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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2012年10月30日 イイね!

【プレイバック試乗記・第58号】 ある意味、トヨタ2000GTよりも高級なクーペ?

’77 いすゞ 117クーペ 1800XT 5速MT FR  9.51(1075kg/113馬力)データは’73モデル1800XE)


 あのジウジアーロデザインによる往年の名車である、いすゞ117クーペに、いよいよ試乗することが出来ました。

 地元福山の某大手中古車販売店にて、すでに後期2台のレストアを終らせて販売中で、さらにハンドメイドの初期型も展示中で…。

 かつてそこで務めてた頃、一度も運転する機会がなかっただけに、今回別の販売店で発見して、リベンジした形の試乗ともなりました。


① どんなクルマ?

 今回乗ったのは、昭和52年式の中期モデルで、黒を基調としたチェック柄の内装であることから、おそらくグレードはXSだろうかと思います。(排気量は1800で、5速MT) (注:画像を見る限り、XTのエンブレムが付いていたことから、XTが正解?)

 思えば、117クーペのデザインを60年代当時のプレス加工技術では再現できず、ハンドメイドという手法で生産したために、エンジンがたかが直4・1.6Lであるにも関わらず、今の貨幣価値にして約500万円級のスペシャルティークーペだったことを思うと、当時の最新技術を惜しみなく採用したトヨタ2000GT以上に、敷居が高いクーペだったのではないか、と推測しています。(思えば、初代シルビアも同時期でしたね。13じゃないですよ~、シルビアの初代は。)

 その後、プレス加工技術の改善と共に生産コストの削減を推進する形で、大きく2度に渡るMCを経て、後のピアッツアに後継を譲る1981年まで生産されました。


② 気に入ったところ。

 何といっても、ジウジアーロデザインによるスタイリングが、全てのきっかけであると言って過言ではないでしょう~。

 デビューして40年過ぎた今でも古臭さを感じさせないもので、新車当時から改造されるケースが一貫して少なかったので、現存率が比較的高い車種でもあります。

 実際に試乗してみて正直非力なエンジンではありますが、モアパワーを思わせないバランスの取れた走りのスタイルには見どころありましたね~。

 この辺りは、むしろ今時の軽四コンパクトのCVTの方が余程ストレスに感じる部分ですが、おそらくドライバーの感性を逆撫でする制御が介在していないからではないか、と考えてます。

 今回乗ったクルマにはパワステが付いていなかったのですが、車庫入れ時を除けば、むしろSATを感じ取りやすいハンドリンクに思いました。


③ 気になるところ。

 というか、ここは70年代の日本車の宿命な部分で、これらを含めて全てを受け入れるのが、旧車乗りのエチケットなのですが…。

 例えば、シート座面のアンコがコシのないものだったり、ステアリング中立付近の遊びが大きかったり、ノンサーボゆえに相当の踏力を必要とするブレーキだったり、ELR式でないシートベルトで脱着に時間が掛かったり、エアコンが付いてても効きが弱くて当てにならなかったり、ですね。

 ちなみに後席は、お尻を前にずらして寝そべった姿勢で座れば、身長170cm級のわたしでも納まる空間です。

 とはいえ、座面形状が前上がりで多少の工夫はありますが、何せシートベルトが後席は2点式で、どの程度ホールドしてくれるかは未知数ですが…。


④ ライバルと比べて。

 当時の一般認識として、クーペ=スポーツカーだった故に、Z・スカイライン・セリカ・サバンナが若い世代に人気で、大人たちは2ドアに乗りたがらず、クラウン・セドリックが主流な時代でした。

 多くのクーペが改造の対象だったり、若い世代の無茶な運転による事故・廃車で相当の数が淘汰される中、117クーペに乗るというのは、当時ではその言葉はなかったけど、超モード系の富裕層だったのですね。

 117クーペに限らず、日本車離れしてた当時のいすゞ車は、相当なエンスー車だったのでしょう~。 


⑤ 総論。

 やはり30年以上前のクルマなので、乗りっぱなしは厳禁で、こまめなメンテナンスを惜しまないことが、このクルマに乗る最低の最低条件ですね。

 ただ、ドライバーのメンタル的な進化・成長を求めて、あえて世代の新しいクルマから乗り替えてみる、というのは相当ありです。

 反対に、クルマ本体が便利に快適に進化した今、反対にドライバーの資質が落ちているのが、今のクルマ社会の現状なのですから…。

 判定::文化遺産。今、又は将来エンスー物件に・・・。

                                          2009年09月27日 加筆訂正有

Posted at 2012/10/30 17:50:03 | コメント(3) | トラックバック(0) | いすゞ | クルマ

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「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
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