今日の松の五選
(8)
1・20 (秘) 1・16

1・19

1・16

1・24
今日の圏外;;
1・31

1・31
今回、レクサスブランドを日本で立ち上げてから初めてのFMCとなった、新型GSになります。
レクサスブランド立ち上げ当初は、先代GSとソアラから移行したSCの2車種でスタートしました。
発売当初は、レクサスブランドでは最高級なサルーンとして人気を誇るも、セルシオがLSに移行してからは、よりコンパクトでスポーティーなISとの狭間で、悪くはないけれど内外装が素っ気無いと顧客に評価されることが多く、その存在意義が薄れつつありました。
そこで2代目では、日本人にとって斬新に感じるデザインへと改められ、それはトヨタブランドのクラウンのテカテカした高級感の演出とは異なる、欧州車的な落ち着き・品の良さから醸し出す上質感を打ち出したものへと変貌を遂げました。
そして、昨今のダウンサイジングトレンドに倣い、先代にあったV8ガソリン仕様のGS460をカタログ落ちとし、代わりにV6・2.5Lガソリンエンジンを搭載したGS250を設定しました。
ISの途中から採用し、レクサス車により大きなインパクトを引き出しているFスポーツが、ハイブリッド専用ハッチのCTに引き続き、第3弾として新型GSにも設定されました。
良くも悪くも中庸だった初代GSに、内外装からインパクトの強いデザインを用いた新型GSのインプレッションを、2グレードで順に執筆していきたいと思います。
レクサス GS250 Iパッケージ 6速AT (550)



最初は、新たに2.5Lが搭載されたGS250で、標準仕様からそこそこ豪華装備を追加したIパッケージになります。
冒頭から苦言にはなりますが、ディーラーオプションと思われるエアロと標準の17インチとの組み合わせは、何とも貧乏臭くてレクサスブランドのイメージダウンになりかねないカッコ悪さで、出来ることならエアロ付けるならいっそのことFスポーツで、F以外のグレードならエアロなしで行った方が、より品格が上がると思うのですが、いかがでしょうか?
と言うと、とかく好みの問題で済ませる向きもありますが、ウィッシュ辺りと同じ感覚で販売するわけには行かないが故に、高級イメージの低下にならなければいいな、と懸念したところです。
エアロの件は置いといて、運転環境はこれまでのアリストの血を引き継ぐものであり、低いステアリングコラムをベースに、低く寝そべった姿勢が前提である部分は、変わりないところでした。
そして、肝心の一回り大柄なGSボディに2.5Lとの組み合わせですが、さすがにパワフルで余裕があるとまでは言えず、必要十分な動力性能は保っている、といったところです。
それ以上に問題にしたいのは、トルコンの制御がBMWやメルセデスと比較すると、明らかにルーズであり変速速度が遅く、あくまでもシフトショック軽減を優先したものである、ということです。
それは、ドライブモードセレクトをスポーツに設定しても、尚発進時の加速はもっさりしたものであり、上記の印象になった、ということです。
電動PSによるハンドリングは、良くも悪くも中庸であり、BMWのアクティブステアやメルセデスのような癖はないものの、ステアリングインフォメーションも弱い、といったものです。
さすがに、意図的に思うほど遮断されたクラウンよりかは情報量は多いですが…。
パッケージングに触れると、先代に引き続き後席特に頭上は大して広くなく、タクシー要件には向かない言わば4ドアクーペの一種と思って間違いないです。
やはり、ドライビングを楽しむなら3.5LのFスポーツかな?と思いつつ、期待します。
レクサス GS350 Fスポーツ FR 6速AT (680)



ハイブリッドのGS450hの発売が3月であることから、今のところ最もスポーツ性の高いGSではありますが、外観のインパクト程の強烈なスポーツサルーンとしての表現は薄く、むしろ通常のGSに近い走りのデザインに仕立てられてました。
先の2.5Lでトルコンのルーズさが気になったのですが、この3.5Lでも基本的な特性は同一であり、スピードが乗った後の加速では1Lの余裕で上回るものの、発進時のトルコンの鈍さにより加速のもっさり感はそのままだった、ということです。
こちらも、ドライブモードセレクトがスポーツ+以外の設定であれば、基本的に通常のGSと同様の操舵力は軽いけどインフォメーションは薄め、といったものです。
ただスポーツ+にした時には、ステアリング初期応答性が敏感になるのですが、それが荒れた路面で修正蛇を必要とする場面を作り、ステアリング中立付近での敏感さが返って路面からの情報が伝わりにくくしている、という部分でネガティブなところはありました…。
とかく日本車のATがルーズに感じることが多いのですが、それには訳があって、Dレンジモードでは減速時に自動変速でシフトダウンはするものの、再びアクセルを踏むまでの間はクラッチを切った状態になっているため、アクセルを踏み始めてからシフトダウンするような乗り味になっている、とのことです。
というのも、日本製高級車を求めるお客様は、減速時にシフトダウンしたシフトショックを感じると違和感を感じるそうで、そのために意図的に上記のような制御にしているが故なのです。
よって、本気でスポーツしたいならば、同クラスのサルーンだったらBMWの方が、日本車だったら前回紹介したZ34の7速ATの方が、俄然向いているということなのです。
という訳で、このFスポーツ。本格的にスポーツするにはイマイチお勧めしかねるところであり、Fスポーツ史上ではハイブリッドのCT200hの完成度には至っていない、というのが結論です。
ただ、3月発売のGS450hで電気式無段変速になるため、かなり好転する可能性は高いですが…。
(追記)
みん友さんから、新型GSの全幅が1.8mを超えたことについて苦言されておりましたが、確かにここ最近の世界的な留まることのないサイズアップに対して、何らかの歯止めが必要であることは、わたしも認識しているところです。
ただ、全幅だけ取り上げて議論すると、細長いプロポーションを正当化し、それによりハンドリング・コーナリング性能・コンフォート性等と言った走りの資質に歪みの生じかねることになり、もし全幅を狭めるのであるならば、全長・全高も同時に縮めて初めてバランスが取れるのです。
となると、それならいっそのこと小型車をどうぞ、ということになりますよね?
よって、今後もですが、わたしが執筆する際は、小型車に対してはサイズにシビアになって狭い道路での使い勝手などにも注目していきますが、大柄な車種に対して同じ指標で見てしまうと、その存在すら否定しかねない一種のファシズムになりかねない危険性をはらんでいるため、サイズの大きさによる不便さはある程度許容することを前提とした執筆内容になるように、配慮して書くようにしたいと思います。
それと、5ナンバーサイズに固執して選択肢を狭めること自体、個人としても面白くないし、退屈に思う人も少なくないはずです。
なので、大型車に興味ないという方は、どうか大きいクルマの時はスルーして、興味ある小型車の時だけ見ていただけたら、それだけで十分満足なのです。^^