希少なタイカブオーナーの方々の中で最も興味を持って頂いたのはロングシートとリヤキャリヤで複数のお問い合わせを頂きました。もう少し詳しい情報をというご依頼を頂きましたので、過去に撮影していた写真を元にご紹介させて頂きます。
まずはロングシートですが、これは中国DAYANG 社製 DY100 用の純正部品です。
DAYANG DY100
以前にブログでも紹介していますが、DAYANGとはタイホンダが90年代に技術支援した中国の二輪メーカーで、当時タイホンダで生産していたスーパーカブ100を中国で現地生産したモデルが DY100です。
ロングシートのヒンジ部はカブシリーズにボルトオンできますが、私は先端部分の高さとシート全体の座りを調節するため、ヒンジと取付部との間に1cm厚のゴム板を挟んでいます。それ以外の加工はしていません。
後部にシートを車体にロックするためのフックが装着されており、車体フレームに受け具と後方左側サイドカバーにキーシリンダーを装着して給油時はメインキーでロックを解除する仕様で、スーパーカブ100の後部ステーにも左後部にキーシリンダーを貫通する為の穴が予め用意されています。しかし、肝心の車体側フレームに受け具を取り付けるステーがないため、今回受け具も併せて購入したものの、ロック機構は付けませんでした。ガソリンキャップには元々キーロックが付いているため、特に支障はありません。
ロングシートを取り付ける際には、写真上の大きなパネルを外し、代わりに下のロングシート用のリヤパネルを取り付けます。
既存のパネルを切断するという方法もありますが、上の写真の通りシートとの隙間を埋める盛り上がるラインがないと隙間が空いて間抜けな感じになってしまいます。
これがシートのみ装着した写真です。スタイル的にはこれで充分ですが、メインスタンドをかける時にリヤを持ち上げる持ち手が無いため、少し不便です。
続いてリヤキャリヤですが、DY100用のキャリヤはビジネス仕様のスーパーカブ100のフレームにはボルトオンできません。後方側はステーを延長すればよさそうですが、スーパーカブ100の純正リヤキャリヤは前方が垂直にネジを取り付ける形状となっており、キャリヤ側のステーを少し切断したうえで L字型のステーを追加する必要があります。
こうして見るとスーパーカブ100にはプラスチック製のサイドカバーにリヤキャリヤステー用の溝が最初から設けられている事が分かりますね。
ホームセンターでステー類を物色しましたが良い方策は見つからず、完璧な固定をするためには溶接が不可欠と思い、金属加工を引き受けてくれそうな業者をネットで探しました。すると自宅に近い千葉県印西市にワンオフ加工を扱っているバイクのカスタムショップを見つけました。早速伺い見て貰ったところ、受注可能との事でそのまま車体とキャリヤを預ける事となりました。少し作業が立て込んでいた様で納期は2週間でした。
予定通りに加工が完成したとの連絡を頂き、早速取りに行くと既に店先に準備されていました。23年落ちのスーパーカブ100が新車の様に見えますが、周りの古ぼけたバイク達は部品採り用かと思いきや、カスタム依頼者が引き取りに来なかった物が複数含まれるとか。勝手に処分も出来ず、店主も困っている様子でした。そんな事があるのですね。
話しを戻し、自宅に帰って加工部分を塗装します。今回加工費用を少しでもセーブする為、錆止めの塗装は自分でする事にしました。
塗装する以外の部分をマスキングし、加工したステーをシルバーに塗装しました。
そして再び車体に取り付けます。3mm 厚の鉄製ステーをしっかりと溶接して頂き、車体に合わせてチリも調整して頂きました。今回お願いした加工自体は金属加工の工場でもできると思いますが、この最後の車体に合わせた微調整は、やはりカスタムショップならではのもので仕上がりに差が出ると思います。
さて、これでめでたくロングシートとリヤキャリヤが付きました。やはり車体に合わせたデザインなので、完璧なフィット感です。しかし、フレームを共通にして貰えればこんなに手間ヒマお金を掛けずに済んだのですが・・。
そもそもこのキャリヤを付けたかった理由はトップケースを装着したかったからに他なりません。出先で物を保管できるトップケースはとても便利です。
最後にこれら部品の入手方法ですが、私は中国の通販サイト、タオバオで購入し、中国の同僚宅に送付して預かって貰い、仕事で中国を訪れた際に纏めて持ち帰っていました。今は中国に行く機会がなくなったため、この方法は使えません。日本にいる中国人と知り合いになり、本国に戻った際に購入や海外発送を手伝って貰うのも手かもしれませんね。
Posted at 2018/10/15 09:09:05 | |
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