スバル インプレッサ 5ドア 1.5i-Sリミテッド・プレミアムパケージ FF 4速AT(185.9)(勝ち点5) vs フォード クーガ トレンド(335) vs プジョー RCZ RHD 6AT(399) vs BMW 523iセダン Mスポーツパッケージ(659)









今回もまた、贅沢な新車対決となりました・・・。
ここでまた、ルノーメガーヌRSに引き続き、森慶太氏絶賛のフォード・クーガの登場となり、今度こそ殿堂入りするのでは…と思いましたが…。
出来は素晴らしく、油圧式パワステの恩恵でナチュラルなステアフィールを実現しているところでは、先のルノー以上に思いました。
一見するとハリアーやムラーノに似たキャラクターですが、本筋はハンドリングカーとして絶賛を受けてきたフォーカス・モンデオ・フィエスタの末裔なのです。
運転環境の素晴らしさは然ることながら、後席着座位置を前席よりも高めに設定することで、心地よい居住空間を実現している辺りは、先の日本車勢では見えにくいところです。
エンジンは直列5気筒2.5Lターボと通常のトルコン式6速ATとの組み合わせで、駆動方式はFFベースの四駆になります。
森慶太氏曰く、クーガの最も素晴らしいところは「安心して真っ直ぐ走れること」ですが、その恩恵を十分に感じ取ることが出来、狭い路地でも安心して走ることが出来ました。
唯一、ターボの加給によるトルクの急な立ち上がりが若干気になった程度で、走りの質感面では、この企画で殿堂入りしたメルセデスV350のオルタナティブとして、十分に通用するだけの資質を持っていました。
と、絶賛しているクーガですが、それ以上にBMWのセダンに惹かれたのです・・・。
実を言うと、去年のmixi時代の新車対決では116i・320iと共に勝ち抜きし、特に116iは年間殿堂入りを果たした王者なのです。
それ以来、BMWに試乗する機会に恵まれず、今回初めてみんカラで取り上げることとなったのです。
今回試乗したのは、昨年FMCされた5シリーズでもエコカー減税対象車として売り出し中の523i。しかも、後に追加されたMスポーツパッケージです。
昨年ノーマルの528iに乗って、先代のアクティブステアリングのあまりの不自然さは解消されたものの、先々代E39時代のナチュラルさは戻らず、軽目のステアフィールで締まりに欠けた乗り味に感じたものでした。
Mスポーツパッケージが装着されたことで、より硬質な肌触りなシート生地になり、ショルダーの張り出しが強いスポーツシートになり、専用スポーツサスペンションになり、これまでの高級サルーンらしいコンフォート性をキープしながら、よりスポーツドライビングに対応した設定となっております。
確かに新型5シリーズ。実用セダンとしてのパッケージングは、決して一級品とは言い難いです。
二世代前の7シリーズ同等のボディサイズに拡大しながら、室内の居住空間は先代と然程変わらず。
後席環境も、前席よりも着座位置があまり高くなく、その意味ではクーガに見劣りするくらいです。
それでもクーガ以上に魅力を感じたのは、高級ブランドに相応しい内外装の質感・立て付け・ボディ剛性感を持っていて、今回のMスポーツでもかつてのE39並の自然さは戻ってはいないけど、先代E65よりかは遥かに自然になったステアフィールを持っていたところです。
一見、ならばやっぱり、E39の方がいいのでは…と思うのですが、2世代前となると外観の古臭さは隠せず、それに決して安くはない修理代を注ぎ込むリスクを考慮すると、最新型にそれほど違和感なく乗れるようになったことは、やはり素晴らしいことなのでは…と思うのです。
細かいことですが、朗報としてパドルシフトのロジックが変更され、左側がシフトダウンで右側がシフトアップの方式になり、操作性は飛躍的に向上したのは大きな加点要素で、最新の3シリーズも対応しているとのことです。
そして何より523iが気に入ったのは、直列6気筒NAであることで、エンジンを回して楽しむ魅力に富んでいたことです。
昨今の欧州車では小排気量ターボで賄うケースが多いのですが、今一度NAのトルクの自然な立ち上がりを見直してもいいのでは…と思うのです。
しかもBMW伝説の直6で、今や世界唯一となり、レッドゾーンまで回してもガサツさがないために、エンジンの魅力を思い切り堪能できるのです。
改良されたとはいえ電子制御の入ったステアリングや8段に多段化されたATには全面的には賛成しかねるところではあるのですが、高級ブランドらしい出来に、改めてBMWの魅力を見直したところでした。
その意味で、今回の対決では分が悪かったRCZでした。
プジョーもシャーシの素性は高く、308も3008も素晴らしく、スペシャルティークーペらしくより太めのアーム類を使って、よりスポーツ性の高い走りで魅力的なのはいうまでもないのですが、あくまでもスタイリング重視のクルマ、ですね。
単純にスタイリング重視と言えど、コンセプトカーのデザインを極力再現して市販化させた技術には、敬意を表したいと思います。
車両感覚が運転環境が云々する以前に、斬新なデザインを着る感覚で乗るクルマというキャラで、単純にRCZが好きか否かで、オーナーになるかどうかが決まる1台です。
ただ個人的には、どうせRCZにするなら左ハンドルMTを選択したいところです。
というのも、右ハンドル化したころで、ABCペダルが後退して運転環境への影響が少なくないこと。
そして、ハンドル位置が変わったことでブレーキマスターシリンダーがワイヤーを介して作動することで、スポンジーなブレーキフィールになったと思われるフィーリングがあったこと、がその根拠です。
といった今回の新車対決でしたが、高級ブランドの意地でBMW523iの勝利となり、価格差で半額をわずかに超えるクーガとRCZで各2点、安いインプレッサで1点獲得し、勝ち点5点で次回に持ち越しです。
Posted at 2011/03/14 18:51:27 | |
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