前のブログでも、あっさり書きましたが、もう少し自分なりに思う所を書いてみます。
今思うとウィリアムズへのエンジン供給が終了と言う時点で怪しかったですよね。
いくら今シーズン、カズキが0ポイントでも、メインスポンサーだったイギリスの銀行RBSも
税金が注入され離脱は間違いない状況、そして昨年までいろんなブランドでスポンサードを
していたアイスランドのBaugurグループも破綻寸前で離脱という状況で、まともなスポンサーの
居ない現在のチームにエンジンフィー+αをもたらしているんだから、チーム側から、
エンジン&シート切り売り代も同時に失うカズキ放出はありえないでしょう。
という事は、トヨタ側からエンジン撤退の提案があったんじゃないでしょうか。
そう考えると、アブダビGP前後まではクビサが欲しい、そしてライコネンと契約したい、
そんな事を言っていたトヨタですが、そんな気は最初から無かったんじゃないかと思います。
上層部では決まっていた撤退を、ごまかす為なのか、それにしてもファンや現場の、
チームスタッフに対して、ふざけた態度としか言いようが無いですね。
同じ撤退するなら、なんでBMWやブリジストンのように前もって決めて公表できないのか?
いまは100年に1度の不況が直撃している自動車業界だから何しても許されるのか?
そんな事は無いだろ!!!
そして、なんで撤退して、チームを他へ譲渡する気が無いのにコンコルド協定を結んだのか。
可夢偉の走りを見て来年を楽しみにしたファンへの裏切りでもあるし、来年こそは勝ちたい!
と、意気込んだであろうスタッフの、絶望感を思うと、本当に泣けてきます。
撤退の会見で、チーム代表の山科さんは泣いてたけど、子供だって目の前の玩具を
取り上げられれば泣きますよ。あの涙で同情を誘われ、かわいそうとか、同情的な意見も
ありますが、とてもじゃないですが、そんなキレイな涙じゃないと思う。
今回のトヨタは昨年のホンダと同じで、とにかくタイミングが自分勝手すぎます。
昨年のホンダがラッキーだったのはコンコルド協定が、F1分裂騒ぎ、カスタマーカーの
問題もあり、奇跡的に結ばれていなかった空白期間に撤退したので、非難されないだけです。
突然撤退の罪としては、今年のトヨタと同じですね。
スタッフ視点で見ると、ラストランが出来なかった、昨年のホンダ、そして今年のトヨタ、
ラストランなんてつもりもなく、来年こそはとの思いでアブダビから戻り、聞いた発表でしょう。
不完全燃焼で突然ブツ切りされて、このタイミングで仕事を失う現場の身になってほしい。
まだ来年の可能性がわずかでもあり、前もってラストランだと分かって、来年用の開発パーツを
ガンガン投入して、やりたい事は、やりきったBMWザウバーのスタッフは幸せでしょう。
ホンダにしても、イギリス側のスタッフは全員とは言いませんが、何割かチームを離れた
スタッフの犠牲があり、今年チームに残れたスタッフは本当に幸せだったでしょう。
それに比べるとトヨタは500人以上の人員を削減するようです。まあTMGは元を辿ると、
元々はWRCでセリカを走らせていたTTEなので、完全にトヨタ資本の組織なので、基盤になる
F1チームを買収して始めたホンダやBMWとはチームの成り立ちが違うので、一概にチームを
売却しない事を非難も出来ませんが。
でも、会見で同情を集めた山科さんはトヨタの役員ですから、帰る場所は有ります。
では、そもそもトヨタのF1参戦とは何だったのか?
これはヨーロッパでの知名度向上の為でしょうね。北米では、安くて良いものを作れば売れます。
ですが欧州では、ブランドイメージが良くないと商売になりません。そして、安直にブランド力の
向上させるには?と考えたときに、ブリジストンがF1等のレース活動でブランドイメージを高め、
ヨーロッパのセールスでも、欧州の有名自動車メーカーに純正採用され、欧米のタイヤメーカーと
対等に戦えるブランド力があるのを見て、真似したくなったのかもしれません。
そして、なんでも1番じゃないと気が済まないトヨタですからホンダに勝ちたかったのかと。
でも、思った以上に金は掛かるし勝てない、ブランドイメージも向上のコスト対効果も良くない、
そんな所から、金の臭いに敏感なトヨタは気が付いて、この景気が混乱した状況に乗じて、
逃げ出したのではないかと思われても仕方が無いでしょう。
豊田章男社長は、夢を与えたいなんて高尚な事言うけど、なら今が頑張る時だろ!!!
偉そうに、夢がとか、そんなふうに語るなよ。
富士でのF1にしても金で奪って、ほとんど無計画なボランティアで経費を削りまくった糞運営。
翌年は挽回する為に使える人員を集め、大量にバスを投入したら赤字経営で、継続不可能で、
来年以降の鈴鹿との交互開催は不可能と不景気に乗じて、撤退。
この件も、自分勝手にも程がある。本当に計画があって開催したのか不明です。
誰が考えても鉄道の無い富士では混乱は目に見えていたでしょ。素人でも分かります。
なのに誘導員は地元の高校生のボランティアって・・・、かわいそう過ぎます。
残ったのは、バーニーへ支払う、釣り上げられた日本GPの開催権の費用だけ。
それは今後、ワークス活動が無い時も地道に続けてきたホンダが支払うのですか?
それって、おかしいでしょ?
とりあえず、トヨタへの言いたい事は、これぐらいにしてF1が抱える問題点も書いてみます。
まずは、FIAもエンジン凍結とか、くだらないレギュレーションでがっかりさせるなと言いたい。
エンジンも今はボア&ストロークから、何から何まで厳密に寸法が決められていて、
同じ図面から各メーカーが製造している状態です。まあ、実際には僅かなチリのような、
チューニングの積み上げで、今年はメルセデスが最強とか、トヨタが非力とか、ワンメイクなのに?
という、何の為のワンメイクか?という微妙な状態になってしまっていますが。。。
それにしても共通エンジン、レギュレーションで縛りまくって開発の余地も無い車体。
これではGP2と何が違うんでしょうか。F1って何?という所から屋台骨が揺らいでます。
そして、育成ドライバーの弊害。
現在、若手ドライバーは育成枠に入らないとF1には乗れない現実があります。
しかし、佐藤琢磨、小林可夢偉、彼らはメーカーのサポートでF1に乗れましたが、両者とも
トヨタ、ホンダがあってのF1ドライバーでした。
来年、どちらのドライバーも新規参戦チームからの出場の可能性もありますが、今年の可夢偉が
トヨタのマシンで見せたようなパフォーマンスを新規参戦チームのマシンで見る事が出来るかと
いえば、それは残念ですが‘NO’でしょう。
そんなメーカーのハシゴがあっても、福田良、金石年弘のように、欧州F3でチャンピオンを
獲得と言う成績を残してもF1に乗れるとは限らない、まさにプラチナシートがF1です。
敏腕マネージャー、超有力パトロンのサポートを得ないでF1に乗るには、日本人だと、
トヨタとホンダの育成ドライバーになるしかありません。
そして、今後はトヨタもホンダも、育てた育成ドライバーを、どうするんでしょうか。
まあ、吉本大樹のように自力でGP2まで到達したドライバーも居るぐらいなので、そんな
育成ドライバーを甘えさす事になるのも、どうかと思いますけどね。
そろそろ、まとめようと思います。
バーニーは、自分の都合で勝手に居なくなる自動車メーカーはF1には不要なんて事を
言ってますが、まさに、その通りでしょう。
F1というのは、本業でない者が戦う場ではない。F1という世界が変わる節目なのかもしれません。
もうホンダもトヨタもチームとして出るな!!!
次は、エンジンの供給だけでお願いします。
まあ、次にホンダがF1に出て来るときは、共通の凍結エンジンなんかではなく、あたらしい、
レギュレーションになってると思います。そんな新しいF1に期待しましょう。
あ、そうそう、もうトヨタはF1には出たくても出れないでしょうね。参戦契約無視して撤退なんて。
金輪際、さよオナラ。
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ホンダ撤退↓