2019年05月04日
トヨタのハイメカツインカム
無くなってしまった技術についてGWですので、調査しようかと思いまして…。
今回はトヨタのハイメカツインカム。
トヨタの新型直列6気筒エンジンとして、G型が登場したのは1980年。
(クレスタに搭載された1G-E)
それまでトヨタの直列6気筒エンジンはM型でした。
しかし1960年代に基本設計という古いエンジン。
そこで開発されたのがG型。
日本市場向けに特化して、排気量は1988ccだけ。
(ボア×ストロークは75.0×75.0)
排気量拡大はほぼできない設計だった代わり、きわめて軽量・コンパクトでした。
最初は1G-E(2バルブSOHC)でした。
その後に登場したのが、1G-GE。
ヤマハの技術によって4バルブDOHC化したエンジンです。
トヨタにとっては初の4バルブDOHC直列6気筒エンジン。
このエンジンが主力…にはならず。
DOHC化でレッドゾーンが2000rpm上がりました。
が!
低速トルクが薄いエンジンになってしまったんです。
高回転型スポーツエンジンだったんですね。
その後、ツインターボの1G-GTE・スーパーチャージャーの1G-GZEが登場。
すべて高級グレード向けエンジンでした。
そこで登場したのが1G-FE。
これがハイメカツインカム。
コンセプトは「4バルブ(吸気2・排気2)化。吸排気をスムーズにする&プラグを中央に配置して燃焼効率をあげる」です。
1G-GEなどのDOHCは、2本のカムシャフトにそれぞれプーリーを付けます。
プーリーにタイミングベルトをかけて駆動します。
大きなプーリーが2つとタイミングベルトが必要なんです。
ハイメカツインカムは、排気用カムはプーリーがあります。
吸気用カムは、排気用カムに取り付けたシザースギアで駆動します。
大きなプーリーは1つだけ。
そのためヘッドが小さくなって、結果的にバルブの挟み角が小さくなりました。
熱効率が上がったんです。
常用回転域のトルク向上に繋がりました。
さらに、DOHCでは必要だったタイミングベルトの調整がプーリーが1つになったことで不要。
コストが下がって、量産化がよりできるようになりました。
これで従来より20%以上燃費が向上。
しかも常用回転域の走りやすさも向上。
トヨタは大幅にシェアを伸ばすことになったのです。
しばらくハイメカツインカム全盛。
やっとホンダはVTECを発表します。
これが可変バルブタイミングを実現していたんです。
三菱もMIVECという可変バルブタイミングを発表。
よりハイパワーで省燃費につながる技術だったんです。
ハイメカツインカムは排気用カムと吸気用カムが直結されてしまう機構ですので、バルブタイミングは変えることができません。
トヨタは、可変バルブタイミングVVT-iを発表。
その時期にハイメカツインカムが消滅していきました。
「なんちゃってツインカム」なんて言われていましたけど、当時の技術で効率を上げることを達成したトヨタの素晴らしいエンジンだったと思ってます。
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Posted at
2019/05/04 20:50:30
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