2025年09月28日
収穫時期と食の安全を考える
秋分の日を過ぎ
季節は秋を迎えました。
日中は暑さを感じる事がありますが、朝夕は幾分過ごし易くなって来たように思えます。
今回の「稲作農家のひとりごと」では稲の農薬について書こうと思います。
「農薬」と聞くと殺虫剤・病気の予防?という言葉が連想されます。更にその先にはソレって・・大丈夫なの?という考えと、10人が10人!残留農薬は?といった2つの事が必ず浮かびます。
「食べても害はないのか?」
必ずココに行き着きます。先ず我々が使っている農薬について少し触れておきます。
お断りしておきますが、これ等を製造販売している会社を揶揄や批判の意図はありませんm(__)m
除草剤・殺虫剤・病気の予防の薬と大まかにはこのような感じです。
田植えの前には除草しますので、除草剤を使う人も居ます。
例・・サンフーロン・ラウンドアップ・ザクサ・カーメックス等
次に種籾の消毒にはテクリード・スミチオン等
苗箱にある苗には田植え前に箱苗処理剤ルーチンアドマイヤー・ハコガードなど
そして圃場に移植した後には、除草剤を散布します。
春に植えた苗が伸びて来た頃に稗や雑草対策の除草剤⇒クリンチャー・ロイヤントなどを散布する人も居ます。
そして8月末ごろから9月半ば頃に稲穂を食い荒らす害虫の駆除対策を敢行

動力噴霧器(動力散布機)で液剤や粉剤・人により粒剤を散布します。

コレは私の同級生が粉剤を散布している画像ですが、この場合、粉剤が風に流されています(ーー;)
コレは9月初旬の事ですので、たぶん薬剤はハスラー辺りではなかろうか?

ハスラーという薬剤は色んな効果が期待できます。殺虫効果は勿論の事、稲の病気にも対応したお薬
この粉剤は「DL剤」と言ってドリフト・レスという意味です
(飛散し難いという意味)

こっちのドリフトではありません。。念の為m(__)m
ですが意味合いは同じで要するに「ドリフトしにくいよ」という少し比重が重いと言われます。ですから早く下に落ちるんですね
稲の株元に落ちて根から吸収されます。
こういう動散機を背負い畦や田んぼの中を歩きますヾ(・ω・`

こういう薬は3キロ/袋ですから3袋位は入れたりしますね。機械の自重が2~30キロに薬剤が9キロ+散布のホースや私が使う噴口付きの樹脂製の長いパイプ3m位
のモノを担いで泥で足をとられる圃場の中を(保持して)歩きます
もう重いし(ーー;) 何度辞めようと思った事か。。。
今はドローンやラジコンヘリが多くなって来たと感じています。

色んな制約があったり費用の面からドローンが飛ばせない場所も多くあります。
粉剤を撒くと周囲の家や施設に迷惑がられ「止めてくれ!」と言われる方も一定数居ます。
私は必ず事前に告知しますし、夕方の風が落ちる時間を狙いますので、ドリフトを極力抑える意味では正解かと思います。
本題に戻ります。ココまでで数種の農薬を使用して来ました。
今「ネオニコチノイド」という物質が人の健康に影響を及ぼすのではないか?
と叫ばれております。

EU諸国では禁止されたとか言われてます。
今、日本で使われている殺虫剤には名称は異なりますが「ネオニコ」系のモノが流通しております。「ジノテフラン」「クロチア二ジン」「アセタミプリド」検索すれば沢山あります。
家庭用で使われる殺虫剤にも勿論入っています。
これを人が摂取する事で脳に及ぼす影響があるのでは?という考え方もありこれ等はどうしたものか?等 大学の偉い先生が研究をして公表しています。
また農薬ではないのですが食品添加物等は流通している食材に多く使われています
昔でいうと甘味料「チクロ」「サッカリン」といった強烈な人工甘味料等が有名でしょうか?私も幼少の頃はこれ等を摂取しておりました(-_-;)
でもそれらは使用できなくなり消えて行きました。
で、農薬のお話なのですが、私達稲作農家は「残留農薬」が無いように使用を心掛けています。
これ等薬剤には「収穫期7日前まで」とか「使用回数は2回まで」のようにきちんと明記されています。
更には「収穫期7日前まで」というボーダーラインに更に安全値を加えて少なくとも10日前とか2週間前には使用を止めます
それに農家さんによっては全くこれ等を使用しない方もいらっしやるのも事実です。

私は使用回数を1回・若しくは2回に制限しています。
害虫のウンカやカメムシにヤラレるとお米の収量に影響してきますし、美味しくなくて、色が付いてしまう(茶色の斑点)が出てお米の等級が下がっていまいます(ToT)/~~~
稲作に限らず農家さんは一生懸命に作物を育てています。
その意義は「美味しい」と言って頂きたいから「ありがとう」と言って頂きたいからの言葉に尽きると思うのです。
お米が高いなぁ・・消費者の皆さんが抱える悩みです。
ですが、少しでも安く安全で、美味しいお米を皆様に届けるのが私達生産者の義務だと思いますし、努力もしておりますm(__)m
最後に価格高騰も農業を取り巻く環境(気候・諸品の値上がり)の変化により経営を存続する為には仕方が無い部分もあるのです。
消費者の皆様にご理解頂ければと思います<(_ _)>
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Posted at
2025/09/28 10:14:20
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