に卒業なんて言えないな、と思うほどでした。

 この新型パサート(ワゴンのバリアントですが…)。

 単純に先代のネガ潰しで生まれた新型車ではないんです。

 よりダウンサイジングを、どこまで進められるか、への挑戦の一貫なのです。

 その意味で、エコカー減税対策重視でカタログ燃費を稼ぎやすいCVTを使って、カタログ上は低燃費だけど、実際に乗ると悲劇的にレスポンスが鈍くて非力で価格は一人前に普通車並な軽ミニバンは、単なる我慢のエコカーで最も欲しくない乗り物の1つなのです。


 ただセダン(ワゴン)としてのパサートのパッケージングは到って平凡なもので、例えばの話W124と比べてどうとかの類ではなく、横置きエンジンのFFながらBMW3シリーズよりは確実に大柄なサイズなだけに、引き締まった印象もないのですが、極端にスポーツワゴンしてない形といい、W124時代からすると燃費性能では比較にならない位の性能といい…の部分に魅かれるわけです。



 偶然ながら、同時にパサートベースの4ドアクーペ「パサートCC」にも試乗出来ました。

 実のところ、2009年5月に前期モデルのV6・4モーションに試乗していて、エレガントなスタイリングに相応しいコンフォート性とゴルフGTI譲りのスポーツ性に富んだ走りを高い次元で両立させているところを評価した訳ですが、今回の後期モデルでタイヤが18インチにインチアップしたことによるシャーシバランスの変化が気になってたところですが、今回試乗して、その心配は無用だったことが確認できました。

 もはや、VWラインナップ中唯一のV6エンジン搭載車となり、6気筒エンジン車最後の生き残りである可能性が非常に高いモデルとなってしまってます。

 こうしたエモーショナルな魅力を持ったスペシャルティークーペには、V6エンジン特有の官能性は欠かせない要素であるだけに、最後に残った砦として注目してもいい1台には感じました。

 とはいえ、新型パサートの1.4Lの出来を思うと、余程のエンスーでない限り、V6・3.6Lの魅力では説得力が弱い…と思わざるを得なかったです。


 細かいことですが、パサートが新型になって電気式パーキングブレーキの操作ロジックが変更され、旧型はインパネ右端にあるボタンでの操作だった(パサートCCはこの方式)のが、新型になってレバー式に似せたスイッチに変更されたことで、他車から乗換えても戸惑いにくい操作系に変更された点も、進化した部分の1つとして評価したいと思います。


 よって、この勝負。

 パサートヴァリアント、フィアット500に勝って2点、パサートCCに勝って3点加点し、勝ち点5で次回に持ち越しです。
Posted at 2011/05/29 18:50:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | フォルクスワーゲン | クルマ

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「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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