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今回のミドルサルーン対決は、クラウンVSボルボの、ちょっと異色な対決です!
トヨタ クラウン 2.5 ロイヤルサルーン スペシャルパッケージ 6速AT FR (345) 7.83(1590kg/203馬力)



「プレミアムサスペンション標準装備」
ここ最近MC後のマークXの各グレードに試乗した後に乗った、クラウンロイヤルは、正にこんな印象でした。
マークXと基本コンポーネンツを共用しながらも、可変サスペンションを持たないながら路面の凹凸をしなやかに吸収し、電動PSもアシスト遅れを出すことなく、クラウンらしく軽くてスムーズなステアリングフィールを実現しております。
しかも、今回乗ったクラウンロイヤルは、ナビも革巻きハンドルもパワーシートも付かないで、相当に装備を厳選された(笑)スペシャルパッケージだったわけですが、快適な高級セダンが欲しくて、でもアクセサリーには殆ど興味ないという、ある意味実用性重視の高級車としては、むしろ打ってつけではないか?と思ったわけです。(同じロイヤルでも、アニバーサリーになったら軽く100万円高くなります。><)
一言に快適な高級車と言えど、クラウンって意外と脚フワフワで走りがつまらないということがあまりなくて、むしろ180系ゼロクラ以降の世代では相当にドイツ車を意識した作りとなっており、必ずしも走りを求めるならアスリートを・・・と一概には言えない仕上がりぶりです。
しかもチルトステアリングとテレスコピック機能の調整も手動で、140系の頃と変わらない調整レバーが分離したもので、ある意味懐かしさ(笑)を感じさせるものでもあります。
クラウンでウレタンハンドルかよ~と突っ込まれるところでしょうが、素早いステアリング操作をするには、むしろウッドコンビはステアリングホイールの滑りやすさが変化して返って操作しにくいので、革なら革、ウレタンならウレタン、ウッドならウッドで統一した方が、遥かに機能的なのです!
唯一、2.5L・V6エンジン仕様に共通する、電スロの影響での出足の発進加速の鈍さが気にはなりましたが・・・。
このスペシャルパッケージ。ある意味、昭和のデラックスやスタンダードのような低グレード仕様のような清清しさがありましたね。^^
脚はしなやかで安定しているし、これに6速MTとが組み合わされたら、小型FRスポーツとして86よりも高く評価しているかもしれない・・・というポテンシャルの高さをモデル末期ながら感じたものです・・・。
今回の試乗と同時に、次期クラウンのスタッフ専用カタログを拝見させていただきました。
次期モデルでは、直4・2.5Lとモーターを組み合わせたハイブリッド仕様が、ロイヤル・アスリート共に設定される模様で、カムリに搭載されたものをFR用にして、よりエンジン制御を発展させたものになるようです。
具体的な価格が発表されてないので未知数ではありますが、ひょっとするとV6・2.5Lよりも、出足加速・燃費・静粛性の面でハイブリッド車が上回るのでは?と、今から非常に愉しみにしているのです・・・。
ボルボ V60 3.0T T6 AWD Rデザイン 13モデル 6速AT (619) 5.92(1800kg/304馬力)



2013年モデルで、ボルボシリーズは揃ってシフトノブ形状を大幅に変更して、より新鮮味を増したデザインとなっております。
そんな一新したボルボを代表して、今回はV60のRデザインで、直6・3Lターボを搭載するトップグレードのRデザインで試すこととなりました。
前回の2012年モデルでは、V60の直4・1.6Lターボとツインクラッチを組み合わせた、T4・Rデザインに試乗して、小型スポーツクーペのような軽快さとボルボらしい剛性感と安定性を誇る脚で、スポーツサスにインチアップタイヤでもへこたれないコンフォート性に魅了し、手前味噌ながら新車20選では13モデルに移行するまで上位をキープするに至ったわけです。
そんな実績を元に、今回の3Lターボ4駆仕様に期待したわけですが・・・。
結論から言えば、買いは直4・FFのT4・Rデザインである、と確信したのでした。
というのも、フットワークが4発FFモデルの方が遥かに軽快で、ツインクラッチの繋がりもシャープであったからです。
決して、直6・4駆が酷かったわけではなかったのです。
昨年、旦那仕様?なT6-SEに乗った時は、直6エンジンの官能性に惚れたのですから・・・。
この直6エンジン、ハイウェイクルージングするにはうってつけのエンジンで、あえてマニュアル操作をする必要性がないくらいに、ATの変速制御は抜群でエンジン特性も全域トルクフルで、どの回転域からでもパワーが出る、フレキシブルなものです。
それでもマニュアル操作したとしても、トルコンATとしては変速速度も十分に速く、その意味では出来のいいパワートレインに感じました。
ただ・・・、国道レベルでの速度域ではあるけれど、ちょっとタイトなコーナーがあって、そこでのノーズの入りの悪さを感じ取ってしまったのです・・・。
ステアリングの蛇角を切っても、ノーズが内側を向くのが遅い、即ちアンダーステア傾向だと・・・。
その時、長大な直6エンジンをフロントオーバーハングに横置きで搭載して、相当にフロントヘビーになったパッケージングの限界がそこにあったのでは・・・と、思わずにはいられなかったです・・・。
運転環境面では、まず問題なし。強いて言えば、本革じゃなくて布で乗りたい気分だった・・・。
で、今回の対決の結論は・・・、
大方の予想を覆すであろう…
クラウン支持です!
もちろん、衝突時やその前の安全性を重視するなら、クラウンよりもボルボであることは言うまでもないです。
あくまでも、V60・Rデザインにするならば、燃費や維持費の高さというリスクを負ってまで直6・4駆にする意義を見出せず、直4・FFのそれこそ推奨したい、という思いからです・・・。
Posted at 2012/10/02 20:09:34 | |
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対決! | クルマ