
先日までの作業でハイカム導入の下準備が大方完了しました。あとはセッティング料という名の上納金を貯めなきゃな~ と思っていた矢先、一本の電話が鳴りました。
『今晩、寄って下さい。』
電話の主は某ラリーショップの社長。
自分の白やスカGを造った人です。
はじめて顔を合わせたのは今からもう20年以上も前のこと。ただお世話になるようになるまでにはそこから数年掛ってるんですよね。最初は競技系ショップにありがちな敷居が高そうな… というこちらの勝手なイメージと、ショップに対しての間違った偏見で距離を置いていたのですが ショップの存在意義 そしてなにをおいても社長自身の走りを目のあたりにすることで この人にお願いしたいと思うようになったんです。
さてさて、思いがけず入庫が早まりそうな気配になってきた銀。早くても秋かなぁ… なんて思っていたので手を付けてなかった細かいところも急ピッチで手直しにかかります。まず今回手を付けてきたのがローテンプサーモスタット。クーリング対策としては定番のアイテムですよね。今までも なにもしてなかったわけではないんです。三河屋オリジナル 『純正改 ローテンプからフローするサーモスタット』 を入れてましたから。ただこれ、水温の保持が苦手なんですよね。
水温ってとにかく下げる方にばかり注目されてしまいますが、適温っていうものがあります。メタルだって熱膨張する事前提に組まれているわけですし。そのため早く適温に持っていく為に冷間時の燃料増量があったり、サーモスタットがあったりするワケです。
三河屋オリジナル 『純正改 ローテンプからフローするサーモスタット』、抑える方は全然いいんですよ。絶対水流も増えてますから。真夏のサーキット連続全開走行でも 90℃切ってますし、渋滞の中エアコンONでもいいとこ 85℃ですもん。なにより下げたい時にスーッと下がる。これ大事ですよね。三河屋さんの考えではここが一番のポイントだし。もちろんサーモだけじゃこんな風には出来ないですケド、外せない部分でもあるんです。ただ、抑える方のことしか考えてないので残念なこともあるんですよね。
一番残念なのがヒーターです。冬場なんて完全にオーバークールですから30分ほど走ってやっとほんのり程度。効いてきたかな? なんて思い出した頃には会社に着いてしまってます。(笑) それに SRは70℃まで燃料の低水温時補正が入ってしまうので本来の性能が発揮出来ないどころか燃費まで悪くなってしまいますよね。単純にエンジンフリクションの観点からだと高水温ほど良いということも聞いた事ありますし、最近のエンジンは最適水温が高めに設定されているらしいですし。まぁ、素人のウンチクなので当てにしないで下さいね。(笑)
まぁ、自分的にはいつまでも低水温時の補正から抜け出せないとセッティングの時に社長に怒られて困るので(笑) 例のアレを引っ張り出してこようと思います。そう、三河屋オリジナル 『純正改 ローテンプからフローするサーモスタット』 組んだ直後に出てきた ニスモ 『ローテンプサーモスタット』 です。『そうなんだよ、確か持ってた気がしたんだよ…』 ってなったアレです。
三河屋オリジナル 『純正改 ローテンプからフローするサーモスタット』
開弁温度:76.5 ℃
ニスモ 『ローテンプサーモスタット』
開弁温度:65 ℃
(*現行モデルは開弁温度62℃となっています。ただ、少し前のニスモカタログをよーく見てみますと65℃を消して62℃と刻印し直してあります。何故?)
S13系のサーモスタット交換は特に難しいコトありません。サーモスタットハウジングの下にオルタがいらっしゃるので気前よく冷却水が掛らないようにビニール等でカバーするといいですね。
サーモスタットハウジングは3本のボルトで留まってますが液体ガスケットが張り付いてますのでハンマーの柄などで優しくコンコンと叩き外してやります。
外したハウジング等に古い液体ガスケットが残ってますので柔らか目のワイヤーブラシ等でキレイに剥がしてやります。残りカスが原因で水漏れ… なんてイヤですもんね。
キレイになったらサーモスタットをセットするのですがジグル弁の位置を真上に持ってきます。適当に付けてしまうとエア抜きが大変になってしまいますから。
SRの場合は鋳物の整形跡を目安にすると分かり易いですね。
そしたら最後はサーモスタットハウジングに大好きなベンガラを均等に塗って、
内外周の余分な分を軽く拭き取ったあとなるべくズレないようにセットし、3本のボルトを 2、3回に分け均等に締めてやります。
暫く乾かしたあと冷却水を入れエア抜きをします。専用の工具なんて持ってませんのでペットボトル改でコポコポと。ヒーター全開で念入りに。
一晩置きまして、翌日冷間時からの水温の上がり方を確認してみます。エンジン始動後暫く後付の水温計の針が動きません。サーモが閉じているのでエンジン内だけで水が回ってますので、後付水温センサー取り付け位置のラジエター近くのアッパーホースにまで温水が届かないんでしょうね。その後サーモが開いた辺りで70℃位までぐっーと上がり安定します。ここまで ほんの数分。あっという間に暖気終了、低水温時の補正も終わりアイドリング時の回転数もキチンと下がってます。今までだと夏場でも15~20分掛かってたモンな~ そりゃ燃費も良くないワケです。って、燃費は全然気にもしてませんでしたケド。(笑)
水温上昇を抑えるにはやっぱりラジエター本体だと思うんですよ。だってどう頑張ったってラジエターの性能以上冷やすことが出来るワケじゃないし。クーリングパネルやウォータースプレーなんかも結局はラジエターの本来の性能を十分発揮させてやる方法にすぎないですよね。じゃあローテンプサーモってどうヨ、って話になるとやっぱり時間稼ぎにすぎないと思うんです。でも小さいコトの積み重ねが結果になるワケですよね。
小さいコトしかやらないのもなかなか結果に繋がらないと思うけど、
なかなか結果が見えないからって小さいコトを積み重ねなかったらそこそこで終わっちゃうと思うんですよね。
そこそこ… なんて言ってると原田くんに怒られちゃいそうですしね。(笑)
さて、素振りしよ。(爆)
Posted at 2016/07/29 14:50:53 | |
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