中国当局によるウイグルの大弾圧に心を痛めています。
写真は私が良く行く
ウイグル料理店の主人であるエリさんと私です。
ちょっと遅すぎたような気もするけど、どうにも我慢が出来なくなって書いてしまいました。
ウイグル自治区では41%の漢民族と46%のウイグル族が住んでいるようです。
日本のニュースではなんの躊躇もなく、「
ウイグル暴動!」
なんて書かれているけど、ちょっと考えれば天安門事件やチベット弾圧で大量殺人を行い、その後処理(つまり、掃除)を組織的に大規模に行って、国際的な反発を受けないようにしていたことを思い出すことが出来ると思います。
これが日本で、東京ドーム一杯の人が一晩のうちに粛正されたと考えてください。
組織的に隠されたなんてことがあったら、ただごとではないでしょう。
これに比べたら選挙のために目先の票のための政争をしているのがばかばかしくなります。
では、私たちは何が出来るでしょうか?
とても頭を悩まします。
何も出来そうにないです。。。
私は漢民族にもウイグル人にも友人がいます。
前の会社ではとても馬のあった漢民族の上司がいました。
個人レベルでは漢民族が悪いのだ!!なんてとても決めつけられないです。
戦前の日本だって、常識のある日本人だって多かったに違いありません。
とにかく、平和の実現になにか動き出して欲しいです。
切なる願いです。
「暗闇の中で、1万人のウイグル人が消えた?」
日本のマスメディアの多くが、「中国当局の発表によると」との“ことわり”は入れつつも、この数字を半ば事実と認めたかのような報道をしてきた。筆者がそのことに触れた途端、カーディル議長はぐっと身を乗り出し、新たな戦慄の情報を語った。
ラビア・カーディル世界ウイグル会議議長。元は中国政府も表彰するほど成功した女性実業家ながら、1999年に反政府活動をしたとして逮捕、投獄される。05年にアメリカに亡命、06年にノーベル賞候補となる。現在2人の息子が中国当局に拘束されている。(写真:筆者提供) 「問題はその日の夜なのです。日没後、ウルムチのウイグル人居住地区が数時間にわたって一斉停電した。その後数時間、絶え間なく暗闇のあちらこちらで銃声が鳴り響いたそうです」
その不気味な様子は、密かに撮られた映像が後日インターネット上に公開された。デモの参加者ではなく、周囲で見ていただけの人も大勢銃弾の犠牲になったと推測されている。
「結果、翌朝には、その地域で約1万のウイグル人が消えたとの情報があります」
「消えた? 拉致されたのですか?」と問い返すと、「殺された者、逮捕された者……。いずれにせよ、一夜にして消えたウイグル人が1万にものぼるというのです。当局は、死傷者をすべて車に放り込んで運び去った。だから、家族の元には遺体さえ残っていない。消えたとはそういうことです」
にわかに信じられず言葉を失っていた筆者に、議長はその情報源の一部を明かしてくれた。事件当日、現場を目撃した後外国へ逃れた人からの情報、さらに別の相当信頼に足ると思われる情報源がある。同じ情報源に、アメリカ政府筋も注目していると、後日、別の筋から聞いている
「当日この『作業』に投入された当局の人員は、2万5000人との情報もあります。1万人のウイグル人を消すのに2万5000人。暴行や殺戮の痕が残らないよう、付近の道路などをすっかり洗い上げていったとも聞いています」
天安門事件前後の話でも、同じようなことを聞いた憶えがある。事後ただちに、当局は、人の血が流れた街路を「洗って」、目に見える証拠を消したのだ、と。
東トルキスタン全体が牢獄になっている
在米ウイグル人らによると、事件から2週間が経ってもウルムチから数百キロ離れたところに住む親戚に電話は通じないという。「今、私の故郷では、実際に牢獄に入っていない人でも、牢獄につながれているのと同じです。東トルキスタン全体が牢獄になっているに等しい」
この言葉も、別のところで聞いたことがある。同じく中国当局から烈しい弾圧を受けているチベット人は、昨年(2008)の北京五輪後、当局の住民監視が一層厳しくなったことを評して、「もはやチベット全土が巨大な監獄となった」と語っている。
中国共産党が、過去60年にわたって行なってきたウイグル人への弾圧のおぞましさは筆舌に尽くしがたい。宗教弾圧はいうに及ばず、暴行や虐殺、不当逮捕、強制労働、拷問、公開処刑、女性への性的暴行、子供や女性の拉致、強制堕胎等……。こうした行為が今日も行なわれているとの報告は枚挙に暇がない。
一見、日本の街と遜色ないかと思うほど発展した、新疆の都市部に暮らすウイグル人でさえ、信じがたいほど前近代的な社会的差別の中で生きている。近年の中国の経済発展に伴って、ウイグル人にとっての厳しい状況が改善されるどころか、むしろ悪化していることが問題なのだと、カーディル議長は語る。
「大学卒業者でも道端でスイカ売りをするしかない。ウイグル人の20~30歳代の男性の7割近くが定職をもてない。それが実態です。能力の如何に関わらず、ウイグル人はまともな仕事にはつけないのです」
この話を聞きながら、あることに思い至った。これまで、ウイグルやチベットでの弾圧の実態を伝えようと努めてきたつもりの、筆者を含む日本の言論人は、実は一種の「勘違い」を誘発してきたのではないか。
――ウイグル人やチベット人は、母国語であるはずのウイグル語やチベット語での教育が許されない。一方でウイグル人やチベット人は中国語での読み書きができないから、仕事に就くにも不利である――。
こうした話は、最近、日本の報道等でも伝えられる。勿論これも由々しき実態なのだが、それを強調することで、別の現実を見過ごしかけてはいないか。現代では、漢民族と遜色なく中国語を話し、書き、そのうえ高い教養を身につけているウイグルの若者も少なくない。しかし、そういう人でも漢民族と同じ就職、昇職の機会は与えられないのだ。
他方、日本を知るウイグル人は、日本のメディアが「漢民族とウイグル人の経済格差」ばかりに焦点を当てることにも疑問を呈した。「貧乏がつらい、という不満ではない。ウイグル人を人間扱いしないことが問題なのです」
世界ウイグル会議の関係者は、別の情報も明かした。「ウルムチでの事件後、地元政府は、漢民族、ウイグル人を問わず、役人と党員に指令を出したそうです。『お前たちの将来は今にかかっている』と」
指令の真意はこうだ。「ウイグル人の『危険分子』を一人でも多く摘発しろ。その実績如何でいい地位を約束してやる」。事件後、家宅捜索は続いているという。もとより証拠の真偽など問われないから、「でっち上げ合戦」となって無実のウイグル人が大勢犠牲になるだろう、と在米ウイグル人はため息をついた。
青龍刀をふりかざす漢民族暴徒が物語ること
ウルムチでの事件後、事態は「漢民族住民VSウイグル人住民」の対立に発展したと伝えられ、関連映像は日本のテレビでも流された。
「長い青龍刀をもつ人が何人も見えたけれど、あんなもの一般市民がふつうにもっているのですか? 中国には銃刀法はないのでしょうか?」
至極当然の疑問が、コメンテーターの一人から漏れた。ただ、この人がまず認識すべきは、中国という国には、どれほど立派な法律があろうとも、それが守られるシステムも保障もないという点である。さらによく映像を見ると、漢民族暴徒が、同じ規格と思しき「鉄パイプ」や刀をもっているようにも見える。
「新疆では、制服を着た警察や軍人だけが『弾圧部隊』ではないのですよ。ふだん農民や商人として生活している人でも、突然豹変してウイグル人を弾圧する」
在米ウイグル人はこう語り、「ウイグル人に対しては何をしても許される」というのが、新疆での漢民族の間の不文律だと明言した。あの鉄の棒も青龍刀も、当局筋が用意し配ったものではないか、と彼らは口を揃える。
1955年の新疆ウイグル自治区成立後、軍とともに、多くの漢民族入植者が送り込まれてきた。その多くが日ごろは人民解放軍出資の企業や農場で働き、「いざ」となれば、武装する仕組みだったのだという。
新疆に限らず、各地の軍が「自活」のため、正体を隠しつつさまざまなビジネスに精を出すのは人民解放軍の「常識」だ。その業態は、軍事とは無関係に見える、農水産業、製造業、サービス業など多岐にわたる。中国に進出する多くの日系企業が、その正体を知りながら、あるいは知らずに、人民解放軍系企業と取引している事例も少なくない。
資源が豊富な新疆では、その利権のすべてを当局がコントロールし続けることが大命題だ。そのために、官民一体のウイグル人監視が機能し続けている。カーディル議長は、今回の事件で、鉄パイプや青龍刀で武装した漢民族の「暴徒」は、一般人ではなく、当局がしのびこませていた「私服警察」だと思うと述べた。しかし、ある亡命ウイグル人はいう。
「中国で、一般人が『ウイグル人弾圧』に加担するよう煽るのは簡単です。あの国では多少金をもっている連中でも心の中に憤懣を溜めている。そういう社会なんですよ。その捌け口を政府に向けさせないために、政府が民族同士の対立という構図を作り出して国民を操るんです」
この複雑な現実に対して、日本人は一体何ができるのか? カーディル議長はいう。
「日本政府、政治家の方々には、中国政府に対して今回の事件について国際的な調査を受け入れるよう求めていただきたい。財界の皆さんには、新疆に進出している多くの日系企業でウイグル人の雇用が促進されるよう、採用を工夫していただきたい」
私たちの便利で豊かな日常生活が、ウイグル人弾圧の仕組みと密かにつながっているといっても過言ではない。この現実をどう認識するか。まさに日本人の良識が試されている。