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2023年06月11日

LeMansウィークなので、伝説のGT-R LM NISMOの動画を翻訳します 補足編

LeMansウィークなので、伝説のGT-R LM NISMOの動画を翻訳します 補足編 動画の翻訳は終わりました。
せっかく自分で見るのに翻訳したので、
記録も兼ねてと始めたら大仕事になったw

でも、その中で不親切かなーって
部分があったので、レーシングカー的な
用語を知ると、より深く楽しめるように
なると思いますので、もう1本書いてみます♪

まず、Part1の前半はLMP1のレギュレーションの説明でした。
エンジンに関しては制限無しで、組み合わせるハイブリッドのモーター出力に対応して、
エンジンのガソリン流量を制限する。
このレギュレーションって、非常に面白い試みでしたよね。まさに実験室という感じ。
ただ、数年経てば最適解が出て、バッテリーで最大8MJという所に収束したのは、さすがですw

次に中段の部分で使った、この絵の説明です。


ダウンフォースという言葉があります。
これは文字通り、下向きの力という意味で、レーシングカーの場合は2つに分ける事が出来ます。

まず、1つは自重です。その物体に働く重力の大きさです。
重たければ、重たい程、マシンの重さがタイヤを押し付ける力になるという事です。

そして、もう1つが空力によって得られる、下向きの力です。
これは飛行機が空を飛ぶのと同じ原理で、翼を裏返して、地面に押し付ける力を発生させます。
自重は速度依存は無いので一定ですが、空力のダウンフォースは速度に依存します。


上の事象を踏まえて、補足したかったのは、青○、黄色○の説明の部分で・・・

ミッドシップの為、重量配分が後方に偏った車両になります。(青○)
スピードに応じてハンドリングが変化しないように、エアロバランスも後方寄りに設定。(黄色○)

このように書きましたが、重心と空力中心を合わせないと、ハンドリングが変化する説明です。

例えば、重心は前寄り、空力中心が後ろ寄りという車があったとします。動画に書き足した。


こうなると、低速時には自重がフロントタイヤに多く掛かる為に、フロントの舵が効く
オーバーステアの状態になりますが、速度が増してダウンフォースが増えて来ると、
今度はリアタイヤに空力的なダウンフォースが多く掛かり、今度は舵の効きが悪化する、
アンダーステアの状態になってしまう事になります。
イメージは緑の矢印で、シーソーのような動きになってしまうという事です。


そのように速度で運動特性が変化してしまうのは、駄作という事になりますw
これも野心的な1台で、その後のF1のトレンドを作った1台ですが、このマシンとしては、
コンセプトは良かったものの、エアロ中心が動きまくって操縦性は最悪という評判でしたw


その意味では、フロントのダウンフォースに規制が少ないので、フロントで駆動させたい。
フロント駆動させるには、重心もフロント寄りに。なので、空力中心もフロント寄りに。
そして、フロントタイヤに掛かる荷重が大きいので、フロントタイヤから多くの回生を取る。
そのようにGT-R LMがフロントエンジンでフロント駆動を選んだ過程は非常にロジカルです。


Part1の補足は、ここまで。お次はPart2の補足です。

ここは、8MJのフライホイール式ハイブリッドシステムの開発に失敗した話。
その事で、回生ブレーキを期待してフロントブレーキを小さめ、小径のフロントブレーキで18インチでは無く16インチのフロントタイヤにする予定が、使えなくなってしまった。

加速する際に機能するハイブリッドが使えないだけでは無く、運動性能も含めてひっくり返った。
やっぱり、リアタイヤは3セットしか使ってないのに、フロントブレーキは4セット使った、
と言うのは、もはやそんなのはレース走るスタートラインに立ってないw


そして、GT-R LM NISMOは床下でのダウンフォースが非常に大きく稼げた為に、
リアウィングレスも、考えていたという話です。
これは、ネタだろって思いますが、本当にエアロトンネルの構造がインパクトあるw
そういう意味でも、机上検討で相当なスペックだったであろうというのも想像できます。


想像ですが由良さん、このGT-R LM NISMOに対して非常に好意的な発言が多いですw
というのは、本気で他とは異なるコンセプトを具現化したから、でしょうかw

同じリアウィングレスを実現した、Peugeot 9x8に関しては、ボロクソですw
この違いは、LMHでハイパーカーで、LMPhから性能ダウンがあったので、床下そのままで
リアウィングだけ外したような、ある意味で本気でやってないって見てるのかな。

2020年までのLMPhの予選タイムは、TS050の3分15秒に対して、
今年のPeugeot9x8は3分27秒で、10秒以上タイムがダウンしてるので、それを見込んだのかな。
ハイパーカーになる事で、これ位のパフォーマンスでいいだろって線引き間違えたのかな。


そして、リア駆動の話は、やっぱり期待はありますが、あの動画に出て来るギア駆動が、
どこまで信ぴょう性があるかというのはありますが、あれじゃあ絶対に信頼性確立は無理そうw

リアサスペンションに関しても、エアロトンネルを優先しすぎて短足過ぎるw
その辺からも、2015年モデルのGT-R LM NISMOを時間掛けて完成させても限界はあるでしょう。

では、最後にリザルトを見てみます。
LMP2並みのスピードしか出せなかったと言われますが、そもそもハイブリッドというオモリを
積んでいただけで作動していなかったわけで、LMP2よりエンジンのパワーが無いw
そんな状況で、LMP1並みの最高速度、LMP2並みの予選タイムを出せたという事は、
非常に効率の良いレーシングカーで有った事は、間違いないですね。


まとめると・・・
誰もやってないコンセプトを具現化したという意味で、非常に面白い存在でした。
レギュレーションに縛られない、抜け穴を探すのがレーシングです。

では、何が問題だったかというと、これだけ野心的なプロジェクトを立ち上げておきながら、
1年で、あっさり捨て去ってしまった事。これが、あまりにもモッタイナイ。

そして、市販車のGTRと全く似ても似つかないこれを、GTRと呼んだ事w
そこに関しては、由良さんの評価は低いけど、市販車と共通のデザインフィロソフィーを感じる、
このPeugeotのデザイン力は、見事としか言いようが無いですね。
せめて、GT-R LM NISMOが同じ成績だったとしても、デザインに納得できれば、
もっと違う評価になったのかなー、なんて思います。


という事で2023年のLeMans24時間は残り5時間ですが、私の耐久ブログ執筆はフィニッシュです!
ブログ一覧 | 車について考えた | 日記
Posted at 2023/06/11 17:56:38

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この記事へのコメント

2023年6月12日 11:30
おはようございます。申し訳ないですが長文になりますw

流石、やーまちゃんさん 読み応えのあるブログ面白かったです。

GT-R LM NISMOは色々問題はあったけどコンセプトは良かったってことですよねwこのマシンで結果が出てたら、賞賛の嵐だったと思うと夢があるプロジェクトでした!

自分の記憶では、当時のルマンのプロジェクトの上層部が海外のニスモの怪しい人達だったような気がするんですが、違いましたっけ?長期的な計画でマシン開発が出来ればと思うと残念です(^^;

やーまちゃんさんの言う通り、この問題の一つ、自分には最も問題だったネーミングです!あのマシンがGT-Rって、GT-Rだけ外してLM NISMOにすれば良いのにって思ってましたよ。なんかイメージがズレまくって違和感満載なネーミングw

しかし、今回のルマンは複雑な感情で終了しました。
あのスティントでの可夢偉代表の平川選手起用について、かなり賛否がありますね。可夢偉代表の気持ちも、結果に徹するべきとの批判も分かる気がして・・・。自分は平川選手ファンですが(^^;

今回のフェラーリは見事でしたね。そこに異論の余地はありません。フェラーリの底力は流石、恐ろしいものがあります。この結果から判断すると相当緻密で綿密な準備をしてきたことが容易に想像できます。F1ではいつも理解不能な戦略やらで結果を出せず批判ばかりされる同じマニュファクチャラーとは思えませんw まぁ、調整ウエイトやBOPがあっての結果なのは間違いないですが、チーム力・ドライバーの能力は脱帽といった感じがします。

Jスポーツの解説で内容が正確ではないかもですが、『アウディも以前ルマンで突然不利な状況に追い込まれていたので今回のトヨタのウエイトも理解出来る』ような話がありました。

アウディの話が本当かは分かりませんが、どちらにせよ今回はトヨタは勝たなければならないレースだったと思います。レースに詳しい人なら直前の調整ウエイトやBOPがなければ、トヨタがブッチ切りだった事は周知の事実です。

しかし、世間一般世界的にはちょっと不明ですが、日本では一般的な人達の認識として『あ~やっぱりフェラーリは流石!トヨタは勝てないんだ』となってしまいますよね。だからなおさら勝たないといけなかった・・・。非常に悔しいことです。確かハイブリット元年のルマンでもトヨタはアウディに勝てなかったような。返す返すも非常に悔しく残念な結果です。

話は変わって、これもJスポーツの解説からですが、『プジョーはWECでは遅いし信頼性もなかったけど、ルマンの準備は別部隊がしっかり行っていて、それなりのペースと信頼性があるのは流石』って話でした。やはりフランスメーカーを舐めちゃいけないと思いました。ルマンへの思いは日本人には理解出来ないものがあるかもしれませんね。由良さんの話でも、『ウイングレスはここまで来たら意地でやってる、リヤの左右の小さいスポイラーをあそこまで立たせてあの走りなら、通常のウイングにすれば素晴らしい車になる』的な事を言ってました。なんか1本筋が通っていて感心しました。ただマーケティングなどの理由でコンセプトやデザインが大きく左右されて、やはり後には引けないといった記事もなんか読んだ気がしますが。

今年は100周年で、多くのマニュファクチャラーが参戦して、だけどまだ初年度だからトヨタはやっぱり速かった的な感じで、日本のモータースポーツファンとしては満足して終了って予想してましたが、BOPの見直しやら調整ウエイトでこんな結果で、やっぱりヨーロッパの文化ってことですかね。そこを跳ね返してトヨタはやってくれると思ってました。クドイですが日本人として悔しい結果です。

またまた話は変わって、来年以降更に多くのマニュファクチャラーが参戦予定ですが、その中に自分的に大きな期待をしてるのがBMWです!実は最近VW→BMW4シリーズグランクーペに買い換えたので、来年注目の1台です!

長くなりまして申し訳ありませんw
コメントへの返答
2023年6月14日 23:03
こんばんは。

この、GT-R LM NISMOは、デルタウィングから続くプロジェクトだったので、Part1に書いてるベン・ボウルビーがそのままプロジェクトを率いていましたね。
パノスの流れをくむデルタウィングと、ボウルビー率いるチームで知的財産の裁判沙汰もあったので、まあクリーンな人物では無かったのかもw

とは言え、こちらの記事を見ると、コンサルにリカルド・ディビラというニスモにいたレーシングカーデザイナーも関わっているのです。
https://www.as-web.jp/sports-car/587015?all
童夢やペスカロロのLeMansプロジェクトや、更に古くはF1でエンジニアを務めていたような人物で、SGTのZ33にも深く関わっていた人物もデザインに参画していたようなので、完全な色モノとは思ってはいないんですよねー。
とは言え、まともな成績では無かったのも事実なわけで・・・w

結局、ネーミングとデザインがイマイチなうえに、強引な参戦計画でボロが出て、あっさり捨ててしまったという感じなんでしょう。
そもそも、アメリカでマシンを組み立てたのが失敗だったという記事もありましたしねー。
LeMansの惨劇の後、日本に持ち帰り日本で組み立て直しただけで、まともに走るようになった、なんて記事も読んだ記憶があります。

今年のLeMansは、平川には厳しい結果になってしまいましたね。
次の世代を育てなければいけないという背景もあり、平川に修羅場を経験させるという結果が招いた敗戦だったので、勝負しなければ失敗は無いという通りですが・・・今年負けてしまったのは、やはりイメージ的に痛い敗戦でしたね。
しかも、ハートレーが無線でブレーキ厳しいから気を付けろって言ってたインディアナポリスで、言われた通りにリアがロックとか・・・笑えねーよって思いましたw

499PはLMDhではなく、ハイパーカーを選んだのが正解だったんですかねー。それにしても、予算制限でF1から流出したメンバーが良い仕事しすぎですねw
この499Pといい、Nur24の296GT3といい、良いマシンを作ってます。ま、その代わりF1が出がらし状態でポンコツ極めちゃってますけどw

今回のウェイトはトヨタだけでなくフェラーリも載せてますし、ライバルがペスカロロしかいない時にAUDIがウェイト載せたのも事実ですね。
いまのハイパーカーのBoPはトヨタは推進派だったみたいですし、BoP外のウェイトだからって騒いでますが、レースってそんなもんじゃない?って気もしますし、ちょっと会長が騒ぎすぎかなーって気もしますw

Peugeot 9x8に関しては、また機会があれば書こうと思ってるので、その時にでも。

BMWに買い替えたんですね!
ホント、いまの流行りが続けば良いのですが、意外とこの勢いって続かないのも過去を見てると繰り返してきた歴史を感じます。程々に末永く、楽しくやってくれれば良いなーって、切に願いますw

プロフィール

「優勝争いがあるレースはやっぱり面白いね!角田は、またもポイント獲得で素晴らしい!でもヒュルケンに絡まれた事で上位と戦うレースが出来なくなったのが残念。下から絡まれるレースになると順位確定しちゃうからね。どうやって上と戦うポジションへ行くか。だけど、それはRBには高望みか・・・w」
何シテル?   05/19 23:32
車は純正がイチバンと思っています。 ですが、ナゼだか残念な事に、愛車スカイラインはノーマルとは、 程遠い姿になってしまっています・・・w ブログは、も...
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