毎度、手前味噌な「わたしの五選」にご参加いただき、ありがとうございます。
先月は、初の二部構成で4気筒と6気筒の五選をお送りしましたが、今月はそれ以外の何でもありな、「4・6気筒だけじゃない五選」です!
当方として選考に辺り、大排気量軍団に対しては単純に迫力があって速いという評価や、静かでスムーズというった評価だけに留まらず、それ以上の魅力を備わっているかどうか?に注目しました。
小排気量に関しても、水冷直列3気筒4サイクルなら、今やどこのメーカーだって作ってるわけで、どうしてもエンジンフィーリングとして平凡になりがちなところです。
ハイブリッドや電気系に関しては、エンジンの音が少ない又は無いことにより静かさといった魅力のみならず、あくまでも動力しての魅力に富んでいるか?を基準にしました。
となると、3気筒はかなり厳しい状況で、今回選出には至りませんでした・・・。
よって、360時代の軽四へのノスタルジーが基本になって、2気筒車を3台選出することとなりました・・・。
電気に関しては、動力としての魅力という部分では、トヨタのコムスはあまりにも非力過ぎで、日産ノートは激戦区のCセグメントカーとしては、走りの機能性面で厳しい評価となるために割愛しました。
9気筒以上は乗ったことなしで、8気筒も5気筒も試乗したサンプルが少な過ぎるのと、4・6気筒にはない魅力という面で説得力に欠けました。
という点を踏まえての投稿となりました。
と言ってる矢先に、選考する予定だったロータリーエンジン車が先を越される形となったため、急遽2気筒3台のラインナップとなりました。
【第1位】
2気筒
フィアット 500 0.9T ツインエアー ラウンジ 電動ガラスサンルーフ付き 5速AMT FF (251) 12.35(1050kg/85馬力)



懐かしい昭和の軽自動車の雰囲気を、現代の最新技術を駆使して見事にリバイバルさせたのが、正にツインエアーエンジンを搭載するフィアット500です!
昨年のデビュー直後から試乗していたわけですが、卸したての個体でエンジン慣らし中だったため、高回転を満喫することが出来なかったのが非常にフラストレーションが溜まっておりましたが、先日のスローコンパクトの究極の選択で紹介したように、ようやく2気筒エンジンを満喫することに成功したのです。
AMTの癖だとか右Hのペダル配置の癖だとかは、むしろドライバーがクルマに合わせる形で構わないと思うくらい、とても懐かしくて、かつとても新しいフィーリングを味わうことが出来るのが、非常に魅力的です。
しかも、与えられたデザインがチンクエチェントと呼ばれる60年代小型車のリバイバルで、このクラシカルな外装と、振動は多めだけどパンチ力ある2気筒エンジンとが、絶妙のマッチングを生み出しているのです。
【第2位】
2気筒
’72 スバル R-2 0.36 スーパーデラックス 4速MT RR (80) 16.48(430kg/26.1馬力)



小型エンジンの魅力を語る上で、どうしても外せないのは2サイクルエンジンの独特のエンジン音と、オイルの香りです。^^
しかも、スバル360譲りのエンジンは空冷式で、水によるエンジン冷却を行わないため、ラジエーターが存在しません。
理屈不要の2サイクル特有のポンポン鳴るエンジンがとても魅力的で、純正マフラーを基本として、きっちりとレストアされた物件ならば、実はアイドリング音は静かなのも、実車と出会って知ったことです。
今や、排ガスと騒音で二度と出ることがないに等しい今こそ、大事にしたい文化遺産です。
かつて平成になる直前に、初代エスティマ用にD-2と呼ばれる直噴2サイクルエンジンをトヨタが開発していましたが失敗し、幻となったことを知っただけに、尚更そう思うのです・・・。
【第3位】
2気筒
’75 三菱 ミニカF4 0.36 スーパーデラックス 4速MT FR 19.54(510kg/26.1馬力)


ロータリー代表としてRX-8選出の予定でしたが、他の参加者と被ることがわかったので、急遽ピンチヒッターとして出たのが、このミニカF4です。
実は、昨年写真の物件とは別に、当方の手元にあったのですが、コンディションが悪くて予算が立たなかったので、苦渋の選択で実働L200ミラと交換してしまった経緯があります。
上記の物件は、今まで見たF4では最も程度が良かったのですが、4サイクルになってパンチ力ダウンして魅力が薄いのでは?という懸念を見事に払拭させる、上記のスバルR-2よりかは重いけど、軽い車重を生かし、FRならではのバランスのいい軽快な走りを見せてくれたのには驚きでした。
【第4位】
電気
三菱 ミニキャブMiEV モーター ハイルーフ 4シーター CD 16.0kWh 急速充電機能付 無段変速 FR (302.4) 27.32(1120kg/41馬力)



日産リーフと共に、三菱の電気自動車に乗って最も驚きだったのは、電気自動車はむしろ速いということです。
カタログスペックだと大したことないのですが、それは最高出力のことであって、最大トルクは車格を遥かに越えた大きさで、しかも低速域からフラットに発生させるのが、そのからくりです。
現状では、巡航距離が短いのが一番の問題ですが、日産がCセグメント乗用車でスタートして、結果激戦区で厳しい状況なのに対し、三菱は長距離使用が少ない軽自動車でスタートしたのが大きく、床下に重い電池を設置して脚の追従性が大きくは変わらない商用車をベースにしたミニキャブMiEVこそが、現状では最も電気自動車の恩恵を受けやすいと思うのです。
外観が、99年デビューのミニキャブバンそのものなのは、電気自動車の先進性を表現し切ってないという問題はありますが・・・。
【第5位】
ハイブリッド
日産 シーマ 3.5+モーター ハイブリッド 7速AT FR (735) 5.68(1930kg/340馬力)



最後の1台は、大排気量車代表として、ハイブリッドのシーマを推します!
トヨタのハイブリッドがエンジンの存在感を打ち消しているのが特徴であるのに対し、フーガHVもそうですが、日産のV6・3.5Lエンジンと組み合わされるハイブリッドは、あくまでもエンジンの存在感をアピールしたものです。
もし、リーマンショックが起こらなかったら、4ドアGT-Rも世に出ていたかもしれない・・・、そう思うと、このハイブリッドシステムにこそ、4ドアGT-Rの亡霊を感じさせてしまうのです。
一時は、F50型で終了するつもりだったシーマの歴史も、現場の販売店との付き合いが深い法人ユーザーやリピーターなどからの要請を受けて、フーガのストレッチという成り立ちには過ぎなかったけど、迫力のボディにパワートレインで見事復活したのです。
そんなシーマの中から、ベーシックな内装でカジュアルに付き合える標準仕様を推奨。
ひょっとすると、フォード社もマスタングに載せたくて仕方ないパワートレインでは?と、秘かに妄想するのでした・・・。
高回転までエンジンを回してホンダミュージックを奏でる、フィットHVのMTも魅力的でしたが、エンジンの魅力という部分では迫力でシーマに完敗です。^p^