久々の開催となりました、わたしの五選カーオブザイヤーは、引き続き参加者募集中ですが、早速主催者からも発表させていただきます♪
ワーストカー編の基準としては、クルマという一つの動態としての致命的弱点を抱えているもの、という如何なる時代の流れにも関わらず、個人的には不変の基準で選考しました。
1位 トヨタ アルファード / ヴェルファイア
悲しいかな、日本国内でのミニバンマーケットでは、理論的に有効なパッケージングよりも、見た目の派手さ高級感威圧感が優先され、日産の海外向けLクラスミニバンを日本風に手直ししては、むしろ底上げで重心が高くなってるトヨタ勢に、大きく販売台数で負けているという現実が、それを物語ってる。
今回のアルファードで言えば3代目に当たる新型で、よりその傾向を強め、ガラスのウエストポイントがより高くなり、着座姿勢はより脚を前に投げ出して背もたれを寝かせた姿勢で設計され、ウエストラインから下側の死角を増やしてしまってる。
そして、2列目シート位置が前列よりも低めに設置されて、前方の見晴らし性が悪化し、運転席側との一体感に欠けて、最悪ドライブ中は外の景色よりも、モニターに映された動画に夢中、何て事になりかねない、不幸な家庭環境のきっかけにもなりかねない危険さ。
それでも、以上の弱点を把握した上で、自らを律して謙虚に最大限の安全対策を施したうえで使用なさっているユーザーさんは、むしろ尊敬に値するし、シートベルトすらしない輸入車ミニバン乗りよりは賢明であると断言するけれど、メーカーの販売戦略からして、目先の高級感威圧感に目がくらむユーザーの方が圧倒的に多いに違いないだけに、一般ユーザーへのミスリードの一つではないか?と心配になるのだ。
そんな中、あらゆる仕様に試乗して、どのモデルを選べば良いか?は自分なりに捜し当てたつもりになってる。
真っ先に外したいのは、V6の3.5Lモデル。
排気量の割りに低速トルクが薄く、無用に高くなった重心と重い車重、ハイパワーモデルでも強化されてないブレーキで、正直アクセルを底まで踏み込むのが怖いクルマだと思った。
高級車らしい静粛性を求めるならハイブリッドだけど、静かなのはモーターのみで稼動している時のみで、主幹道路への合流等で加速を要するときは、ガソリン以上に重い車重と相まって、4気筒エンジンが唸りを上げて高級感が抹消されてしまう。
となれば、消去法でガソリンの直4モデルとなり、今回の新型においては高額モデルとの格差が小さくて、且つ走りのバランスが良い最廉価グレードを推奨したい。
2位 トヨタ シエンタ
ミニバンが日本のファミリーカーのスタンダードになって長い年月が経つけれど、ママチャリ感覚の自己中さには腹ただしいものがある。
ポロ級のBセグメントカーで3列シート車が、日本国内でガラパゴスの様に増殖したのだ。
彼ら彼女らの言い分はこうだ。
取り回しやすいコンパクトボディで、いざという時に7人若しくは8人乗れる3列シートが欲しいだ!
すると、乗り降り性にも考慮して軽ワンボックス派生がNGとなれば必然的にBセグメントFF乗用車ベースとなり、本来ならば荷室になるような空間に3列目シートを設置することになる。
果たして、追突時の3列目シートの乗員の安全性が確保出来るか?が疑問になるのだけれど、自らは普段は3列目シートには座らないから解らないらしい。
そんな解らない席に、大切な家族を平然と乗せるガバナンスの無さは、もっと盛大に問題視されてもおかしくないはず!
で新型シエンタだけど、確かに旧型よりかはボディサスペンションに剛性感は増した印象だけど、ステアリングコラム低めで運転環境への違和感は払拭されず、オプションの16インチアルミ装着のガソリン仕様のみに試乗したけど、ライントレース性が良くない感じはした。
今後、標準の15インチ仕様やHVにも乗って詳細に分析はしたいけれど、少なくとも使う人の事を最優先して設計されたクルマには思えなかった。
3位 ホンダ レジェンド
選考理由を率直に言えば、純粋に高級車としての出来が良くなかったから。
その最大の要因は、先代の4駆システムに加えてハイブリッドシステムまで組み込んで、結果車重2t弱のLクラスミニバン級に重くなった事に思う。
そもそもレジェンドの車格は、レクサスで例えてLS級ではなく、精々GS級。
そこに唯一の設定タイヤの19インチとの組み合わせで、轍の大きな路面で直進性を欠く挙動を見せて、高級車らしかぬ不安を残す乗り味に終始。
この場面で、重さに耐えるには荷が重い土台の弱点もあるのではないか?と推測したのだ。
ここ最近のホンダ車は、ハイブリッドにはツインクラッチDCTを組み合わせるのだけど、パワステも電動に移行して少なくとも旧型にあったナチュラルなフィーリングまで失われてしまった。
中級サルーンでもハイブリッドにしとけば、マーケットのイメージが良くなって良いだろう的な、机上の空論で作られたような気がしてならない。
4位 ダイハツ ムーヴ / スバル ステラ
昨年ベストセラーにタントになったことと相まって、ムーヴはもはや実用車である必然性がなくなったかのような、6代目へのFMCに思えた。
それはまた、着座位置が高い割りにステアリングコラムが低いMAXの悪夢の復活でもあった。
今度の新型ムーヴはカスタムありきで設計された事で、本来ならば実用性重視のユーザーにアピールするはずのカジュアル系が、抜け殻のようになって魅力が激減したのは非常に手痛い。
肝心のカスタム系も、マイルドヤンキー御用達のデザインで飽き易いような傾向、と言ってる当方は既に飽きてますが。
5位 ホンダ S660
S660の最大の問題点は、スポーツカーとしては余りにもダイレクトさに欠けるハンドリングで、初期応答性重視でリニアさに欠けるステアリング特性。
率直に言えばゲーム感覚の操縦性で、26歳の若手が開発主査に抜擢された事が話題を呼んだけれど、実体験でのドライビングが浅いような印象を受けたのだ。
スポーツカーとしての資質で問題視するのは、N系と共用のエンジンが低速トルク重視型で加速性にドラマチックさに欠ける事。
室内スペース重視の引き換えで縦方向にスペースを取るエンジン本体で、前側に傾斜させて少しでも重心を下げようという痕跡が無いこと。
2ペダルの需要が多いのは理解してるけど、高回転域が使えないCVTを平然と採用していること。
ピュアスポーツカーじゃなくて、スポーツカーの形をしたNワゴンがお望みならば、むしろS660は相応しいのだけれど。