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2017年07月05日

吾野宿の不思議発見

吾野宿の不思議発見 国道299号線に乗り秩父に向かう途中、顔降峠
への分岐路近くに吾野宿はある。

江戸時代は、秩父往還の宿場町。
明治以降は石灰鉱山の街として繁栄した。

昨年12月、ネットで見つけた写真に目が
釘付けになった。




吾野宿の戦前の写真であった。

これが、その写真である。大勢の子供たちの行進。繁栄する街が写真にも感じられる。
服装から真夏でも真冬でもない事が分かる。マラソン大会であろうか?

*昨年一度フォトギャラでUPした写真で恐縮だが、当時は何もわからなかった。

*郷土資料館に展示の写真が、ネットに出ていたのでお借りしました。


当時の街並みは殆ど変わっておらず、建物の姿も当時のままの姿が多い。
下が、同じアングルから撮影した現在の街並みである。
上写真手前の蔵のような建物は、屋根が赤くなっただけで同じ建物だ。
写真下に、赤い車が停まっている場所の建物は、変わっている。

何回か訪れたが人影も毎回、写真通りである。



1.山が消えた

背景に注目である。戦前の白黒写真の背景には巨大な山が空を覆うように映っている。

下の写真では山の部分が青空に変わっている。これが吾野鉱山である。
秩父にも全山石灰岩の武甲山がある。

採掘は明治から始まったが、特に戦後の復興期から大量のセメントが必要とされ
、山は人間の手で削り取られて、ご覧のようになったのである。

なお、規模は縮小されたが操業は、現在も続いている。




線路端にある石灰貯蔵庫兼出荷倉庫、かつては1階部分に貨物列車が入線していたそうだ。
現在は、ダンプ運送に変わっている。



2.吾野宿のランドマーク  

しかし近隣住民も、何の建物かを知らない不思議



街の中心部に位置するひと際、目を引く立派な古い建物。
「秩父往還 吾野宿」 と、大きな道標が建っている。

この家の前の住人がいたので、昔は何の建物だったが聞いてみた。
すると、自分が子供の頃からあったが、何の建物かはわからない と言われた。
昔から住んでいる方が知らないとは‥一体何の建物だろう?

入口を開けて中を覗いて見た。中庭があり、旅館のような建物が見えた。
人影は見えないが、車が停まっているので誰かいるのだろう。

写真左手に、ギャラリーの看板があった。



3.県指定・重要景観建造物

洒落た大正ロマンの洋風建築と、和風の折衷建築が上記古民家の近くにある。
具体的には、上の画像の赤い車が置いてあるお宅だ。

昨年末、ここのオーナーと話をする機会を得た。
建物は県の重要建造物の指定を受けているとの事。大正時代の建築らしい。

じき70歳になると言うオーナーは、冒頭の写真を見て、驚いた表情をしていた。
子供時代には、山がこんなに大きかったと懐かし気であった。



そして割烹着のご婦人の後ろの家は、確かにこの家だと証言してくれた。
建物は、一部取り壊して、ガレージにしたんだとか・・。

さて、例の古民家は何かと尋ねると古民家のオーナーが昔に東京から移築した
建物とか。しかし、何の建物かは分からないと言われた。*ネットにも出ていない。




吾野宿と国道299号線の間を流れる清流と、上は川の中にある巨岩。



4.建物の正体が判明した!

最初に疑問を持ってから3年の歳月が過ぎた。

今年建物内にカフェギャラリーがオープン、中の案内文によれば、建物は明治時代に
「武家屋敷・長屋門」を、個人が東京から移築したものだそうだ。 
*大名の家臣の長屋に入口を付けたのが始まり。江戸時代では、上級武士・豪農の
  表門であり、両脇に門番などの部屋があった。2階建ての長屋門は珍しい。
 

江戸から移築とは、その熱意と財力に感銘を受ける。
誰が、どんな志でこの地へ移築したかも知りたい。

明治時代に鉄道は、この辺りには、まだ開通していなかったはずだ。

また古民家と呼ぶには、何か風情が違うと感じた造りであった。
それにしても、吾野宿のランドマークが生え抜きではなく、江戸からの移築とは驚いた。




吾野宿を眼下に見る高台に位置する西武秩父線・吾野駅。

この話は、これで終わりではない。
先週、この吾野湧水を見つけたがまだ、見ていない場所がある。


*あちこちの湧水を飲んだが、これはかなり旨い。八ヶ岳山麓の大滝湧水にも引けをとらない。

それが、ここだ。そして名所と共に、山の削られた部分用の鉱山施設跡もあるようだ。




いずれ、日を改めて訪問したい。 *続篇UP済



今回は、実に3年がかりのブログとなった。
写真は、直近のもの中心ですが、一部 2014年のものもあります。
樹々の具合で季節もわかるはず。
続篇UPしました。

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この記事へのコメント

2017年7月12日 21:42
こんばんは。
お疲れ様です。
戦前の吾野宿・・・
貴重な写真ですね。
吾野鉱山・・・
現在も操業が続いでいる・・
いろいろな意味ですごいですね。
コメントへの返答
2017年7月13日 5:20
おはようございます。
山が今は空に・・。

この写真を見た時には驚きました。
武甲山をはるかに上回る変貌です。

自然の前には無力な人間と、自然を変えてしまう人間の凄さを同時に感じます。

なお、カメラはオリンパスデジイチではなく、ニコンコンデジを専ら使っています。
2018年8月4日 6:55
いつもありがとうございます!

何気なく通過していた吾野、西武沿線民(歴15年)は「秩父へ行く途中の駅があるところ」という認識でおりましたが、石灰貯蔵庫については不思議なつくりをしているなーとしか認識していなかったので、改めて「なるほど」と得心いたしました。

古民家の件、何回も通い詰めて数年かかって、新たな事実がわかるのも、また感動ですね。

以前、地域の歴史、地理的な経済推移を知ることが楽しくて、一時期、所謂「歴史民俗資料館」通いをしておりました。
CatDogさんのブログは、そのわくわく感を思い出します。
コメントへの返答
2018年8月4日 11:13
こちらこそ。

最初にネットで、この写真を偶然発見した時は衝撃でした。

今は人通りもないのに、この賑わい。はつらつとした子供達の多さに驚きました。
何よりも、この空を覆うばかりの巨大な山がない事。

人間の力は物凄い。しかし、こんな事を重ねた結果、今の異常気象にたどり着いたのでしょう。

また、現地を訪れて建物が当時と同じ事にも驚きました。

町の方に話を聞けば、子供時代は空に大きな山がそびえていたと、おっしゃいます。

修験者の道の反対側には、当時の鉱山施設の廃墟があるようです。
いずれこれも、見たいと思っています。


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