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三河屋ワークスのブログ一覧

2015年12月06日 イイね!

出逢いと別れと始まりと。

出逢いと別れと始まりと。その日はこちらにしては珍しく雪が降っていて、なんとなく聞いていたFMが流れるなかひとり積車のハンドルを握りながら荷台に乗せたスカGとのこれからを考えていました。


遡ること今から7年前、もう久しく乗られなくなっていたスカGは住宅地の契約駐車場の片隅でひっそりと佇んでいました。

ひょんな事から近県まで引き取りに行ったスカGは前オーナーがプライベートで 26に載せ換え、ストリートゼロヨンで戦う為に仕上げられており、手元に来た時点で自分的には既にオーバースペックで。



ただスペックの割にどこかくすぶった感があるのは否めないスカG。それにあくまで普段使いとして使うことが前提では信頼性が最重要課題と考える自分としては掛るものが掛ったとしてもキチンと制御してやる事は当然のことで、いの一番に手を付けたのはECU。セッティングはもちろん全幅の信頼を寄せているラリー屋の社長のところ。

少しづつブーストを上げセッティングをくり返す。3速、4速、とギアを上げた瞬間、一瞬聞こえた小さなカラカラ音。とっさにクラッチを切り助手席を見るとノートパソコンの画面を見ているハズの社長と目が合う。

『メタル…?』
『ですね。』

スカGはブローからの始まりでした。





セッティングに出るまえから兆候はあったんです。でもそうなったらそうなったらでイケるとこまで行きましょう! と社長の助言を押し切って出発して。結局スカGに載っていた 26は半分も本領発揮せずブローしたのですが、それでもチューンドの 26は自分を虜にするには十分で。社長のお店に戻った時には既に新しいベースエンジンを探し始め、1ヶ月後には本来の姿を取り戻し。





エンジンが決まったら次はボディ。基本コンセプトは4ドアGT-Rなのでやっぱりボディもブリスターでなければとそのまま拘りのオトコ、カーツさんのところへ直行。言われなければ気付かない自然な仕上りの裏には相当な手間ひまが掛けられて。







二人の尊敬する方々の手によって造り上げられたスカGで自分のすることはやはり走るコト。
色んな所へ遠征したり、サイコーなライバルとガチでやったり。



林道。





箱根十国峠。





ターンパイク。





関東遠征組本部。







原点。





サーキット。







OSのダンパー無しツインも慣れればリッチューの坂道発進だって楽勝だし、バイク並みのレスポンスは街乗りでも思わずダブルを切りたくなってしまう。26にしたら控えめな 400だって 1.5tの車重を軽く感じさせるには十分だし、裏山なら負ける気がしない。こんなサイコ―な相棒に、なんの不満があるだろうか。いつまでもこの体制が続くと思っていたけれど…

それでも終わりは、くる。


こうやって振り返ると1号車と変わらないスカGですが、自分の手元に来たときから変わらない使命はファミリーカーであること。自分の趣味で裏山を駆け回ったりサーキットに持ち込んだりもしましたが毎日の通勤、休みの日の買い物、子供たちの用事… これらをこなせられなければどれだけ自分好みでもファミリーカーとして失格なんです。

年明け早々から始まった原因不明のエンスト。直ったかと思うと突然再発し、発生状況も統一感がない。これが白だったら、どれだけの時間や手間を掛けても直しただろうけど残念ながらスカGのポジションはそうではないんです。自分の都合だけで乗り続けることが出来ないのは最初から決まっていたこと。雪の降る日の積車の中でひとり、自分とスカGのこれからを決めたんです。







有難いことに何人かの方からスカGを譲って欲しいとのお申し出がありました。自分と同じようにストリートに拘って付き合ってくれると。でも、ダメだったんです。完全に自分のエゴですが、スカGが自分以外の色に染められるのがどうしても想像出来なかったんです。

手塩にかけ、共に走ってきたスカGをバラすのはもちろん気分のいいことではありません。どこかでなんとかスカGを生かす方法は残ってないかと後ろ髪を引かれる気持ちで日々過ごしていた時に一本の電話が鳴りました。

よかった、本当によかった…





それから約10ヶ月。

北の大将と1年半ぶりに逢えるという事で気分は凄くいい。朝早くから集合してせっかくなので Z乗り さんの 31と分乗し紅葉狩りよろしく裏山経由で赤味噌の里で昼飯を戴く。川沿いロード経由で カーツさんトコに戻ると少し遅れて じゃっきー さんとも合流。運転手さん役の クミチョー さんや ジョナサン さん、どりこ、宴会部長ふくちゃん も交わり、いい空気が流れている。スカGとのお別れなのにとても晴れやかな気持ちだ。





スカGの運転席に乗り込みイグニッションオンでポンプの作動音を確認する。
クラッチを切りギアをローに入れる。軽いレーシングでクラッチをそっと繋ぐ。

最後の、これが最後。







そしてスカGの新たな始まり。
一点の曇りも無い。


Posted at 2015/12/06 01:22:17 | コメント(10) | トラックバック(0) | 人間模様 | クルマ

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「山頂付近はすっごい濃霧。ハードだわぁー」
何シテル?   08/04 05:46
三河屋ワークスと申します。 とにかく走るのが好きで気付くと30年超…  未だに悪い病気は治る気配はなさそうです。 峠、草レース、タイムアタック...
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