扇情

　全国紙・産経新聞のニュースサイト「産経ニュース」の配信記事から『米国在住の男に逮捕状　千葉などの寺社に油をまいた疑い　急遽ルート変更以降、国内に来ず』に呆れる。


　ネット上に渦巻く、容疑者に対する民族差別的な言動には与しない。
　外交関係に絡めるのも相当に無理があるし、何より在日同胞が最も迷惑しているに違いない。

　しかし宗教者として、明らかに適性を欠くことは指摘しても差し支えなかろう。



　町場に点在する、自宅軒先を改装したようなスタイルのキリスト教施設を運営するのは、在日系の団体が多い。
　寺社汚損事件を惹き起こした集団も、創立当初はそんな純朴な団体の一つだったのだろう。

　一方で主宰者がアメリカ在住だからか、いわゆる「テレビ伝道」にも通底する扇情的な宗教活動が、ネット上にも公開されている。

　テクノロジーやメディアを活用し、新しい活動スタイルを確立した手腕を見るにつけ、カリスマ性や組織運営能力の高さを認めるに吝かでないが、報道で伝わる言動は須らく荒唐無稽で、宗教的な正統性が全く感じられない。


　組織をより大きくしたかったのか、或いは熱気に中てられ集会に参加していた信者が次第に冷めてきて、離反を始めたのか。どちらにしろブレイクスルーを期し活動をエスカレートさせた先が、寺社に対する汚損事件だったのではないかと推測する。



　逮捕容疑となっている建造物損壊罪は、有罪となれば5年以下の懲役刑が定められているが、この医師を刑務所に閉じ込めていても、ひたすら手前勝手な思索・妄想をを巡らすだけで、恐らくは何の反省もしない。

　可能であれば刑執行の一環として、汚損した全ての寺社において、衆人環視の中で跪き油の除去作業に従事させたいものだ。