2014年01月26日
昭和のアーティストたち、其の三 「岡林信康」
一週間のご無沙汰でした、辛口おやじです。
皆さんは「放送禁止歌」、というものをご存知でしょうか。
特に明確な規定は無いそうですが、一般的には歌詞の中に差別用語とされる言葉が含まれて
いるものを指し、あくまでも自主規制という事なのだそうです。
もう一昨年という事になりますが、紅白歌合戦で美輪明宏さんが「ヨイトマケの唄」を歌ったのが
話題になりましたが、この歌も長らく放送禁止歌としてテレビ等で歌うことを自粛していました。
歌詞の中の「ヨイトマケ」と「土方」という言葉が差別用語にあたるのだそうです。
「岡林信康」は今から45年ほど前、いわゆる70年安保闘争の時代に活躍され、当時日本の
「フォークの神様」と呼ばれた方です。
・・・と言っても若い皆さんはほとんどの方がご存知無いかもしれませんね。
この岡林信康の曲はまさに放送禁止歌のオンパレード。
70年安保の学生運動のさなか、キレイ事でない真理と強烈なメッセージを込めた彼の歌は瞬く
間に当時の若者の心を掴みました。
今回紹介する2曲はともに彼が22歳の時に発表した曲です。
まず一発目は「くそくらえ節」です。
あの時代の世界の情勢などが歌詞に入っていますので、現代の若者には内容が分からない
部分もあるかもしれません。
昨年末の紅白歌合戦に泉谷しげるさんが出場して話題になりました。
その泉谷さんが師匠と仰ぐのがこの岡林信康だそうで、破天荒でやりたい放題な彼も岡林信康
の前では現在でも常に直立不動、言葉も敬語なのだそうですね。
また、松山千春も岡林を尊敬しており、彼の影響で歌の世界に入ったのだと公言しています。
もちろん今のハゲちゃびんの千春ではなく、髪がフサフサの頃の千春です。
さて、次の曲は「チューリップのアップリケ」という曲です。
世の中には悲しい歌というものが沢山ありますが、私はこの歌ほど悲しい歌は今まで聞いた事
がありません。
あまりにも現実的な内容です・・・
世の中にはこんなにも悲しい歌があるのだ、という事を知って頂けるだけで結構です。
この作品には「同和問題」というものが絡んでいます。
いわゆる「部落」に生まれた少女のことを歌っているわけです。
この同和の問題については、誤解を招く恐れがありますのでこの場では発言は致しません。
もしもあなたが小学校の先生で、自分の受け持つ児童がこのような作文を書いてきたら・・・
あなたならどう受け答えするでしょうか。
岡林信康の歌は一貫して貧しい人々を描いた社会派であり、当時の学園闘争や安保闘争で
闘う学生や労働者に広く受け入れられました。
この岡林信康をきっかけに、フォークソングはその後、吉田拓郎や井上陽水、かぐや姫等が現
れて、一大フォークソングブームに発展したのです。
そのフォークソングはやがて社会派的な傾向から離れ、Jポップと呼ばれる新しい分野として
発展していきました。
それまでは、お洒落な音楽といえば洋楽だったのですが、若者を中心に音楽ファンの興味が
日本の音楽シーンに移っていったのですね。
これがニューミュージックと言われる音楽の台頭という事です。
すべての始まりはこの「岡林信康」であると言われています。

さて、いかがでしたでしょうか。
少し難しかったですかね。
正直、この短いブログの中ではとても紹介しきれないのが本当の所です。
もし興味が湧くようであれば今でもユーチューブで沢山聞けますので、そちらでどうぞ。
ではまた来週まで、ご機嫌よう~
ブログ一覧 |
昭和のアーティストたち | 日記
Posted at
2014/01/26 20:24:26
今、あなたにおすすめ