
S07B。
新型N-BOXで登場したエンジンです。
先代N-BOXで登場したエンジンS07A。
6年前にNシリーズとともにデビューした新しいエンジン。
なんと6年で代替えとなりました。
早いですね~。
ホンダは「燃費向上のために、ロングストローク化で燃焼効率を上げたい」。
これが狙いでした。
そのためにS07Bはさらにロングストロークとなりました。
ボア×ストローク
S07B 60.0 × 77.6
S07A 64.0 × 68.2
上記をボアストローク比にすると…
S07B 1.293
S07A 1.066
このボアストローク比、すごいです。
同じ軽自動車、他社のロングストロークエンジンとボアストローク比を比較。
スズキR06A 1.066
ダイハツKF-VE 1.117
普通車でロングストロークエンジンと言われても、ボアストローク比は1.15くらいです。
ロングストロークが良い理由。
まずボアが小さくなりますので、冷却損失が少ないし燃焼速度が速くなります。
効率が上がるんですね。
だから圧縮比が上げやすい。
圧縮比を上げるとノッキングしやすくなる。
そこで「鏡面バルブ」を採用してます。
バルブ面積を減らして、バルブが燃焼で熱して吸入した混合気を温めてしまうことを避けたいわけです。
混合気が熱いとノッキングが発生しやすくなりますので。
ボアが小さくなったことで、バルブ面積が取りにくくなります。
そこでプラグのねじ径が12㎜から10㎜へ変更されました。
プラグ径を小さくしましたが、ボアが小さくなったので吸気バルブがS07Aより小さくなっていまします。
流入量が減れば、パワーが出ないことになります。
そこで登場したのがVTEC。
S07Bは吸気側カムにVTECを装着。
高回転時のバルブのリフト量を増やすことで、流入量を確保しようって狙いです。
これでパワーを確保。
VTCとの組み合わせですので、機構的にはi-VTECに近いですね。
S07BターボはVTECが無いです。
ターボで流入量を確保できてますから良いんでしょう。
ただし、電動ウェイストゲートバルブが採用になりました。
ウエイストゲートバルブとは…
排出される排気ガスが増えると、タービンに当たる風量が増えます。過給圧が上がります。
過給圧が適正値を超えちゃうと、タービンブローかエンジンブロー。
そこで、ある一定の過給を超えたときは排気ガスの一部をバイパスに逃して過給圧を制御します。
これがウェイストゲートバルブ。
ウェイストゲートバルブを電動にすることで、ターボの過給を緻密にコントロールできるんですね。
これで最適な過給でターボを使うことができますので、燃費や扱いやすさにつながるはずです。
エンジンスペックの比較
S07B
最高出力 58ps(43kw)/7300rpm
最大トルク 6.6kg・m(65N・m)/4800rpm
圧縮比 12.0
S07B ターボ
最高出力64ps(47kw)/6000rpm
最大トルク 10.6kg・m(104N・m)/2600rpm
圧縮比 9.8
S07A
最高出力 58ps(43kw)/7300rpm
最大トルク 6.6kg・m(65N・m)/4700rpm
圧縮比 11.2
S07A ターボ
最高出力 64ps(47kw)/6000rpm
最大トルク 10.6kg・m(104N・m)/2600rpm
圧縮比 9.2
エンジンスペックは変わらないですね。
ただ圧縮比が上がっているのが見事。
これで効率が上がってますので、燃費に効くはず。
今回のモデルチェンジで唯一の欠点。
それは、ガソリンタンクが小さくなりました。
27L(2WD)・25L(4WD)
先代は 35L(2WD)・30L(4WD)
2WDは8L、4WDは5L少ないんです。
実用燃費が15km/Lと仮定すると、満タンで2WDは120km・4WDは75kmも走れなくなりました。
これって大きいんですけど。
ちなみにライバルは…
タント 30L(2WDと4WD)
スペーシア 27L(2WDと4WD)
デイズルークス 30L(2WDと4WD)
スズキは軽量化を狙ってかガソリンタンクを小さめに作る傾向が強い。
さりとてタントとデイズルークスは30L。
先代が35Lとライバルを凌駕するタンク量だっただけに残念です。
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クルマ | 日記
Posted at
2017/09/06 08:17:05